三島由紀夫のツイッター P35

1大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:34:45ID:/KNoFZAK
三島由紀夫(本名、平岡公威)
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/bf/Yukio_Mishima_1931.gif
http://image.rakuten.co.jp/auc-artis/cabinet/s-2540.jpg
http://www.c21-smica.com/blog_century21_nobu/img_1596165_27088893_0.jpg
大正14年(1925年)1月14日、東京都四谷区(新宿区)永住町2に
父・平岡梓(元農林省水産局長)、母・倭文重の長男として誕生。
昭和45年(1970年)11月25日、自衛隊市ヶ谷駐屯地にて割腹自決。

2大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:38:00ID:/KNoFZAK
ある女は心で、ある女は肉体で、ある女は脂肪で夫を裏切るのである。

三島由紀夫「反貞女大学」より

3大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:38:20ID:/KNoFZAK
愛から嫉妬が生まれるやうに、嫉妬から愛が生まれることもある。

三島由紀夫「反貞女大学」より

4大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:38:48ID:/KNoFZAK
若さが幸福を求めるなどといふのは衰退である。

三島由紀夫「絹と明察」より

5大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:39:10ID:/KNoFZAK
真の芸術家は招かれざる客の嘆きを繰り返すべきではあるまい。彼はむしろ自ら客を招くべきであらう。

三島由紀夫「招かれざる客」より

6大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:42:23ID:/KNoFZAK
人間が或る限度以上に物事を究めようとするときに、つひにはその人間と対象とのあひだに
一種の相互転換が起り、人間は異形に化するのかもしれない。

三島由紀夫「三熊野詣」より

7大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:42:56ID:/KNoFZAK
…遠いところで美が哭いてゐる、と透は思ふことがあつた。多分水平線の少し向こうで。
美は鶴のやうに甲高く啼く。その声が天地に谺してたちまち消える。
人間の肉体にそれが宿ることがあつても、ほんのつかのまだ。

三島由紀夫「天人五衰」より

8大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:43:24ID:/KNoFZAK
若い女といふものは誰かに見られてゐると知つてから窮屈になるのではない。
ふいに体が固くなるので、誰かに見詰められてゐることがわかるのだが。

三島由紀夫「白鳥」より

9大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:43:44ID:/KNoFZAK
老夫妻の間の友情のやうなものは、友情のもつとも美しい芸術品である。

三島由紀夫「女の友情について」より

10大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:44:06ID:/KNoFZAK
美人の定義は沢山着れば着るほどますます裸かにみえる女のことである。

三島由紀夫「家庭裁判」より

11大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:46:48ID:/KNoFZAK
大ていわれわれが醜いと考へるものは、われわれ自身がそれを醜いと考へたい必要から生れたものである。

三島由紀夫「手長姫」より

12大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:47:11ID:/KNoFZAK
不美人のはうが美といふ観念からすれば、純粋に美しいのかもしれません。
何故つて、醜い女なら、欲望なしに見ることができますからね。

三島由紀夫「女神」より

13大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:47:40ID:/KNoFZAK
機関車を美しいと思ふやうでは女もおしまひである。

三島由紀夫「女神」より

14大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:48:05ID:/KNoFZAK
自在な力に誘はれて運命もわが手中にと感じる時、却つて人は運命のけはしい斜面を
快い速さで辷りおちつゝあるのである。

三島由紀夫「軽王子と衣通姫」より

15大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:49:03ID:/KNoFZAK
愛するといふことにかけては、女性こそ専門家で、男性は永遠の素人である。

三島由紀夫
「愛するといふこと」

16大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:51:58ID:/KNoFZAK
まことに人生はままならないもので、生きてゐる人間は多かれ少なかれ喜劇的である。

三島由紀夫「夭折の資格に生きた男――ジェームス・ディーン現象」より

17大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:52:20ID:/KNoFZAK
あまりに強度の愛が、実在の恋人を超えてしまふといふことはありうる。

三島由紀夫
「班女について」より

18大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:53:26ID:/KNoFZAK
詩人とは、自分の青春に殉ずるものである。青春の形骸を一生引きずつてゆくものである。
詩人的な生き方とは、短命にあれ、長寿にあれ、結局、青春と共に滅びることである。

三島由紀夫「佐藤春夫氏についてのメモ」より

19大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:53:52ID:/KNoFZAK
初恋に勝つて人生に失敗するのはよくある例で、初恋は破れる方がいいといふ説もある。

三島由紀夫「冷血熱血」より

20大人の名無しさん2010/03/25(木) 10:54:11ID:/KNoFZAK
愛は絶望からしか生まれない。精神対自然、かういふ了解不可能なものへの精神の運動が愛なのだ。

三島由紀夫「禁色」より

21大人の名無しさん2010/03/25(木) 11:01:08ID:/KNoFZAK
ほんたうの誠実さといふものは自分のずるさをも容認しません。
自分がはたして誠実であるかどうかについてもたえず疑つてをります。

三島由紀夫「青春の倦怠」より

22大人の名無しさん2010/03/25(木) 11:01:43ID:/KNoFZAK
小説家は人間の心の井戸掘り人足のやうなものである。井戸から上つて来たときには、日光を浴びなければならぬ。
体を動かし、思ひきり新鮮な空気を呼吸しなければならぬ。

三島由紀夫「文学とスポーツ」より

23大人の名無しさん2010/03/25(木) 11:02:16ID:/KNoFZAK
われわれが美しいと思ふものには、みんな危険な性質がある。
温和な、やさしい、典雅な美しさに満足してゐられればそれに越したことはないのだが、
それで満足してゐるやうな人は、どこか落伍者的素質をもつてゐるといつていい。

三島由紀夫「美しきもの」より

24大人の名無しさん2010/03/25(木) 16:18:04ID:/KNoFZAK
小説でも、絵でも、ピアノでも芸事はすべてさうだがボクシングもさうだと思はれるのは、
練習は必ず毎日やらなければならぬといふことである。

三島由紀夫「ボクシング・ベビー」より

25大人の名無しさん2010/03/25(木) 16:18:58ID:/KNoFZAK
愛情の裏附のある鋭い批評ほど、本当の批評はありません。
さういふ批評は、そして、すぐれた読者にしかできないので、はじめから冷たい批評の
物差で物を読む人からは生れません。

三島由紀夫「作品を忘れないで……人生の教師ではない私――読者への手紙」より

26大人の名無しさん2010/03/25(木) 16:19:38ID:/KNoFZAK
さまざまな自己欺瞞のうちでも、自嘲はもつとも悪質な自己欺瞞である。
それは他人に媚びることである。
他人が私を見てユーモラスだと思ふ場合に、他人の判断に私を売つてはならぬ。
「御人柄」などと云つて世間が喝采する人は、大ていこの種の売淫常習者である。

三島由紀夫「小説家の休暇」より

27大人の名無しさん2010/03/25(木) 16:19:57ID:/KNoFZAK
都会の人間は、言葉については、概して頑固な保守主義者である。

三島由紀夫「小説家の休暇」より

28大人の名無しさん2010/03/25(木) 16:22:23ID:/KNoFZAK
女の部屋は一度ノックすべきである。しかし二度ノックすべきぢやない。
さうするくらゐなら、むしろノックせずに、いきなりドアをあけたはうが上策なのである。
女といふものは、いたはられるのは大好きなくせに、顔色を窺はれるのはきらふものだ。
いつでも、的確に、しかもムンズとばかりにいたはつてほしいのである。

三島由紀夫「複雑な彼」より

29大人の名無しさん2010/03/25(木) 16:22:50ID:/KNoFZAK
日本の女が全部ぬかみそに手をつつこむことを拒否したら、日本ももうおしまひだ。

三島由紀夫「複雑な彼」より

30大人の名無しさん2010/03/25(木) 16:30:25ID:/KNoFZAK
自分の美しさを知つてゐても、鏡によらずしてはそれを見ることができないといふのは宿命的なことだ。
自分が美しいといふ認識は、たえず自分から逃げてゆくあいまいな不透明な認識であつた。
結局この世では他人の美がすべてなのだ。

三島由紀夫「女神」より

31大人の名無しさん2010/03/25(木) 16:31:10ID:/KNoFZAK
しかし日本では、神聖、美、伝統、詩、それらのものは、汚れた敬虔な手で汚されるのではなかつた。
これらを思ふ存分汚し、果ては絞め殺してしまふ人々は、全然敬虔さを欠いた、しかし
石鹸でよく洗つた、小ぎれいな手をしてゐたのである。

三島由紀夫「天人五衰」より

32大人の名無しさん2010/03/26(金) 00:10:41ID:HgFuV13g
この世のもつとも純粋なよろこびは、他人のよろこびを見ることだ。

三島由紀夫「癩王のテラス」より

33大人の名無しさん2010/03/26(金) 10:04:52ID:HgFuV13g
ある小説がそこに存在するおかげで、どれだけ多くの人々が告白を免かれてゐることであらうか。

三島由紀夫「小説とは何か」より

34大人の名無しさん2010/03/26(金) 10:16:14ID:HgFuV13g
愛はみんな怖しいんですよ。愛には法則がありませんから。

三島由紀夫「班女」より

35大人の名無しさん2010/03/26(金) 10:17:00ID:HgFuV13g
恋と犬とはどつちが早く駆けるでせう。さてどつちが早く汚れるでせう。

三島由紀夫「綾の鼓」より

36大人の名無しさん2010/03/26(金) 10:17:32ID:HgFuV13g
今の世の中で本当の恋を証拠立てるには、きつと足りないんだわ、そのために死んだだけでは。

三島由紀夫「綾の鼓」より

37大人の名無しさん2010/03/27(土) 23:59:46ID:hoDdjV2H
幸福がつかのまだといふ哲学は、不幸な人間も幸福な人間もどちらも好い気持にさせる力を持つてゐる。

三島由紀夫「スタア」より

38大人の名無しさん2010/03/28(日) 00:06:14ID:Kz/yOCy5
シヴィリアン・コントロールは、天皇の代りに、総理大臣のために死ぬことではない。

三島由紀夫「団蔵・芸道・再軍備」より

39大人の名無しさん2010/03/28(日) 05:27:42ID:gRY3hbZH
切腹なう!

40大人の名無しさん2010/03/28(日) 10:46:42ID:Kz/yOCy5
純然たる日本人といふのは、下層階級か危険人物かどちらかなのだ。
これからの日本では、そのどちらも少なくなるだらう。
日本といふ純粋な毒は薄まつて、世界中のどこの国の人の口にも合ふ嗜好品になつたのだ。

三島由紀夫「天人五衰」より

41大人の名無しさん2010/03/28(日) 23:13:11ID:Kz/yOCy5
「武」とは花と散ることであり、「文」とは不朽の花を育てることだ。

三島由紀夫「太陽と鉄」より

42大人の名無しさん2010/03/28(日) 23:17:37ID:Kz/yOCy5
あらゆる英雄主義を滑稽なものとみなすシニシズムには、必ず肉体的劣等感の影がある。

三島由紀夫「太陽と鉄」より

43大人の名無しさん2010/03/28(日) 23:18:07ID:Kz/yOCy5
芸術作品の形成がそもそも死と闘ひ死に抵抗する営為なのである。

三島由紀夫「日記」より

44大人の名無しさん2010/03/29(月) 22:41:04ID:s7nqp968
治りたがらない病人などには本当の病人の資格がない。

三島由紀夫「小説家の休暇」より

45大人の名無しさん2010/03/29(月) 22:42:36ID:s7nqp968
傷つきやすい人間ほど、複雑な鎖帷子(くさりかたびら)を織るものだ。
そして往々この鎖帷子が自分の肌を傷つけてしまふ。
しかしこんな傷を他人に見せてはならぬ。君が見せようと思ふその瞬間に、他人は君のことを「不敵」と呼んで
まさに讃(ほ)めようとしてゐるところかもしれないのだ。

三島由紀夫「小説家の休暇」より

46大人の名無しさん2010/03/29(月) 22:43:06ID:s7nqp968
私はかつて、真のでくのばうを演じ了せた意識家を見たことがない。

三島由紀夫「小説家の休暇」より

47大人の名無しさん2010/03/29(月) 22:45:23ID:s7nqp968
愛の奥処には、寸分たがはず相手に似たいといふ不可能な熱望が流れてゐはしないだらうか?

三島由紀夫「仮面の告白」より

48大人の名無しさん2010/03/29(月) 22:45:50ID:s7nqp968
処女だけに似つかはしい種類の淫蕩さといふものがある。
それは成熟した女の淫蕩とはことかはり、微風のやうに人を酔はせる。

三島由紀夫「仮面の告白」より

49大人の名無しさん2010/03/29(月) 22:51:20ID:s7nqp968
恋愛では手放しの献身が手放しの己惚れと結びついてゐる場合が決して少なくない。
しかし計量できない天文学的数字の過剰な感情の中にとぢこめられてゐる女性といふものは、
はたで想像するほど男をうるさがらせてはゐないのだ。

三島由紀夫「好きな女性」より

50大人の名無しさん2010/03/30(火) 13:56:41ID:TJL5+uIS
自衛隊なう。

51大人の名無しさん2010/03/31(水) 10:42:37ID:/SSfUXqS
女の人には、自分で直感的に見た鏡が、いちばん気に入る肖像画なんです。

三島由紀夫「女神」より

52大人の名無しさん2010/03/31(水) 10:43:06ID:/SSfUXqS
一つの悪い評判といふものは、十の悪い評判とつながつてゐるものなんです。

三島由紀夫「女神」より

53大人の名無しさん2010/03/31(水) 15:22:23ID:/SSfUXqS
火に対抗するのには氷といふのはまちがひですよ。火には火、もつと強い、もつと猛烈な火になることです。
相手の火を滅ぼしてしまふくらいな猛火になることですよ。
さうしなければ、あなたの方が滅びます。

三島由紀夫「女神」より

54大人の名無しさん2010/03/31(水) 15:23:35ID:/SSfUXqS
あらゆる種類の仮面のなかで、「素顔」といふ仮面を僕はいちばん信用いたしません。

三島由紀夫
昭和22年11月4日、林房雄への書簡より

55大人の名無しさん2010/03/31(水) 23:59:30ID:/SSfUXqS
「足が地につかない」ことこそ、男性の特権であり、すべての光栄のもとであります。

三島由紀夫「第一の性」より

56大人の名無しさん2010/04/01(木) 10:56:18ID:Wehrb9/d
動物になるべきときにはちやんと動物になれない人間は不潔であります。

三島由紀夫「第一の性」より

57大人の名無しさん2010/04/01(木) 10:57:10ID:Wehrb9/d
変はり者と理想家とは、一つの貨幣の両面であることが多い。
どちらも、説明のつかないものに対して、第三者からはどう見ても無意味なものに対して、
頑固に忠実にありつづける。

三島由紀夫「第一の性」より

58大人の名無しさん2010/04/01(木) 21:01:55ID:Wehrb9/d
われわれが文明の利便として電気洗濯機を利用することと、水爆を設計した精神とは無縁ではない。

三島由紀夫「小説家の休暇」より

59大人の名無しさん2010/04/01(木) 21:10:19ID:Wehrb9/d
告白癖のある友人ほどうるさいものはない。

三島由紀夫「不道徳教育講座」より

60大人の名無しさん2010/04/02(金) 00:49:28ID:QvNPq8+Q
男根の大きさで男の価値は決まらない。


三島由紀夫『性器の告白』より

61大人の名無しさん2010/04/02(金) 00:51:45ID:QvNPq8+Q
『スクール☆ウォーズ』こそ日本人が誇るべき最高のドラマである。


三島由紀夫 「傷だらけのヒーロー」より

62大人の名無しさん2010/04/02(金) 00:56:05ID:QvNPq8+Q
業と歩む、天地避けた、我この身と叫ぶ。
罰と刻む、風と消えろ、我の証は。


三島由紀夫「VINUSHKA」より

63大人の名無しさん2010/04/02(金) 00:58:35ID:QvNPq8+Q
裂けた胸踊らせ、虚しさに問う。

三島由紀夫「緑にまどろむ」より

64大人の名無しさん2010/04/02(金) 10:32:55ID:VQg6odRX
>>60-63
つまんないネタお疲れ

65大人の名無しさん2010/04/02(金) 10:40:59ID:VQg6odRX
無神論も、徹底すれば徹底するほど、唯一神信仰の裏返しにすぎぬ。
無気力も、徹底すれば徹底するほど、情熱の裏返しにすぎぬ。
近ごろはやりの反小説も、小説の裏返しにすぎぬ。

三島由紀夫「川端康成氏再説」より

66大人の名無しさん2010/04/02(金) 10:42:13ID:VQg6odRX
劇画や漫画の作者がどんな思想を持たうと自由であるが、啓蒙家や教育者や
図式的風刺家になつたら、その時点でもうおしまひである。

三島由紀夫「劇画における若者論」より

67大人の名無しさん2010/04/02(金) 10:44:39ID:VQg6odRX
音楽は生活必需品でなくても、人生の必需品、むしろその本質的なものとも思はれる。
「今そこにないものへの誘惑」にこそ、生の本質があるからである。

三島由紀夫「誘惑――音楽のとびら」より

68大人の名無しさん2010/04/02(金) 10:57:53ID:QvNPq8+Q
ここ自体がネタじゃねぇかww

69大人の名無しさん2010/04/02(金) 15:30:26ID:VQg6odRX
男の虚栄心は、虚栄心がないやうに見せかけることである。

三島由紀夫「虚栄について」より

70大人の名無しさん2010/04/02(金) 15:36:59ID:VQg6odRX
人間は自分のためだけに生きて自分のためだけに死ぬほど強くない。
http://www.youtube.com/watch?v=EwUhRRWOwjU&hl
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6218318

71大人の名無しさん2010/04/02(金) 15:37:34ID:VQg6odRX
芸術家肌の作家ほど、作品世界の調和と統一に敏感であり、又これを裏目から支える風土の問題に敏感である。

三島由紀夫「川端康成の東洋と西洋」

72大人の名無しさん2010/04/03(土) 02:49:07ID:8S4BgPwh
ガチホモこそ正義

73大人の名無しさん2010/04/03(土) 10:56:23ID:2eCnaCqp
男が女より強いのは、腕力と知性だけで、腕力も知性もない男は、女にまさるところは一つもない。

三島由紀夫「第一の性」より

74大人の名無しさん2010/04/03(土) 11:12:09ID:2eCnaCqp
人のおどろく顔を見るといふたのしみは、たのしみの極致を行くものである。

三島由紀夫「裸体と衣装」より

75大人の名無しさん2010/04/03(土) 11:12:42ID:2eCnaCqp
人生が一人宛たつた一つしかないといふことは、全く不合理な、意味のない事実である。

三島由紀夫「裸体と衣装」より

76大人の名無しさん2010/04/03(土) 11:13:24ID:2eCnaCqp
行為とは、宿命と自由意志との間に生れる鬼子であつて、人は本当のところ、自分の行為が、
宿命のそそのかしによるものか、自由意志のあやまちによるものか、知ることなど決してできない。

三島由紀夫「裸体と衣装」より

77大人の名無しさん2010/04/03(土) 14:24:18ID:8S4BgPwh
ちんぽ

78大人の名無しさん2010/04/04(日) 10:40:04ID:jYTGVtGV
男が女より強いのは、腕力と知性だけで、腕力も知性もない男は、女にまさるところは一つもない。

三島由紀夫「第一の性」より

79大人の名無しさん2010/04/04(日) 10:41:21ID:jYTGVtGV
人が愛され尽した果てに求めることは、恐れられることだ。

三島由紀夫「芥川比呂志の『マクベス』」より

80大人の名無しさん2010/04/04(日) 10:43:21ID:jYTGVtGV
軽蔑とは、女の男に対する永遠の批評なのであります。

三島由紀夫「反貞女大学」より

81大人の名無しさん2010/04/04(日) 10:43:42ID:jYTGVtGV
芸術家といふのは自然の変種です。

三島由紀夫「反貞女大学」より

82大人の名無しさん2010/04/04(日) 10:44:09ID:jYTGVtGV
文学は、どんなに夢にあふれ、又、読む人の心に夢を誘ひ出さうとも、第一歩は、必ず
作者の夢が破れたところに出発してゐる。

三島由紀夫「秋冬随筆」より

83大人の名無しさん2010/04/04(日) 10:44:37ID:jYTGVtGV
世界が虚妄だ、といふのは一つの観点であつて、世界は薔薇だ、と言ひ直すことだつてできる。

三島由紀夫「『薔薇と海賊』について」より

84大人の名無しさん2010/04/04(日) 10:47:05ID:jYTGVtGV
相容れないものが一つになり、反対のものがお互ひを照らす。それがつまり美といふものだ。
陽気な女の花見より、悲しんでゐる女の花見のはうが美しい。

三島由紀夫「熊野」より

85大人の名無しさん2010/04/04(日) 10:52:25ID:jYTGVtGV
どんな世の中にならうとも、女の美しさは操の高さの他にはないのだ。
男の値打も、醜く低い心の人たちに屈しない高い潔らかな精神を保つか否かにあるのだ。
さういふ磨き上げられた高い心が、結局永い目で見れば、世のため人のために何ものよりも役立つのだ。

三島由紀夫「人間喜劇」より

86大人の名無しさん2010/04/04(日) 10:54:43ID:jYTGVtGV
恋といふものは、そつのない調和よりも、むしろ情緒のある不釣合のはうを好くものです。

三島由紀夫「不実な洋傘」より

87大人の名無しさん2010/04/04(日) 10:58:51ID:jYTGVtGV
明日の遠足がよいお天気であるやうにとねがふ子供は、その明日がお天気であつただけで、
もはや遠足そのものの与へる愉しみの十中八九を味はひつくしてゐるのです。
よいお天気の朝を見ただけで、彼の満足の大半は、成就されたも同じことです。

三島由紀夫「不実な洋傘」より

88大人の名無しさん2010/04/04(日) 11:08:28ID:jYTGVtGV
鈍感な人たちは、血が流れなければ狼狽しない。が、血の流れたときは、悲劇は終つてしまつたあとなのである。

三島由紀夫「金閣寺」より

89大人の名無しさん2010/04/04(日) 22:57:36ID:jYTGVtGV
人間がこんなに永い間花なしに耐へてゆけるには、その心の中に、よほど巨大な荘厳な花の幻がなければならない。

三島由紀夫「服部智恵子バレエリサイタルに寄せて」より

90大人の名無しさん2010/04/04(日) 23:00:56ID:jYTGVtGV
女性はそもそも、いろんな点でお月さまに似てをり、お月さまの影響を受けてゐるが、
男に比して、すぐ肥つたりすぐやせたりしやすいところもお月さまそつくりである。

三島由紀夫「反貞女大学」より

91大人の名無しさん2010/04/05(月) 10:13:04ID:LMwp47Ps
ちやうど年寄りの盆栽趣味のやうに、美といふものは洗練されるにつれて、一種の畸型を求めるやうになる。

三島由紀夫「反貞女大学」より

92大人の名無しさん2010/04/05(月) 10:41:56ID:LMwp47Ps
運動のあとのシャワーの味には、人生で一等必要なものが含まれてゐる。
どんな権力を握つても、どんな放蕩を重ねても、このシャワーの味を知らない人は、
人間の生きるよろこびを本当に知つたとはいへないであらう。

三島由紀夫「実感的スポーツ論」より

93大人の名無しさん2010/04/05(月) 10:45:36ID:LMwp47Ps
子供たちの目はまだ見ぬ世界への夢に輝いてゐる。
この子供たちこそ世界を所有してゐるので、世界旅行は世界を喪失することだ。
尤も、生きるといふことがそもそも人生をなしくづしに喪失してゆくことなのであるから、
人間の行為と所有とは永遠に対立してゐる。

三島由紀夫「裸体と衣装」より

94大人の名無しさん2010/04/05(月) 10:46:42ID:LMwp47Ps
君候がいつかは人前にさらさなければならない唯一の裸の顔が、いつも決まつて恐怖の顔であるといふことは、何といふ不幸であらう。

三島由紀夫「裸体と衣装」より

95大人の名無しさん2010/04/05(月) 17:00:23ID:LMwp47Ps
人は自ら似せようと思ふものには、なかなか似ないものである。

三島由紀夫「現代小説は古典たり得るか 『菜穂子』修正意見」より

96大人の名無しさん2010/04/06(火) 12:02:06ID:jkrB7Hvm
生きるといふことは、運命の見地に立てば、まるきり詐欺にかけられてゐるやうなものだ。

三島由紀夫「暁の寺」より

97大人の名無しさん2010/04/06(火) 12:02:34ID:jkrB7Hvm
必要から生れたものには、必要の苦さが伴ふ。

三島由紀夫「暁の寺」より

98大人の名無しさん2010/04/06(火) 23:29:07ID:jkrB7Hvm
五十歳の美女は二十歳の美女には絶対にかなはない。

美女と醜女とのひどい階級差は、美男と醜男との階級差とは比べものにならない。

三島由紀夫「をはりの美学 美貌のをはり」より

99大人の名無しさん2010/04/06(火) 23:29:42ID:jkrB7Hvm
手紙は遠くからやつてきた一つの小舟です。

三島由紀夫「をはりの美学 手紙のをはり」より

100大人の名無しさん2010/04/06(火) 23:30:41ID:jkrB7Hvm
個性とは何か?
弱味を知り、これを強味に転じる居直りです。

三島由紀夫「をはりの美学 個性のをはり」より

101大人の名無しさん2010/04/06(火) 23:31:45ID:jkrB7Hvm
私は「私の鼻は大きくて魅力的でしよ」などと頑張つてゐる女の子より、美の規格を外れた鼻に絶望して、
人生を呪つてゐる女の子のはうを愛します。それが「生きてゐる」といふことだからです。

三島由紀夫「をはりの美学 個性のをはり」より

102大人の名無しさん2010/04/06(火) 23:41:16ID:jkrB7Hvm
自分を理解しない人間を寄せつけないのは、芸術家として正しい態度である。
芸術家は政治家ぢやないのだから。

三島由紀夫「谷崎朝時代の終焉」より

103大人の名無しさん2010/04/06(火) 23:58:57ID:jkrB7Hvm
西部劇は純然たる男だけの世界であつてこそ意味がある。
へんな恋愛をからませた西部劇ほど、おかつたるいものはない。

三島由紀夫「西部劇礼讃」より

104大人の名無しさん2010/04/07(水) 02:16:18ID:/JW9OsVj
鳩山由紀夫のツイッタースレかと思ったw

105大人の名無しさん2010/04/07(水) 02:24:33ID:AJXgJOGl
>>104

政治といふものは、国民の見地に立てば、まるきり詐欺にかけられてゐるやうなものだ。

鳩山由紀夫「暁の旗」より

106大人の名無しさん2010/04/07(水) 11:12:11ID:3RxB92Zc
羞恥心のない知性は、羞恥心のない肉体よりも一そう醜い。
ロダンの彫刻「考へる人」では、肉体の力と、精神の謙抑が、見事に一致してゐる。

三島由紀夫「ボディ・ビル哲学」より

107大人の名無しさん2010/04/07(水) 11:24:41ID:3RxB92Zc
相反するものはその極致において似通ひ、お互ひにもつとも遠く隔たつたものは、
ますます遠ざかることによつて相近づく。

三島由紀夫「太陽と鉄」より

108大人の名無しさん2010/04/07(水) 11:25:24ID:3RxB92Zc
私の幼時の直感、集団といふものは肉体の原理にちがひないといふ直感は正しかつた。

三島由紀夫「太陽と鉄」より

109大人の名無しさん2010/04/07(水) 11:26:01ID:3RxB92Zc
ほんのつかのまでも、われわれの脳裡に浮んだことは存在する。
現に存在しなくても、かつてどこかに存在したか、あるひはいつか存在するであらう。

三島由紀夫「太陽と鉄」より

110大人の名無しさん2010/04/08(木) 10:37:34ID:2Tuj1bTM
かつて向う岸にゐたと思はれた人々は、もはや私と同じ岸にゐるやうになつた。
すでに謎はなく、謎は死だけになつた。

三島由紀夫「太陽と鉄」より

111大人の名無しさん2010/04/08(木) 10:38:19ID:2Tuj1bTM
男性は、安楽を100パーセント好きになれない動物だ。また、なつてはいけないのが男である。

三島由紀夫「あなたは現在の恋人と結婚しますか?」より

112大人の名無しさん2010/04/08(木) 10:38:51ID:2Tuj1bTM
裏切りは、かならずしも悪人と善人のあひだでおこるとはかぎらない。

三島由紀夫「あなたは現在の恋人と結婚しますか?」より

113大人の名無しさん2010/04/08(木) 10:39:33ID:2Tuj1bTM
世間ではどんなに英雄的に見える男でも、家庭では甲羅ぼしをするカメのやうなものである。
“男性を偶像化すべからず”
職場での彼、デート中の彼から70%以上の魅力を差し引いたものが、家庭での彼の姿。

三島由紀夫「あなたは現在の恋人と結婚しますか?」より

114大人の名無しさん2010/04/08(木) 10:48:11ID:2Tuj1bTM
現代の教育で絶対にまちがつてゐることが一つある。それは古典主義教育の完全放棄である。
古典の暗誦は、決して捨ててはならない教育の根本であるのに、戦後の教育はそれを捨ててしまつた。
ヨーロッパでもアメリカでも、古典の暗誦だけはちやんとやつてゐる。
これだけは、どうでもかうでも、即刻復活すべし。

三島由紀夫「生徒を心服させるだけの腕力を――スパルタ教育のおすすめ」より

115大人の名無しさん2010/04/08(木) 10:49:19ID:2Tuj1bTM
私は巣を持たない鳥であるよりも、巣を持つた鳥であるはうがよい。第一、どうあがいたところで、
小説家として私の使つてゐる言葉は、日本語といふ歴然たる「巣鳥の言葉」である。

三島由紀夫「日本人の誇り」より

116大人の名無しさん2010/04/09(金) 11:01:55ID:C5aHlGGq
芝居の世界に住む人の、合言葉的生活感情は、あるときは卑屈な役者根性になり、
あるときは観客に対する思ひ上つた指導者意識になる。
正反対のやうに見えるこの二つのものは、実は同じ根から生れたものである。
本当の玄人といふものは、世間一般の言葉を使つて、世間の人間と同じ顔をして、
それでゐて玄人なのである。

三島由紀夫「無題『新劇』扉のことば」より

117大人の名無しさん2010/04/09(金) 11:02:44ID:C5aHlGGq
漫画は現代社会のもつともデスペレイトな部分、もつとも暗黒な部分につながつて、
そこからダイナマイトを仕入れて来なければならないのだ。
あらゆる倒錯は漫画的であり、あらゆる漫画は幾分か倒錯的である。

三島由紀夫「わが漫画」より

118大人の名無しさん2010/04/09(金) 11:27:07ID:C5aHlGGq
男子高校生は「娘」といふ言葉をきき、その字を見るだけで、胸に甘い疼きを感じる筈だが、
この言葉には、あるあたたかさと匂ひと、親しみやすさと、MUSUMEといふ音から来る
何ともいへない閉鎖的なエロティシズムと、むつちりした感じと、その他もろもろのものがある。
プチブル的臭気のまじつた「お嬢さん」などといふ言葉の比ではない。

三島由紀夫「美しい女性はどこにいる」より

119大人の名無しさん2010/04/10(土) 11:39:04ID:EVYYrxNl
狂人がある程度自分を狂人だと知つてゐるやうに、嫌はれるタイプの男は、ある程度、
自分が嫌はれることを知つてゐるのだが、狂人がさういふ自己認識にすこしも煩はされないやうに、
嫌はれてゐるといふ認識にすこしも煩はされないことが、嫌はれ型の真価の特質なのである。

三島由紀夫「鏡子の家」より

120大人の名無しさん2010/04/10(土) 11:49:24ID:EVYYrxNl
少年期の特長は残酷さです。どんなにセンチメンタルにみえる少年にも、植物的な残酷さがそなはつてゐる。
少女も残酷です。やさしさといふものは、大人のずるさと一緒にしか成長しないものです。

三島由紀夫「不道徳教育講座」より

121大人の名無しさん2010/04/11(日) 23:39:43ID:iUSu33U6
真に抒情的なものは、詩人の面立(おもだち)と闘牛師の肉体との、稀な結合からだけしか生れないだらう。

三島由紀夫「鏡子の家」より

122大人の名無しさん2010/04/11(日) 23:40:21ID:iUSu33U6
神聖なものほど猥褻だ。だから恋愛より結婚のはうがずつと猥褻だ。

三島由紀夫「鏡子の家」より

123大人の名無しさん2010/04/11(日) 23:46:43ID:iUSu33U6
女の裸体は猥褻なだけさ。美しいのは男の肉体に決まつてゐるさ。

三島由紀夫「鏡子の家」より

124大人の名無しさん2010/04/12(月) 00:37:08ID:WmUsf23G
在日朝鮮人のなぜか素晴らしい「愛国心」

・ 親たちは強制連行されてきたはずだが、祖国に帰らせろとはなぜか言わない。
・ 祖国は日本より素晴らしいと言うのに、祖国の徴兵はなぜか無視。
・ 日の丸を見るのも嫌な外国人のくせに、なぜか日本から出て行こうとはしない。
・ 素晴らしい朝鮮人名を名乗らず、屈辱なはずの日本人名をなぜか名乗る。
・ 2012年には祖国で参政権がもらえるのに、なぜか日本での参政権を先に要求する。
・ 祖国を良くするための諫言はしないが、日本にはなぜか内政干渉をする。

125大人の名無しさん2010/04/12(月) 10:17:31ID:IFWaX7Q9
芸術的才能といふものの裡にひそむ一種の抜きがたい暗さを嗅ぎ当てる点では、
世俗的な人たちの鼻もなかなか莫迦にしたものではない。
才能とは宿命の一種であり、宿命といふものは多かれ少なかれ、市民生活の敵なのである。

三島由紀夫「鏡子の家」より

126大人の名無しさん2010/04/12(月) 10:24:25ID:IFWaX7Q9
風俗は滑稽に見えたときおしまひであり、美は珍奇からはじまつて滑稽で終る。
つまり新鮮な美学の発展期には、人々はグロテスクな不快な印象を与へられますが、
それが次第に一般化するにしたがつて、平均美の標準と見られ、古くなるにしたがつて
古ぼけた滑稽なものと見られて行きます。

三島由紀夫「文章読本」より

127大人の名無しさん2010/04/12(月) 10:24:48ID:IFWaX7Q9
ユーモアと冷静さと、男性的勇気とは、いつも車の両輪のやうに相伴ふもので、
ユーモアとは理知のもつともなごやかな形式なのであります。

三島由紀夫「文章読本」より

128大人の名無しさん2010/04/12(月) 10:29:18ID:IFWaX7Q9
たとへば情熱、たとへば理想、たとへば知性、……何でもかまはないが、人間によつて価値づけられたものの
かういふ体系を、誰も抜け出すことができない。逆を行けば裏返しになるだけのことだ。

三島由紀夫「川端康成再説」より

129大人の名無しさん2010/04/13(火) 11:55:44ID:Wp9Nk8Xb
青春の特権といへば、一言を以てすれば、無知の特権であらう。

三島由紀夫「私の遍歴時代」より

130大人の名無しさん2010/04/13(火) 11:56:56ID:Wp9Nk8Xb
政敵のない政治は必ず恐怖か汚濁を生む。

三島由紀夫「憂楽帳 政敵」より

131大人の名無しさん2010/04/13(火) 11:59:43ID:Wp9Nk8Xb
芸術上の創造行為は存在そのものからは生れて来ない。
自ら美しく生きようと思つた芸術家は一人もゐなかつたので、美を創ることと、
自分が美しく生きることとは、まるで反対の事柄である。

三島由紀夫「女が美しく生きるには」より

132大人の名無しさん2010/04/13(火) 12:00:21ID:Wp9Nk8Xb
一つの時代は、時代を代表する俳優を持つべきである。

三島由紀夫「六世中村歌右衛門序説」より

133大人の名無しさん2010/04/13(火) 12:01:40ID:Wp9Nk8Xb
純粋とは、結局、宿命を自ら選ぶ決然たる意志のことだ、と定義してもよいやうに思はれる。

三島由紀夫「純粋とは」より

134大人の名無しさん2010/04/13(火) 12:02:30ID:Wp9Nk8Xb
「老巧」などといふ言葉は、スポーツの世界では不吉な言葉で、それはいつかきつと
「若さ」に敗れる日が来るのである。

三島由紀夫「追ふ者追はれる者――ペレス・米倉戦観戦記」より

135大人の名無しさん2010/04/13(火) 12:03:50ID:Wp9Nk8Xb
この世には情熱に似た憂鬱もあり、憂鬱に似た情熱もある。

三島由紀夫「六世中村歌右衛門序説」より

136大人の名無しさん2010/04/13(火) 12:10:59ID:Wp9Nk8Xb
どんなに平和な装ひをしてゐても「世界政策」といふことばには、ヤクザの隠語のやうな、
独特の血なまぐささがある。
概括的な、概念的な世界認識の裏側には必ず水素爆弾がくすぶつてゐるのである。

三島由紀夫「終末感と文学」より

137大人の名無しさん2010/04/14(水) 10:26:45ID:bF5cwbUM
別に酒を飲んだりごちそうをたべたりしなくても、気の合つた人間同士の三十分か一時間の
会話の中には、人生の至福がひそむ

三島由紀夫「社交について――世界を旅し、日本を顧みる」より

138大人の名無しさん2010/04/14(水) 10:31:49ID:bF5cwbUM
ブラジルは人種的偏見の少ない国だが、それでも黒人の悲願は白人に生れ変ることであり、
かういふ宿命を抱いた人たちは、当然仮装に熱中する。
仮装こそ、「何かになりたい」といふ念願の仮の実現だからである。

三島由紀夫「『黒いオルフェ』を見て」より

139大人の名無しさん2010/04/14(水) 10:37:59ID:bF5cwbUM
アメリカでは、成功者や金持は決して自由ではない。
従つて、「最高の自由」は、わびしさの同義語になる。

三島由紀夫「芸術家部落――グリニッチ・ヴィレッジの午後」より

140大人の名無しさん2010/04/14(水) 10:40:06ID:bF5cwbUM
なぜ大人は酒を飲むのか。大人になると悲しいことに、酒を呑まなくては酔へないからである。
子供なら、何も呑まなくても、忽ち遊びに酔つてしまふことができる。

三島由紀夫「社会料理三島亭 折詰料理『日本人の娯楽』」より

141大人の名無しさん2010/04/14(水) 10:45:18ID:bF5cwbUM
今日のやうに泰平のつづく世の中では、人間の死の本能の欲求不満はいろいろな形であらはれ、
ある場合には、社会不安のたねにさへなる。
こんな問題は、浅薄なヒューマニズムや、平べつたい人間認識では、とても片付かない。

三島由紀夫「K・A・メニンジャー著 草野栄三良訳『おのれに背くもの』推薦文」より

142大人の名無しさん2010/04/14(水) 23:07:01ID:bF5cwbUM
空虚な目標であれ、目標をめざして努力する過程にしか人間の幸福が存在しない

三島由紀夫「小説家の息子」より

143大人の名無しさん2010/04/14(水) 23:07:47ID:bF5cwbUM
男はどんな職業についても、根本に膂力(りよりよく)の自信を持つてゐなくてはならない。
なぜなら世間は知的エリートだけで動いてゐるのではなく、無知な人間に対して優越性を
証明するのは、肉体的な力と勇気だけだからだ。

三島由紀夫「小説家の息子」より

144大人の名無しさん2010/04/14(水) 23:09:37ID:bF5cwbUM
自分に似合はないものを思ひ切つて着る蛮勇といふものも、作家の持つべき美徳の一つである。

三島由紀夫「発射塔 文壇衣装論」より

145大人の名無しさん2010/04/16(金) 10:14:11ID:NbKBxmN9
芸術家の値打の分れ目は、死んだあとに書かれる追悼文の面白さで決ると言つてよい

三島由紀夫「芸術断想」より

146大人の名無しさん2010/04/16(金) 10:16:16ID:NbKBxmN9
夫婦の生活程度や教養の程度の近似といふことは、結婚生活のかなり大事な要素である。
性格の相違などといふ文句は、実は、それまでの夫婦各自の生活史のちがひにすぎぬことが多い。

三島由紀夫「見合ひ結婚のすすめ」より

147大人の名無しさん2010/04/16(金) 12:09:03ID:NbKBxmN9
芸術家の値打の分れ目は、死んだあとに書かれる追悼文の面白さで決ると言つてよい

三島由紀夫「芸術断想 猿翁のことども」より

148大人の名無しさん2010/04/16(金) 23:47:06ID:NbKBxmN9
赤ん坊の顔は無個性だけれど、もし赤ん坊の顔のままを大人まで持ちつづけたら、
すばらしい個性になるだらう。しかし誰もそんなことはできず、大人は大人なりに、
又々十把一からげの顔になることかくの如し。

三島由紀夫「赤ちゃん時代――私のアルバム」より

149大人の名無しさん2010/04/16(金) 23:52:17ID:NbKBxmN9
芸術には必ず針がある。毒がある。この毒をのまずに、ミツだけを吸ふことはできない。
四方八方から可愛がられて、ぬくぬくと育てることができる芸術などは、この世に存在しない。

三島由紀夫「文学座の諸君への『公開状』――『喜びの琴』の上演拒否について」より

150大人の名無しさん2010/04/17(土) 14:45:11ID:I2OIN1LH
「希望は過去にしかない」といふ悲観哲学は、伝統芸能の場合、一種特別な意味合ひを帯び、
「昔はよかつた」といふ言葉にたえず刺戟されないかぎり、芸術的完成はありえない

三島由紀夫「芸術断想 期待と失望」より

151大人の名無しさん2010/04/17(土) 14:46:04ID:I2OIN1LH
「日本的」といふ言葉のなかには、十分、ツイスト的要素、マッシュド・ポテト的要素、
ロックンロール的要素もあるのです。

三島由紀夫「『日本的な』お正月」より

152大人の名無しさん2010/04/18(日) 09:43:47ID:HXiCAVe2
世界中から忌み嫌われ、ゴミクズ同然に見られても一切気にせず(気付かず)
ありとあらゆる蛮行を止めない朝鮮。
世界の顔色ばかり気にするあまり、正当な主張や反論すらも出来ずに
国益を損ない続けるヘタレ日本。
両極端すぎる。

153大人の名無しさん2010/04/18(日) 23:47:32ID:pUKT74YI
世間は鳩山新内閣が、その甘い猫撫で声で、デフレ対策を中断して、半病人の老宰相に対する
世間のセンチメンタルな同情に十分応へてくれるのを待つてゐた。
クリスマスになれば、養老院の老人みたいに、首相は孫たちにかこまれて讃美歌を歌ふだらう。

三島由紀夫「鏡子の家」より

154大人の名無しさん2010/04/18(日) 23:49:17ID:pUKT74YI
申訳ばかりの政治面に、鳩山首相の寝ぼけたやうな顔が載つてゐた。この半病人の、
憐れな、泣き虫の、たるんだ下唇をつき出した顔には、棚ざらしになつて埃をかぶつたやうな
善意だけが浮んでゐた。ぬるくなつた豆スープみたいな顔が、政治の嶮しい機械仕掛を
完全におほひかくし、感傷的な靄(もや)を世間いつぱいにひろげてゐた。

三島由紀夫「鏡子の家」より

155大人の名無しさん2010/04/19(月) 10:36:13ID:U+uyHtXo
人は信じた思想のとほりの顔になる。

三島由紀夫「鏡子の家」より

156大人の名無しさん2010/04/19(月) 10:38:15ID:U+uyHtXo
どこの社会にも、誰が見ても不適任者と思はれる人が、そのくせ恰(あた)かも運命的に
そこに据つてゐるのを見るものだ。

三島由紀夫「鏡子の家」より

157大人の名無しさん2010/04/19(月) 10:39:20ID:U+uyHtXo
権力や金に倦き果てた老人のたしなむ芸術には、あらゆる玄人の芸術にとつて必須な、
あの世界に対する権力意志が忌避されてゐる。

三島由紀夫「鏡子の家」より

158大人の名無しさん2010/04/19(月) 10:50:50ID:U+uyHtXo
芸術作品とは、目に見える美とはちがつて、目に見える美をおもてに示しながら、
実はそれ自体は目に見えない、単なる時間的耐久性の保障なのである。
作品の本質とは、超時間性に他ならないのだ。

三島由紀夫「鏡子の家」より

159大人の名無しさん2010/04/19(月) 10:51:40ID:U+uyHtXo
ひどい暮しをしながら、生きてゐるだけでも仕合せだと思ふなんて、奴隷の考へね。
一方では、人並な安楽な暮しをして、生きてゐるのが仕合せだと思つてゐるのは、動物の感じ方ね。

三島由紀夫「鏡子の家」より

160大人の名無しさん2010/04/19(月) 10:52:58ID:U+uyHtXo
美にとつては、世界喪失は苦悩ではなくて生誕の讃歌のやうなものなのだ。
そこでは美がやさしい手で規定の存在を押しのけて、その空席に腰を下ろすことに、
何のためらひもありはしないのだ。
いいかへれば天才の感受性とは、人目にいかほど感じ易くみえやうと、決して悲劇に
到達しない特質を荷つてゐるのである。

三島由紀夫「鏡子の家」より

161大人の名無しさん2010/04/19(月) 11:55:50ID:U+uyHtXo
他人の情念にしろ、希望にしろ、他人にあんまり興味を持ちすぎることは危険です。
それはこちらが考へもせず、想像もしないところへまで引きづつてゆき、つひには
『他人の希望』の代りに、『他人の運命』を背負ひ込む羽目になります。

三島由紀夫「鏡子の家」より

162大人の名無しさん2010/04/19(月) 11:56:45ID:U+uyHtXo
美しい者にならうといふ男の意志は、同じことをねがふ女の意志とはちがつて、
必ず『死の意志』なのだ。
これはいかにも青年にふさはしいことだが、ふだんは青年自身が恥ぢてゐてその秘密を明さない。

三島由紀夫「鏡子の家」より

163大人の名無しさん2010/04/19(月) 11:57:59ID:U+uyHtXo
健康な青年にとつて、おそらく一等緊急な必要は『死』の思想だ。

三島由紀夫「鏡子の家」より

164大人の名無しさん2010/04/20(火) 10:21:05ID:pXVZtR/t
全然愛してゐないといふことが、情熱の純粋さの保証になる場合があるのだ。

三島由紀夫「絹と明察」より

165大人の名無しさん2010/04/20(火) 10:22:43ID:pXVZtR/t
若さが幸福を求めるなどといふのは衰退である。
若さはすべてを補ふから、どんな不自由も労苦も忍ぶことができ、かりにも若さが
おのれの安楽を求めるときは、若さ自体の価値をないがしろにしてゐるのである。

三島由紀夫「絹と明察」より

166大人の名無しさん2010/04/20(火) 10:23:19ID:pXVZtR/t
自由やと?平和やと?そないなこと皆女子(おなご)の考へや。
女子の嚔(くさめ)と一緒や。男まで嚔をして、風邪を引かんかつてええのや。

三島由紀夫「絹と明察」より

167大人の名無しさん2010/04/20(火) 23:11:38ID:pXVZtR/t
人生といふ邪教、それは飛切りの邪教だわ。私はそれを信じることにしたの。
生きようとしないで生きること、現在といふ首なしの馬にまたがつて走ること

三島由紀夫「鏡子の家」より

168大人の名無しさん2010/04/20(火) 23:14:21ID:pXVZtR/t
もし魂といふものがあるなら、霊魂が存在するなら、それは人間の内部に奥深くひそむものではなくて、
人間の外部へ延ばした触手の先端、人間の一等外側の縁(へり)でなければならない。
その輪郭、その外縁をはみ出したら、もはや人間ではなくなるやうな、ぎりぎりの
縁でなければならない。

三島由紀夫「鏡子の家」より

169大人の名無しさん2010/04/21(水) 10:40:40ID:xmRYg+7X
本当の危険とは、生きてゐるといふそのことの他にはありやしない。生きてゐるといふことは
存在の単なる混乱なんだけど、存在を一瞬毎にもともとの無秩序にまで解体し、
その不安を餌にして、一瞬毎に存在を造り変へようといふ本当にイカれた仕事なんだからな。
こんな危険な仕事はどこにもないよ。

三島由紀夫「午後の曳航」より

170大人の名無しさん2010/04/21(水) 10:41:14ID:xmRYg+7X
大義とは?それはただ、熱帯の太陽の別名だつたかもしれないのだ。

三島由紀夫「午後の曳航」より

171大人の名無しさん2010/04/21(水) 10:42:14ID:xmRYg+7X
世界は単純な記号と決定で出来上つてゐる。

三島由紀夫「午後の曳航」より

172大人の名無しさん2010/04/21(水) 10:43:14ID:xmRYg+7X
ころがり落ちた歯車は、又もとのところへ、無理矢理はめ込まなくちやいけない。
そうしなくちや世界の秩序が保てない。僕たちは世界が空つぽだといふことを知つてるんだから、
大切なのは、その空つぽの秩序を何とか保つて行くことにしかない。

三島由紀夫「午後の曳航」より

173大人の名無しさん2010/04/21(水) 10:43:55ID:xmRYg+7X
血が必要なんだ!人間の血が!
さうしなくちや、この空つぽの世界は蒼ざめて枯れ果ててしまふんだ。

三島由紀夫「午後の曳航」より

174大人の名無しさん2010/04/21(水) 10:44:22ID:xmRYg+7X
誰も知るやうに、栄光の味は苦い。

三島由紀夫「午後の曳航」より

175大人の名無しさん2010/04/21(水) 23:33:13ID:xmRYg+7X
歴史はいつも崩壊する。又次の徒(あだ)な結晶を準備するために。
歴史の形成と崩壊とは同じ意味をしか持たないかのやうだ。

三島由紀夫「春の雪」より

176大人の名無しさん2010/04/21(水) 23:34:02ID:xmRYg+7X
優雅といふものは禁を犯すものだ。それも至高の禁を。

三島由紀夫「春の雪」より

177大人の名無しさん2010/04/21(水) 23:35:09ID:xmRYg+7X
肉体が連続しなくても、妄念が連続するなら、同じ個体と考へて差支へがありません。
個体と云はずに、『一つの生の流れ』と呼んだらいいかもしれない。

三島由紀夫「春の雪」より

178大人の名無しさん2010/04/21(水) 23:40:25ID:xmRYg+7X
別れてゐることが苦痛なら、逢つてゐることも苦痛でありうるし、逢つてゐることが歓びならば、
別れてゐることも歓びであつてならぬといふ道理はない。

三島由紀夫「春の雪」より

179大人の名無しさん2010/04/21(水) 23:40:50ID:xmRYg+7X
もし永遠があるとすれば、それは今だけなのでございますわ。

三島由紀夫「春の雪」より

180大人の名無しさん2010/04/22(木) 11:37:49ID:NpNWx76M
この世界には不可能といふ巨きな封印が貼られてゐる。

三島由紀夫「午後の曳航」より

181大人の名無しさん2010/04/22(木) 12:49:49ID:WMbas9Qg
世界中から忌み嫌われ、ゴミクズ同然に見られても一切気にせず(気付かず)
ありとあらゆる蛮行を止めない朝鮮。
世界の顔色ばかり気にするあまり、正当な主張や反論すらも出来ずに
国益を損ない続けるヘタレ日本。
両極端すぎる。

182大人の名無しさん2010/04/23(金) 10:48:34ID:LARfqeQK
極端に自分の感情を秘密にしたがる性格の持主は、一見どこまでも傷つかぬ第三者として
身を全うすることができるかとみえる。ところがかういふ人物の心の中にこそ、
現代の綺譚と神秘が住み、思ひがけない古風な悲劇へとそれらが彼を連れ込むのである。

三島由紀夫「盗賊」より

183大人の名無しさん2010/04/23(金) 10:49:42ID:LARfqeQK
男には屡々(しばしば)見るが女にはきはめて稀なのが偽悪者である。と同時に
真の偽善者も亦、女の中にこれを見出だすのはむつかしい。
女は自分以外のものにはなれないのである。といふより実にお手軽に「自分自身」になりきるのだ。
宗教が女性を収攬しやすい理由は茲(ここ)にある。

三島由紀夫「盗賊」より

184大人の名無しさん2010/04/23(金) 10:50:28ID:LARfqeQK
女の心に全く無智な者として振舞ひながらその心に触れてゆくやり方は青年の特権である

三島由紀夫「盗賊」より

185大人の名無しさん2010/04/23(金) 10:51:44ID:LARfqeQK
嫉妬こそ生きる力だ。
だが魂が未熟なままに生ひ育つた人のなかには、苦しむことを知つて嫉妬することを
知らない人が往々ある。
彼は嫉妬といふ見かけは危険でその実安全な感情を、もつと微妙で高尚な、それだけ、
はるかに、危険な感情と好んですりかへてしまふのだ。

三島由紀夫「盗賊」より

186大人の名無しさん2010/04/23(金) 10:52:36ID:LARfqeQK
死を人は生の絵具を以てしか描きだすことができない。

三島由紀夫「盗賊」より

187大人の名無しさん2010/04/23(金) 10:58:29ID:LARfqeQK
たとひ自殺の決心がどのやうな強固なものであらうと、人は生前に、一刹那でも死者の眼で
この地上を見ることはできぬ筈だつた。どんなに厳密に死のためにのみ計画された行為であつても、
それは生の範疇をのがれることができぬ筈だつた。してみれば、自殺とは錬金術のやうに、
生といふ鉛から死といふ黄金を作り出さうとねがふ徒(あだ)なのぞみであらうか。

三島由紀夫「盗賊」より

188大人の名無しさん2010/04/23(金) 10:59:55ID:LARfqeQK
かつて世界に、本当の意味での自殺に成功した人間があるだらうか。われわれの科学は
まだ生命をつくりだすことができない。従つてまた死をつくりだすこともできないわけだ。
生ばかりを材料にして死を造らうとは、麻布や穀物やチーズをまぜて三週間醗酵させれば
鼠が出来ると考へた中世の学者にも、をさをさ劣らぬ頭のよさだ。

三島由紀夫「盗賊」より

189大人の名無しさん2010/04/23(金) 11:00:43ID:LARfqeQK
人は死を自らの手で選ぶことの他に、自己自身を選ぶ方法を持たないのである。
生を選ばうとして、人は夥しい「他」をしかつかまないではないか。

三島由紀夫「盗賊」より

190大人の名無しさん2010/04/24(土) 10:55:49ID:7XjhKyqC
自殺しようとする人間は往々死を不真面目に考へてゐるやうにみられる。否、彼は死を
自分の理解しうる幅で割切つてしまふことに熟練するのだ。かかる浅墓さは不真面目とは
紙一重の差であらう。しかし紙一重であれ、混同してはならない差別だ。
――生きてゆかうとする常人は、自己の理解しうる限界にαを加へたものとして死を了解する。
このαは単なる安全弁にすぎないのだが、彼はそこに正に深淵が介在するのだと思つてゐる。
むしろ深淵は、自殺しようとする人間の思考の浮薄さと浅墓さにこそ潜むものかもしれないのに。

三島由紀夫「盗賊」より

191大人の名無しさん2010/04/24(土) 10:56:33ID:7XjhKyqC
死といふことは生の浪費ではありませんわね。死は倹(つま)しいものです。

三島由紀夫「盗賊」より

192大人の名無しさん2010/04/24(土) 10:57:08ID:7XjhKyqC
何のために生きてゐるかわからないから生きてゐられるんだわ。

三島由紀夫「盗賊」より

193大人の名無しさん2010/04/24(土) 10:58:49ID:7XjhKyqC
決して生をのがれまいとする生き方は、自ら死へ歩み入る他はないのだらうか。
生への媚態なしにわれわれは生きえぬのだらうか。
丁度眠りをとらぬこと七日に及べば死が訪れると謂はれてゐるやうに、たえざる生の覚醒と
生の意識とは早晩人を死へ送り込まずには措かぬものだらうか。

三島由紀夫「盗賊」より

194大人の名無しさん2010/04/24(土) 10:59:33ID:7XjhKyqC
莫迦げ切つた目的のために死ぬことが出来るのも若さの一つの特権である。

三島由紀夫「盗賊」より

195大人の名無しさん2010/04/24(土) 23:43:12ID:BZ8hp7vk
以下、アッー!!禁止な。
濃厚なホモネタは禁止な。

196大人の名無しさん2010/04/25(日) 10:19:58ID:c8gkfJgY
感傷といふものが女性的な特質のやうに考へられてゐるのは明らかに誤解である。
感傷的といふことは男性的といふことなのだ。

三島由紀夫「青の時代」より

197大人の名無しさん2010/04/25(日) 10:20:19ID:c8gkfJgY
われわれは、なかなかそれと気がつかないが、自分といちばん良く似てゐる人間なるがゆゑに、
父親を憎たらしく思ふのである。

三島由紀夫「青の時代」より

198大人の名無しさん2010/04/25(日) 10:20:38ID:c8gkfJgY
男性は本質を愛し、女性は習慣を愛する

三島由紀夫「青の時代」より

199大人の名無しさん2010/04/25(日) 10:21:01ID:c8gkfJgY
凡ゆる愛国心にはナルシスがひそんでゐるので、凡ゆる愛国心は美しい制服を必要とする

三島由紀夫「青の時代」より

200大人の名無しさん2010/04/25(日) 10:21:21ID:c8gkfJgY
戦争といふ奴は、人間の背丈を伸ばしもしなけりやあ縮めもしない

三島由紀夫「青の時代」より

201大人の名無しさん2010/04/25(日) 10:24:46ID:c8gkfJgY
男が金をほしがるのはつまり女が金をほしがるからだといふのは真理だな。

三島由紀夫「青の時代」より

202大人の名無しさん2010/04/25(日) 10:25:12ID:c8gkfJgY
近代が発明したもろもろの幻影のうちで、「社会」といふやつはもつとも人間的な幻影だ。
人間の原型は、もはや個人のなかには求められず社会のなかにしか求められない。
原始人のやうに健康に欲望を追求し、原始人のやうに生き、動き、愛し、眠るのは、
近代においては「社会」なのである。新聞の三面記事が争つて読まれるのは、
この原始人の朝な朝なの生態と消息を知らうとする欲望である。

三島由紀夫「青の時代」より

203大人の名無しさん2010/04/25(日) 10:25:39ID:c8gkfJgY
過度の軽蔑はほとんど恐怖とかはりがない。

三島由紀夫「青の時代」より

204大人の名無しさん2010/04/25(日) 10:53:59ID:c8gkfJgY
悪意は善意ほど遠路を行くことはできない

三島由紀夫「潮騒」より

205大人の名無しさん2010/04/25(日) 10:54:25ID:c8gkfJgY
男は気力や。気力があればええのや。

三島由紀夫「潮騒」より

206大人の名無しさん2010/04/26(月) 00:05:54ID:RFtaZzYd
小金をもつてゐれば誰でも社長や専務になれ、女は毛皮の外套さへもつてゐればみんな
上流の奥様でとほり、世間はかうした仮装に容易に欺されることを以て一種の仮想の秩序を
維持して来たのであつた。
だから演技による瞞著(まんちやく)は今の社会に対する礼法(エチケット)である。

三島由紀夫「青の時代」より

207大人の名無しさん2010/04/26(月) 00:06:32ID:RFtaZzYd
人助けは実に気持のよいものであり、殊に利潤の上る人助けと来たらたまらない。

三島由紀夫「青の時代」より

208大人の名無しさん2010/04/26(月) 00:06:58ID:RFtaZzYd
人間、正道を歩むのは却つて不安なものだ。

三島由紀夫「青の時代」より

209大人の名無しさん2010/04/26(月) 00:07:26ID:RFtaZzYd
すべての人の上に厚意が落ちかゝる日があるやうに、すべての人の上に悪意が落ちかゝる日があるものだ。

三島由紀夫「青の時代」より

210大人の名無しさん2010/04/26(月) 00:07:55ID:RFtaZzYd
人間の弱さは強さと同一のものであり、美点は欠点の別な側面だといふ考へに達するためには、
年をとらなければならない。

三島由紀夫「青の時代」より

211大人の名無しさん2010/04/26(月) 00:10:08ID:RFtaZzYd
人間の存在の意味には、存在の意識によつて存在を亡ぼし、存在の無意識あるひは無意味によつて
存在の使命を果す一種の摂理が働らいてゐるにちがひない。

三島由紀夫「青の時代」より

212大人の名無しさん2010/04/26(月) 10:32:56ID:RFtaZzYd
人間が為し得る発見は、あらゆる場合、宇宙のどこかにすでに完成されてゐるもの――
すでに完全な形に用意されてゐるものの模写にすぎない

平岡公威(三島由紀夫)19歳「廃墟の朝」より

213大人の名無しさん2010/04/26(月) 10:37:27ID:RFtaZzYd
日本の詩文とは、句読も漢字もつかはれないべた一面の仮名文字のなかに何ら別して
意識することなく神に近い一行がはさまれてゐること、古典のいのちはかういふところに
はげしく煌めいてゐること、さうして真の詩人だけが秘されたる神の一行を書き得ること、
かういふことだけを述べておけばよい。

平岡公威(三島由紀夫)17歳「伊勢物語のこと」より

214大人の名無しさん2010/04/26(月) 23:32:54ID:RFtaZzYd
女にとつて優雅であることは、立派に美の代用をなすものである。なぜなら男が憧れるのは、
裏長屋の美女よりも、それほど美しくなくても、優雅な女のはうであるから。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

215大人の名無しさん2010/04/26(月) 23:34:01ID:RFtaZzYd
あふれるばかりの精力を事業や理想の実現に向けてゐる肥つた醜い男などは何といふ
滑稽な代物でだらう。みすぼらしい風采の世界的学者などは何といふ珍物であらう。
仕事に熱中してゐる男は美しく見えるとよく云はれるが、もともと美しくもない男が
仕事に熱中したつて何になるだらう。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

216大人の名無しさん2010/04/26(月) 23:34:41ID:RFtaZzYd
女に友情がないといふのは嘘であつて、女は恋愛のやうに、友情をもひた隠しにしてしまふのである。
その結果、女の友情は必ず共犯関係をひそめてゐる。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

217大人の名無しさん2010/04/26(月) 23:35:19ID:RFtaZzYd
どんな邪悪な心も心にとどまる限りは、美徳の領域に属してゐる

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

218大人の名無しさん2010/04/26(月) 23:36:13ID:RFtaZzYd
どんな驚天動地の大計画も、一旦心が決り準備が整ふと、それにとりかかる前に、
或る休息に似た気持が来るものである。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

219大人の名無しさん2010/04/26(月) 23:37:10ID:RFtaZzYd
個性を愛することのできるのはむしろ友情の特権だ

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

220大人の名無しさん2010/04/26(月) 23:38:19ID:RFtaZzYd
嫉妬の孤立感、その焦燥、そのあてどもない怒りを鎮める方法は一つしかなく、
それは嫉妬の当の対象、憎しみの当面の敵にむかつて、哀訴の手をさしのべることなのである。
…自分に傷を与へる敵の剣にすがつて、薬餌を求めるほかはないのである。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

221大人の名無しさん2010/04/26(月) 23:39:22ID:RFtaZzYd
われわれが未来を怖れるのは、概して過去の堆積に照らして怖れるのである。
恋が本当に自由になるのは、たとへ一瞬でも思ひ出の絆から脱したときだ

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

222大人の名無しさん2010/04/27(火) 10:45:17ID:9QPu70U8
道徳は、習慣からの逃避もみとめないが、同時に、習慣への逃避も、それ以上にみとめてゐないのだ。
道徳とは、人間と世界のこの悪循環を絶ち切つて、すべてのもの、あらゆる瞬間を、
決してくりかへされない一回きりのものにしようとする力なのだ。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

223大人の名無しさん2010/04/27(火) 10:45:45ID:9QPu70U8
肉体の仕業はみんな嘘だと思つてしまへば簡単だが、それが習慣になつてしまへば、
習慣といふものには嘘も本当もない。
精神を凌駕することのできるのは習慣といふ怪物だけなのだ。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

224大人の名無しさん2010/04/27(火) 10:46:11ID:9QPu70U8
自然の物理的法則からすつかり身を背けることが大切なのだ。自然の法則になまじ目移りして、
人間は人間であることを忘れ、習慣の奴隷になるか逃避の王者になるかしてしまふ。
自然はくりかへしてゐる。一回きりといふのは、人間の唯一の特権なのだ。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

225大人の名無しさん2010/04/27(火) 10:46:32ID:9QPu70U8
明日を怖れてゐる快楽などは、贋物でもあり、恥づべきものではないだらうか。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

226大人の名無しさん2010/04/27(火) 10:46:58ID:9QPu70U8
習慣からのがれようとする思案は、陰惨で、人を卑屈にするばかりだが、
快楽を捨てようとする意志は、人の矜りに媚び、自尊心に受け容れられやすい。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

227大人の名無しさん2010/04/27(火) 10:47:53ID:9QPu70U8
男は、一度高い精神の領域へ飛び去つてしまふと、もう存在であることをやめてしまえる!

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

228大人の名無しさん2010/04/27(火) 10:49:11ID:9QPu70U8
女が一等惚れる羽目になるのは、自分に一等苦手な男相手でございますね。
あなたばかりではありません。誰もさうしたものです。そのおかげで私たちは自分の欠点、
自分といふ人間の足りないところを、よくよく知るやうになるのです。
女は女の鑑(かがみ)にはなれません。いつも殿方が女の鑑になつてくれるのですね。
それもつれない殿方が。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

229大人の名無しさん2010/04/27(火) 16:22:45ID:9QPu70U8
情に負けるといふことが、結局女の最後の武器、もつとも手強い武器になります。
情に逆らつてはなりません。ことさら理を立てようとしてはなりません。情に負け、
情に溺れて、もう死ぬほかないと思ふときに、はじめて女には本来の智恵が湧いてまゐります。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

230大人の名無しさん2010/04/27(火) 16:23:37ID:9QPu70U8
女は恋に敗れた女に同情しながら、さういふ敗北者の噂をひろげるのが大そう好きで、
恋に勝つてばかりゐる女のことは、『不道徳な人』といふ一言で片附けるだけなのでございます。
いはば、さういふ勝利者は抽象的な不名誉だけで事がすみ、細目にわたる具体的な不名誉は、
お気の毒にも、不幸な敗北者の女が蒙ることになるのです。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

231大人の名無しさん2010/04/27(火) 16:24:35ID:9QPu70U8
世間を味方につけるといふことは奥様、とりもなおさず、世間に決して同情の涙を
求めないといふことなのです。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

232大人の名無しさん2010/04/27(火) 16:25:47ID:9QPu70U8
惚れすぎて苦しくなり、相手をむりにも軽蔑することで、その恋から逃げようとするのは、
拙ない初歩のやり方です。万に一つも巧くはまゐりません。
ひたすらその方をうやまひ、尊敬するやうになさいまし。お相手がどんなに卑劣な振舞をしても、
なほかつ尊敬するやうになさいまし。さうしてゐれば、とたんにお相手はあなたの目に、
つまらない人物に見えてまゐります。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

233大人の名無しさん2010/04/27(火) 16:26:24ID:9QPu70U8
苦痛の明晰さには、何か魂に有益なものがある。
どんな思想も、またどんな感覚も、烈しい苦痛ほどの明晰さに達することはできない。
よかれあしかれ、それは世界を直視させる。

三島由紀夫「美徳のよろめき」より

234大人の名無しさん2010/04/28(水) 10:31:23ID:R2KSMvDf
外人の男たちの、鶏みたいな、半透明な血の色の透けてみえる、ひどく老化の早い、汚ならしい肌

三島由紀夫「肉体の学校」より

235大人の名無しさん2010/04/28(水) 10:33:12ID:R2KSMvDf
西洋人より、日本の若い男のはうが、ずつと動物的な美しさを持つてゐる。
つまり動物的なしなやかさと、弾力と、無表情な美しさとを。

三島由紀夫「肉体の学校」より

236大人の名無しさん2010/04/28(水) 10:33:37ID:R2KSMvDf
男にしろ、女にしろ、肉体上の男らしさ女らしさとは、肉体そのものの性のかがやき、
存在全体のかがやきから生れる筈のものである。
それは部分的な機能上の、見栄坊な男らしさとは何の関係もない。

三島由紀夫「肉体の学校」より

237大人の名無しさん2010/04/30(金) 11:10:33ID:8h610RRI
芸術が純粋であればあるほどその分野をこえて他の分野と交流しお互に高めあふものである。
演劇的批判にしか耐へないものは却つて純粋に演劇的ですらないのである。

三島由紀夫「宗十郎覚書」より

238大人の名無しさん2010/04/30(金) 11:10:53ID:8h610RRI
小説の世界では、上手であることが第一の正義である。
ドストエフスキーもジッドもリラダンも、先づ上手だから正義なのである。

三島由紀夫「上手と正義(舟橋聖一『鵞毛』評)」より

239大人の名無しさん2010/04/30(金) 17:32:44ID:8h610RRI
純粋とは、花のやうな観念、薄荷をよく利かした含嗽薬の味のやうな観念、やさしい母の
胸にすがりつくやうな観念を、ただちに、血の観念、不正を薙ぎ倒す刀の観念、袈裟がけに
斬り下げると同時に飛び散る血しぶきの観念、あるひは切腹の観念に結びつけるものだつた。
「花と散る」といふときに、血みどろの屍体はたちまち匂ひやかな桜の花に化した。
純粋とは、正反対の観念のほしいままな転換だつた。だから、純粋は詩なのである。

三島由紀夫「奔馬」より

240大人の名無しさん2010/04/30(金) 17:33:58ID:8h610RRI
血も花も、枯れやすく変質しやすい点でよく似てゐる、と勲は思つた。だからこそ、
血と花は名誉へ転身することによつて生き延び、あらゆる名誉は金属なのである。

三島由紀夫「奔馬」より

241大人の名無しさん2010/04/30(金) 17:36:47ID:8h610RRI
時の流れは、崇高なものを、なしくづしに、滑稽なものに変へてゆく。何が蝕まれるのだらう。
もしそれが外側から蝕まれてゆくのだとすれば、もともと崇高は外側をおほひ、
滑稽が内側の核をなしてゐたのだらうか。
あるひは、崇高がすべてであつて、ただ外側に滑稽の塵が降り積つたにすぎぬのだらうか。

三島由紀夫「奔馬」より

242大人の名無しさん2010/04/30(金) 17:37:58ID:8h610RRI
『俺の純粋の根拠、純粋の保証はここにある。まぎれもなくここにある。俺が自刃するときには、
昇る朝日のなかに、朝霧から身を起して百合が花をひらき、俺の血の匂ひを百合の薫で
浄めてくれるにちがひない。それでいいんだ。何を思ひ煩らふことがあらうか』

三島由紀夫「奔馬」より

243大人の名無しさん2010/04/30(金) 17:40:41ID:8h610RRI
人間主義の滓が、川上の工場から排泄される鉱毒のやうに流れてやまぬ暗い小川を。
ああ、川上には昼夜兼行で動いてゐる西欧精神の工場の灯が燦然としてゐる。
あの工場の廃液が、崇高な殺意をおとしめ、榊葉の緑を枯らしたのである。

三島由紀夫「奔馬」より

244大人の名無しさん2010/04/30(金) 17:41:23ID:8h610RRI
左翼の奴らは、弾圧すればするほど勢ひを増して来てゐます。日本はやつらの黴菌に蝕まれ、
また蝕まれるほど弱い体質に日本をしてしまつたのは、政治家や実業家です。

三島由紀夫「奔馬」より

245大人の名無しさん2010/04/30(金) 17:42:18ID:8h610RRI
恋も忠も源は同じであつた。

三島由紀夫「奔馬」より

246大人の名無しさん2010/04/30(金) 17:49:47ID:8h610RRI
勲たちの、熱血によつてしかと結ばれ、その熱血の迸りによつて天へ還らうとする太陽の結社は、
もともと禁じられてゐた。しかし私腹を肥やすための政治結社や、利のためにする営利法人なら、
いくら作つてもよいのだつた。権力はどんな腐敗よりも純粋を怖れる性質があつた。
野蛮人が病気よりも医薬を怖れるやうに。

三島由紀夫「奔馬」より

247大人の名無しさん2010/04/30(金) 17:51:41ID:8h610RRI
法律とは、人生を一瞬の詩に変へてしまはうとする欲求を、不断に妨げてゐる何ものかの集積だ。
血しぶきを以て描く一行の詩と、人生とを引き換へにすることを、万人にゆるすのはたしかに
穏当ではない。しかし内に雄心を持たぬ大多数の人は、そんな欲求を少しも知らないで
人生を送るのだ。だとすれば、法律とは、本来ごく少数者のためのものなのだ。
ごく少数の異常な純粋、この世の規矩を外れた熱誠、……それを泥棒や痴情の犯罪と
全く同じ同等の《悪》へおとしめようとする機構なのだ。

三島由紀夫「奔馬」より

248大人の名無しさん2010/05/01(土) 11:10:35ID:FMzY+k2r
芸術といふのは巨大な夕焼です。一時代のすべての佳いものの燔祭(はんさい)です。

三島由紀夫「暁の寺」より

249大人の名無しさん2010/05/01(土) 11:12:39ID:FMzY+k2r
社会正義を自ら代表してゐるやうな顔をしながら、それ自体が売名であるところの、
貧しい弁護士などといふのは滑稽な代物(しろもの)だつた。

三島由紀夫「暁の寺」より

250大人の名無しさん2010/05/01(土) 11:13:12ID:FMzY+k2r
一つの生をあまりにも純粋に究極的に生きようとすると、人はおのづから、
別の生の存在の予感に到達するのではなからうか。

三島由紀夫「暁の寺」より

251大人の名無しさん2010/05/01(土) 11:16:44ID:FMzY+k2r
しかし世界は存在しなければならないのだ!

三島由紀夫「暁の寺」より

252大人の名無しさん2010/05/01(土) 11:17:21ID:FMzY+k2r
現在の一刹那だけが実有であり、一刹那の実有を保証する最終の根拠が阿頼耶識であるならば、
同時に、世界の一切を顕現させてゐる阿頼耶識は、時間の軸と空間の軸の交はる一点に
存在するのである。

三島由紀夫「暁の寺」より

253大人の名無しさん2010/05/01(土) 11:18:30ID:FMzY+k2r
唯識の本当の意味は、われわれ現在の一刹那において、この世界なるものがすべてそこに
現はれてゐる、といふことに他ならない。しかも、一刹那の世界は、次の刹那には一旦滅して、
又新たな世界が立ち現はれる。現在ここに現はれた世界が、次の瞬間には変化しつつ、
そのままつづいてゆく。かくてこの世界すべては阿頼耶識なのであつた。……

三島由紀夫「暁の寺」より

254大人の名無しさん2010/05/01(土) 11:19:04ID:FMzY+k2r
この世には道徳よりもきびしい掟がある

三島由紀夫「暁の寺」より

255大人の名無しさん2010/05/02(日) 10:05:44ID:1MQpOa31
生きるといふことは、運命の見地に立てば、まるきり詐欺にかけられてゐるやうなものだつた。
そして人間存在とは?人間存在とは不如意だ

三島由紀夫「暁の寺」より

256大人の名無しさん2010/05/02(日) 10:06:25ID:1MQpOa31
知らないといふことが、そもそもエロティシズムの第一条件であるならば、エロティシズムの極致は、
永遠の不可知にしかない筈だ。すなはち「死」に。

三島由紀夫「暁の寺」より

257大人の名無しさん2010/05/02(日) 10:07:04ID:1MQpOa31
真の危険を犯すものは理性であり、その勇気も理性からだけ生れる

三島由紀夫「暁の寺」より

258大人の名無しさん2010/05/02(日) 10:08:29ID:1MQpOa31
必要から生れたものには、必要の苦さが伴ふ。この想像力には甘美なところがみじんもなかつた。

三島由紀夫「暁の寺」より

259大人の名無しさん2010/05/02(日) 10:09:13ID:1MQpOa31
ほしいものが手に入らないといふ最大の理由は、それを手に入れたいと望んだからだ。

三島由紀夫「暁の寺」より

260大人の名無しさん2010/05/02(日) 10:09:53ID:1MQpOa31
存在の不治こそは不死の感覚の唯一の実質だつた。

三島由紀夫「暁の寺」より

261大人の名無しさん2010/05/02(日) 10:10:45ID:1MQpOa31
自分の人生は暗黒だつた、と宣言することは、人生に対する何か痛切な友情のやうにすら思はれる。

三島由紀夫「暁の寺」より

262大人の名無しさん2010/05/02(日) 10:11:21ID:1MQpOa31
人生が車の運転と同様に、慎重一点張りで成功するなどと思はれてたまるものか。

三島由紀夫「暁の寺」より

263大人の名無しさん2010/05/02(日) 10:13:02ID:1MQpOa31
裏切る心配のない見えない神様などを信じてもつまりませんわ。
私一人をいつもじつと見つづけて、あれはいけない、これはいけない、とたえず
手取り足取り指図して下さる神様でなければ。
その前では何一つ隠し立てのできない、その前ではこちらも浄化されて、何一つ羞恥心を
持つことさへ要らない、さういふ神様でなければ、何になるでせう。

三島由紀夫「暁の寺」より

264大人の名無しさん2010/05/02(日) 10:13:44ID:1MQpOa31
どんな高尚な事業どんな義烈の行為へ人を促す力も、どんな卑猥な快楽どんな醜怪な夢へ
そそのかす力も、全く同じ源から出、同じ予兆の動悸を伴ふ

三島由紀夫「暁の寺」より

265大人の名無しさん2010/05/04(火) 00:17:03ID:EHd/X4iK
祖先はしばしば、ふしぎな方法でわれわれと邂逅する。ひとはそれを疑ふかもしれない。
だがそれは真実なのだ。

三島由紀夫「花ざかりの森」より

266大人の名無しさん2010/05/04(火) 00:18:41ID:EHd/X4iK
今日、祖先たちはわたしどもの心臓があまりにさまざまのもので囲まれてゐるので、
そのなかに住ひを索めることができない。かれらはかなしさうに、そはそはと時計のやうに
そのまはりをまはつてゐる。

三島由紀夫「花ざかりの森」より

267大人の名無しさん2010/05/04(火) 00:19:09ID:EHd/X4iK
美は秀麗な奔馬である。

三島由紀夫「花ざかりの森」より

268大人の名無しさん2010/05/04(火) 00:23:25ID:EHd/X4iK
追憶は「現在」のもつとも清純な証なのだ。
愛だとかそれから献身だとか、そんな現実におくためにはあまりに清純すぎるやうな感情は、
追憶なしにはそれを占つたり、それに正しい意味を索めたりすることはできはしないのだ。
それは落葉をかきわけてさがした泉が、はじめて青空をうつすやうなものである。
泉のうえにおちちらばつてゐたところで、落葉たちは決して空を映すことはできないのだから。

三島由紀夫「花ざかりの森」より

269大人の名無しさん2010/05/04(火) 00:28:28ID:EHd/X4iK
われわれのひそかな願望は、叶へられると却つて裏切られたやうに感じる傾きがある。

三島由紀夫「遠乗会」より

270大人の名無しさん2010/05/04(火) 11:19:14ID:EHd/X4iK
愛の奥処には、寸分たがはず相手に似たいといふ不可能な熱望が流れてゐはしないだらうか?
この熱望が人を駆つて、不可能を反対の極から可能にしようとねがふあの悲劇的な離反に
みちびくのではなからうか?

三島由紀夫「仮面の告白」より

271大人の名無しさん2010/05/04(火) 11:20:02ID:EHd/X4iK
抵抗を感じない想像力といふものは、たとひそれがどんなに冷酷な相貌を帯びやうと、
心の冷たさとは無縁のものである。
それは怠惰ななまぬるい精神の一つのあらはれにすぎなかつた。

三島由紀夫「仮面の告白」より

272大人の名無しさん2010/05/04(火) 11:20:55ID:EHd/X4iK
ロマネスクな性格といふものには、精神の作用に対する微妙な不信がはびこつてゐて、
それが往々夢想といふ一種の不倫な行為へみちびくのである。
夢想は、人の考へてゐるやうに精神の作用であるのではない。それはむしろ精神からの逃避である。

三島由紀夫「仮面の告白」より

273大人の名無しさん2010/05/04(火) 11:21:53ID:EHd/X4iK
処女だけに似つかはしい種類の淫蕩さといふものがある。それは成熟した女の淫蕩とは
ことかはり、微風のやうに人を酔はせる。それは可愛らしい悪趣味の一種である。
たとへば赤ん坊をくすぐるのが大好きだと謂つたたぐひの。

三島由紀夫「仮面の告白」より

274大人の名無しさん2010/05/04(火) 11:22:34ID:EHd/X4iK
傷を負つた人間は間に合はせの繃帯が必ずしも清潔であることを要求しない。

三島由紀夫「仮面の告白」より

275大人の名無しさん2010/05/04(火) 11:23:11ID:EHd/X4iK
潔癖さといふものは、欲望の命ずる一種のわがままだ。

三島由紀夫「仮面の告白」より

276大人の名無しさん2010/05/05(水) 10:36:51ID:wKVZN0gV
正義を行へ、弱きを護れ。

三島由紀夫「につぽん製」より

277大人の名無しさん2010/05/05(水) 10:37:28ID:wKVZN0gV
自分が若いころ闊歩できなかつた街は、何だか一生よそよそしいものである。

三島由紀夫「につぽん製」より

278大人の名無しさん2010/05/05(水) 10:39:07ID:wKVZN0gV
とにかく人生は柔道のやうには行かないものである。
人生といふやつは、まるで人絹の柔道着を着てゐるやうで、ツルツルすべつて、
なかなか業(わざ)がきかないのであつた。

三島由紀夫「につぽん製」より

279大人の名無しさん2010/05/05(水) 10:40:22ID:wKVZN0gV
期待してゐる人間の表情といふものは美しいものだ。
そのとき人間はいちばん正直な表情をしてゐる。自分のすべてを未来に委ね、
白紙に還つてゐる表情である。

三島由紀夫「恋の都」より

280大人の名無しさん2010/05/05(水) 10:41:00ID:wKVZN0gV
羞恥がなくて、汚濁もない少女の顔ほど、少年を戸惑はせるものはない。

三島由紀夫「恋の都」より

281大人の名無しさん2010/05/05(水) 23:41:47ID:wKVZN0gV
自分の尊敬する人の話をすることは、いはば初心(うぶ)なフランスの少年が女の子の前で
ナポレオンの話をするのと同様に、持つて廻つた敬虔な愛の告白でもあるのだ。

三島由紀夫「恋の都」より

282大人の名無しさん2010/05/05(水) 23:43:39ID:wKVZN0gV
本当のヤクザといふものは、チンピラとちがつて、チャチな凄味を利かせたりしないものである。
映画に出てくる親分は大抵、へんな髭を生やして、妙に鋭い目つきをして、キザな仕立の
背広を着て、ニヤけたバカ丁寧な物の言ひ方をして、それでヤクザをカモフラージュした
つもりでゐるが、本当のヤクザのカモフラージュはもつとずつと巧い。
旧左翼の人に、却つて、如才のない人が多いのと同じことである。

三島由紀夫「恋の都」より

283大人の名無しさん2010/05/05(水) 23:44:37ID:wKVZN0gV
自分の最初の判断、最初のねがひごと、そいつがいちばん正しいつてね。
なまじ大人になつていろいろひねくりまはして考へると、却つて判断をあやまるもんだ。
婿えらびをする能力といふものは、もしかしたら、三十五歳の女より、十六歳の少女のはうが、
ずつと豊富にもつてゐるのかもしれないんだぜ。

三島由紀夫「恋の都」より

284大人の名無しさん2010/05/05(水) 23:45:16ID:wKVZN0gV
後悔ほどやりきれないものはこの世の中にないだらう。

三島由紀夫「恋の都」より

285大人の名無しさん2010/05/06(木) 10:40:20ID:8VmJD1xy
女の批評つて二つきりしかないぢやないか。
「まあすてき」「あなたつてばかね」この二つきりだ。

三島由紀夫「邯鄲」より

286大人の名無しさん2010/05/06(木) 10:42:38ID:8VmJD1xy
悪は時として、静かな植物的な姿をしてゐるものだ。結晶した悪は、白い錠剤のやうに美しい。

三島由紀夫「天人五衰」より

287大人の名無しさん2010/05/06(木) 10:45:06ID:8VmJD1xy
人間の美しさ、肉体的にも精神的にも、およそ美に属するものは、無知と迷蒙からしか
生れないね。知つてゐてなほ美しいなどといふことは許されない。

三島由紀夫「天人五衰」より

288大人の名無しさん2010/05/06(木) 10:47:07ID:8VmJD1xy
目ざめてゐるときは自分の意志を保ち、否応なしに歴史の中に生きてゐる。
しかし自分の意志にかかはりなく、夢の中で自分を強いるもの、超歴史的な、あるひは
無歴史的なものが、この闇の奥のどこかにゐるのだ。

三島由紀夫「天人五衰」より

289大人の名無しさん2010/05/06(木) 10:49:48ID:8VmJD1xy
純粋で美しい者は、そもそも人間の敵なのだといふことを忘れてはいけない。

三島由紀夫「天人五衰」より

290大人の名無しさん2010/05/06(木) 10:52:47ID:8VmJD1xy
一分一分、一秒一秒、二度とかへらぬ時を、人々は何といふ稀薄な生の意識ですりぬけるのだらう。
老いてはじめてその一滴々々には濃度があり、酩酊さへ具はつてゐることを学ぶのだ。
稀覯の葡萄酒の濃密な一滴々々のやうな、美しい時の滴たり。……さうして血が失はれるやうに
時が失はれてゆく。

三島由紀夫「天人五衰」より

291大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:45:17ID:h89fQXlb
意志とは、宿命の残り滓ではないだらうか。自由意志と決定論のあひだには、印度の
カーストのやうな、生れついた貴賤の別があるのではないだらうか。
もちろん賤しいのは意志のはうだ。

三島由紀夫「天人五衰」より

292大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:45:38ID:h89fQXlb
或る種の人間は、生の絶頂で時を止めるといふ天賦に恵まれてゐる。

三島由紀夫「天人五衰」より

293大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:45:56ID:h89fQXlb
……詩もなく、至福もなしに!これがもつとも大切だ。
生きることの秘訣はそこにしかないことを俺は知つてゐる。

三島由紀夫「天人五衰」より

294大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:47:07ID:h89fQXlb
スポーツマンだといふと、莫迦だと人に思はれる利得がある。

三島由紀夫「天人五衰」より

295大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:49:39ID:h89fQXlb
この世には実に千差万別な卑俗があつた。
気品の高い卑俗、白象の卑俗、崇高な卑俗、鶴の卑俗、知識にあふれた卑俗、学者犬の卑俗、
媚びに充ちた卑俗、ペルシア猫の卑俗、帝王の卑俗、乞食の卑俗、狂人の卑俗、蝶の卑俗、
斑猫の卑俗……、おそらく輪廻とは卑俗の劫罰だつた。
そして卑俗の最大唯一の原因は、生きたいといふ欲望だつたのである。

三島由紀夫「天人五衰」より

296大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:50:00ID:h89fQXlb
何かを拒絶することは又、その拒絶のはうへ向つて自分がいくらか譲歩することでもある。
譲歩が自尊心にほんのりとした淋しさを齎(もた)らすのは当然だらう。

三島由紀夫「天人五衰」より

297大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:50:20ID:h89fQXlb
この世に一つ幸福があれば必ずそれに対応する不幸が一つある筈だ

三島由紀夫「天人五衰」より

298大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:50:44ID:h89fQXlb
人間は自分より永生きする家畜は愛さないものだ。

三島由紀夫「天人五衰」より

299大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:51:02ID:h89fQXlb
この世には幸福の特権がないやうに、不幸の特権もないの。悲劇もなければ、天才もゐません。
あなたの確信と夢の根拠は全部不合理なんです。
もしこの世に生れつき別格で、特別に美しかつたり、特別に悪(わる)だつたり、
さういふことがあれば、自然が見のがしにしておきません。

三島由紀夫「天人五衰」より

300大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:52:30ID:h89fQXlb
老いは正(まさ)しく精神と肉体の双方の病気だつたが、老い自体が不治の病だといふことは、
人間存在自体が不治の病だといふに等しく、しかもそれは何ら存在論的な病ではなくて、
われわれの肉体そのものが病であり、潜在的な死なのであつた。
衰へることが病であれば、衰へることの根本原因である肉体こそ病だつた。
肉体の本質は滅びに在り、肉体が時間の中に置かれてゐることは、衰亡の証明、
滅びの証明に使はれてゐるこに他ならなかつた。

三島由紀夫「天人五衰」より

301大人の名無しさん2010/05/07(金) 10:52:50ID:h89fQXlb
生きることは老いることであり、老いることこそ生きることだつた。

三島由紀夫「天人五衰」より

302大人の名無しさん2010/05/07(金) 11:43:36ID:Xn1rX2zW
なりきりスレかと思って開いたら違ったw ばいばい〜

303大人の名無しさん2010/05/07(金) 23:59:58ID:h89fQXlb
高飛車な物言ひをするとき、女はいちばん誇りを失くしてゐるんです。
女が女王さまに憧れるのは、失くすことのできる誇りを、女王さまはいちばん沢山
持つてゐるからだわ。

三島由紀夫「葵上」より

304大人の名無しさん2010/05/08(土) 00:02:07ID:HsupFB4Q
不満といふものはね、お嬢さん、この世の掟を引つくりかへし、自分の幸福を
めちやめちやにしてしまふ毒薬ですよ。

三島由紀夫「道成寺」より

305大人の名無しさん2010/05/08(土) 00:04:13ID:HsupFB4Q
お嬢さま、色恋は負けるたのしみでございますよ。

三島由紀夫「只ほど高いものはない」より

306大人の名無しさん2010/05/08(土) 00:04:57ID:HsupFB4Q
苦しみを知らない人にかかつたら、どんな苦しみだつて、道化て見えるだけなのよ。

三島由紀夫「只ほど高いものはない」より

307大人の名無しさん2010/05/08(土) 12:18:13ID:HsupFB4Q
「許しませんよ」ああ、それこそ貴婦人の言葉だ。生れながらのけだかい白い肌の
言はせる言葉だ。

三島由紀夫「朝の躑躅」より

308大人の名無しさん2010/05/08(土) 12:18:58ID:HsupFB4Q
世界といふものはね、こぼれやすいお皿に入つてゐるスープなの。みんなして、それが
こぼれないやうに、スープ皿のへりを支へてゐなければなりませんの。

三島由紀夫「薔薇と海賊」より

309大人の名無しさん2010/05/09(日) 00:03:28ID:L9aolAQ0
悲しい気持の人だけが、きれいな景色を眺める資格があるのではなくて?
幸福な人には景色なんか要らないんです。

三島由紀夫「鹿鳴館」より

310大人の名無しさん2010/05/09(日) 00:05:47ID:L9aolAQ0
政治とは他人の憎悪を理解する能力なんだよ。
この世を動かしてゐる百千百万の憎悪の歯車を利用して、それで世間を動かすことなんだよ。
愛情なんぞに比べれば、憎悪のはうがずつと力強く人間を動かしてゐるんだからね。

三島由紀夫「鹿鳴館」より

311大人の名無しさん2010/05/09(日) 00:13:16ID:L9aolAQ0
花作りといふものにはみんな復讐の匂ひがする。
絵描きとか文士とか、芸術といふものはみんなさうだ。ごく力の弱いものの憎悪が育てた
大輪の菊なのさ。

三島由紀夫「鹿鳴館」より

312大人の名無しさん2010/05/09(日) 00:16:05ID:L9aolAQ0
お嬢さん、教へてあげませう。武器といふものはね、男に論理を与へる一番強力な
道具なんですよ。

三島由紀夫「鹿鳴館」より

313大人の名無しさん2010/05/09(日) 17:17:51ID:L9aolAQ0
恋の中のうつろひやすいものは恋ではなく、人が恋ではないと思つてゐるうつろはぬものが
実は恋なのではないでせうか。

三島由紀夫「軽王子と衣通姫」より


別れを辛いものといたしますのも恋ゆゑ、その辛さに耐へてゆけますのも恋ゆゑでございます

三島由紀夫「軽王子と衣通姫」より

314大人の名無しさん2010/05/10(月) 10:21:08ID:rKU/teu3
鈍感な人たちは、血が流れなければ狼狽しない。
が、血の流れたときは、悲劇は終つてしまつたあとなのである。

三島由紀夫「金閣寺」より


私が人生で最初にぶつかつた難問は、美といふことだつたと言つても過言ではない。

三島由紀夫「金閣寺」より

315大人の名無しさん2010/05/10(月) 10:21:29ID:rKU/teu3
物質といふものが、いかにわれわれから遠くに存在し、その存在の仕方が、いかにわれわれから
手の届かないものであるかといふことを、死顔ほど如実に語つてくれるものはなかつた。
三島由紀夫「金閣寺」より


美といふことだけを思ひつめると、人間はこの世で最も暗黒な思想にしらずしらず
ぶつかるのである。人間は多分さういふ風に出来てゐるのである。

三島由紀夫「金閣寺」より

316大人の名無しさん2010/05/10(月) 10:21:53ID:rKU/teu3
肉体上の不具者は美貌の女と同じ不敵な美しさを持つてゐる。不具者も、美貌の女も、
見られることに疲れて、見られる存在であることに飽き果てて、追ひつめられて、
存在そのもので見返してゐる。見たはうが勝なのだ。

三島由紀夫「金閣寺」より


滑稽な外形を持つた男は、まちがつて自分が悲劇的に見えることを賢明に避ける術を知つてゐる。
もし悲劇的に見えたら、人はもはや自分に対して安心して接することがなくなるのを
知つてゐるからだ。自分をみじめに見せないことは、何より他人の魂のために重要だ。

三島由紀夫「金閣寺」より

317大人の名無しさん2010/05/10(月) 10:22:16ID:rKU/teu3
隈なく美に包まれながら、人生へ手を延ばすことがどうしてできやう。
美の立場からしても、私に断念を要求する権利があつたであらう。一方の手の指で永遠に触れ、
一方の手の指で人生に触れることは不可能である。

三島由紀夫「金閣寺」より

318大人の名無しさん2010/05/10(月) 10:22:44ID:rKU/teu3
禅は無相を体とするといはれ、自分の心が形も相もないものだと知ることがすなはち
見性だといはれるが、無相をそのまま見るほどの見性の能力は、おそらくまた、形態の
魅力に対して極度に鋭敏でなければならない筈だ。
形や相を無私の鋭敏さで見ることのできない者が、どうして無形や無相をそれほど
ありありと見、ありありと知ることができやう。

三島由紀夫「金閣寺」より


音楽は夢に似てゐる。と同時に、夢とは反対のもの、一段とたしかな覚醒の状態にも似てゐる。

三島由紀夫「金閣寺」より

319大人の名無しさん2010/05/10(月) 23:35:02ID:rKU/teu3
人生のいちばんはじめから、人間はずいぶんいろんなものを諦らめる。
生れて来て何を最初に教はるつて、それは「諦らめる」ことよ。そのうちに大人になつて
不幸を幸福だと思ふやうになつたり、何も希まないやうになつてしまふ。

三島由紀夫「夜の向日葵」より


幸福つて、何も感じないことなのよ。幸福つて、もつと鈍感なものよ。
…幸福な人は、自分以外のことなんか夢にも考へないで生きてゆくんですよ。

三島由紀夫「夜の向日葵」より

320大人の名無しさん2010/05/10(月) 23:35:42ID:rKU/teu3
一分間以上、人間が同じ強さで愛しつづけてゆくことなんか、不可能のやうな気が
あたしにはするの。愛するといふことは息を止めるやうなことだわ。一分間以上も息を
止めてゐてごらんなさい、死んでしまふか、笑ひ出してしまふか、どつちかだわ。

三島由紀夫「夜の向日葵」より


愛するといふことは、息を止めることぢやなくて、息をしてゐるのとおんなじことよ。

三島由紀夫「夜の向日葵」より

321大人の名無しさん2010/05/10(月) 23:36:06ID:rKU/teu3
恋愛といふやつは、単に熱なんです。脈搏なんです。情熱なんていふ誰も見たことのない
好加減な熱ぢやない、ちやんと体温計にあらはれる熱なんです。

三島由紀夫「夜の向日葵」より


恋愛といふのは、数なんです。それも函数(かんすう)なんです。
五なら五、六なら六だけ生へ近づく、それと同時に、おなじ数だけ死へ近づくといふ、
函数なんです。

三島由紀夫「夜の向日葵」より

322大人の名無しさん2010/05/10(月) 23:36:46ID:rKU/teu3
あなたらしさつていふものは、あなたの考へてゐるやうに、人が勝手にあなたにつけた
仇名ぢやない。人が勝手にあなたの上に見た夢でもない。あなたらしさつていふものは、
あなたの運命なんだ。のがれるすべもないものなんだ。神さまの与へた役割なんだ。

三島由紀夫「夜の向日葵」より

323大人の名無しさん2010/05/10(月) 23:37:04ID:rKU/teu3
もしあたくしが豚だつたら、真珠に嫉妬なんか感じはしないでせう。
でも、人造真珠が自分を硝子にすぎないとしぢゆう思つてゐることは、豚が時たま
自分のことを豚だと思つたりするのとは比べものにはならないの。

三島由紀夫「夜の向日葵」より


大丈夫よ、自分を本当の真珠だと信じてゐれば、硝子もいつかは真珠になるのよ。

三島由紀夫「夜の向日葵」より

324大人の名無しさん2010/05/12(水) 10:18:46ID:RazdF3Bk
ひとたび叛心を抱いた者の胸を吹き抜ける風のものさびしさは、千三百年後の今日の
われわれの胸にも直ちに通ふのだ。この凄涼たる風がひとたび胸中に起つた以上、
人は最終的実行を以てしか、つひにこれを癒やす術を知らぬ。

三島由紀夫「日本文学小史 第四章 懐風藻」より

325大人の名無しさん2010/05/12(水) 10:19:05ID:RazdF3Bk
正しい狂気といふものがあるのだ。

三島由紀夫「小説家の休暇」より

326大人の名無しさん2010/05/13(木) 00:33:56ID:Y4U476Wh
この日本刀で人を斬れる時代が、早くやつて来ないかなあ。

三島由紀夫「日録(昭和42年)」より

327大人の名無しさん2010/05/13(木) 00:35:00ID:Y4U476Wh
私は外国でウサギの肉を食べたことがあるが、柔らかくて、わりに旨い。独特のクサ味を
調味料で除去すれば、うまいはうの肉に入る。ウサギにしろ、ニワトリにしろ、豚にしろ、
さらに牛にしろ、概して大人しい動物の肉はうまい部類に入る。
肉をまづくしよう。少なくとも俺一人の肉はまづくしてやらう。と私は断乎たる決意を
固めたのである。

三島由紀夫「日録(昭和42年)」より

328大人の名無しさん2010/05/13(木) 00:36:39ID:Y4U476Wh
いやに澄んだ高い声の、中性的なアナウンサーの乙リキにすました軽薄な「客観性」、
これこそ、ジャーナリズムのいはゆる「良心的客観性」の空虚ないやらしさを象徴してゐる。

三島由紀夫「日録(昭和42年)」より

329大人の名無しさん2010/05/13(木) 10:53:28ID:Y4U476Wh
青年の苦悩は、隠されるときもつとも美しい

三島由紀夫「青年像」より

330大人の名無しさん2010/05/13(木) 10:53:59ID:Y4U476Wh
巧くなつて不正直になるのは堕落といふもので、巧くなつてもなほ正直といふところが尊いのだ

三島由紀夫「原田・メデル戦」より

331大人の名無しさん2010/05/14(金) 11:41:22ID:p+G1uVNU
日本人本来の精神構造の中においては、エロース(愛)とアガペー(神の愛)は
一直線につながつてゐる。もし女あるひは若衆に対する愛が、純一無垢なものになるときは、
それは主君に対する忠と何ら変はりない。

三島由紀夫「葉隠入門」より


男の世界は思ひやりの世界である。男の社会的な能力とは思ひやりの能力である。
武士道の世界は、一見荒々しい世界のやうに見えながら、現代よりももつと緻密な人間同士の
思ひやりのうへに、精密に運営されてゐた。

三島由紀夫「葉隠入門」より

332大人の名無しさん2010/05/14(金) 11:42:42ID:p+G1uVNU
忠告は無料である。われわれは人に百円の金を貸すのも惜しむかはりに、無料の忠告なら
湯水のごとくそそいで惜しまない。しかも忠告が社会生活の潤滑油となることはめつたになく、
人の面目をつぶし、人の気力を阻喪させ、恨みをかふことに終はるのが十中八、九である。

三島由紀夫「葉隠入門」より


思想は覚悟である。覚悟は長年にわたつて日々確かめられなければならない。

三島由紀夫「葉隠入門」より

333大人の名無しさん2010/05/14(金) 11:43:52ID:p+G1uVNU
長い準備があればこそ決断は早い。そして決断の行為そのものは自分で選べるが、
時期はかならずしも選ぶことができない。それは向かうからふりかかり、おそつてくるのである。
そして生きるといふことは向かうから、あるひは運命から、自分が選ばれてある瞬間のために
準備することではあるまいか。

三島由紀夫「葉隠入門」より


「強み」とは何か。知恵に流されぬことである。分別に溺れないことである。

三島由紀夫「葉隠入門」より

334大人の名無しさん2010/05/14(金) 11:45:11ID:p+G1uVNU
エゴティズムはエゴイズムとは違ふ。自尊の心が内にあつて、もしみづから持すること
高ければ、人の言行などはもはや問題ではない。
人の悪口をいふにも及ばず、またとりたてて人をほめて歩くこともない。
そんな始末におへぬ人間の姿は、同時に「葉隠」の理想とする姿であつた。

三島由紀夫「葉隠入門」より


もし、われわれが生の尊厳をそれほど重んじるならば、どうして死の尊厳をも重んじないわけに
いくだらうか。いかなる死も、それを犬死と呼ぶことはできないのである。

三島由紀夫「葉隠入門」より

335大人の名無しさん2010/05/14(金) 17:29:34ID:p+G1uVNU
エロティックといふのは、ふつうの人間が日常のなかでは自然と思つてゐる行為が、
外に現はれて人の目にふれるときエロティックと感じる。

三島由紀夫「古典芸能の方法による政治状況と性」より

336大人の名無しさん2010/05/14(金) 17:32:09ID:p+G1uVNU
私の言ひたいことは、口に日本文化や日本的伝統を軽蔑しながら、お茶漬の味とは
縁の切れない、さういふ中途半端な日本人はもう沢山だといふことであり、日本の未来の
若者にのぞむことは、ハンバーガーをパクつきながら、日本のユニークな精神的価値を、
おのれの誇りとしてくれることである。

三島由紀夫「お茶漬ナショナリズム」より

337大人の名無しさん2010/05/16(日) 00:55:32ID:i9X22il3
今日只今の平和な日常生活の中にも、間接侵略の下拵(したごしら)へは着々と進められてゐる

三島由紀夫「祖国防衛隊はなぜ必要か?」より


不退転の決意とは何か?すなはち、国民自らが一朝あれば剣を執つて、国の歴史と伝統を
守る決意であり、自ら国を守らんとする気魄(きはく)であります。

三島由紀夫「祖国防衛隊はなぜ必要か?」より

338大人の名無しさん2010/05/16(日) 01:09:57ID:i9X22il3
妹の死後、私はたびたび妹の夢を見た。
時がたつにつれて死者の記憶は薄れてゆくものであるのに、夢はひとつの習慣になつて、
今日まで規則正しくつづいてゐる。

三島由紀夫「朝顔」より

339大人の名無しさん2010/05/17(月) 11:08:59ID:XcHdMXWS
われらの死後も朝な朝な東方から日が昇つて、われらの知悉してゐる世界を照らすといふ確信は、
幸福な確信である。しかしそれを確実だと信じる理由がわれわれにあるのか?

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より


認識の中にぬくぬくと坐つてゐる人たちは、いつも認識によつて世界を所有し、世界を
確信してゐる。しかし芸術家は見なければならぬ。認識する代りに、ただ、見なければならぬ。
一度見てしまつたが最後、存在の不確かさは彼を囲繞(いによう)するのだ。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より

340大人の名無しさん2010/05/17(月) 11:09:16ID:XcHdMXWS
僕は生れてからただの一度も退屈したことがないんだ。それだけが僕の猛烈な幸運なんだ。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より


自分の名前は他人の所有物だ。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より

341大人の名無しさん2010/05/17(月) 11:09:42ID:XcHdMXWS
言葉によつて表現されたものは、もうすでに、厳密には僕のものぢやない。
僕はその瞬間に、他人とその思想を共有してゐるんだからね。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より


個性といふものは決して存在しないんだ。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より

342大人の名無しさん2010/05/17(月) 11:10:09ID:XcHdMXWS
肉体には類型があるだけだ。神はそれだけ肉体を大事にして、与へるべき自由を節約したんだ。
自由といふやつは精神にくれてやつた。こいつが精神の愛用する手ごろの玩具さ。
……肉体は一定の位置をいつも占めてゐる。世界の旅でいつも僕を愕(おどろ)かせたのは、
肉体が占めることを忘れないこの位置のふしぎさだつた。たとへば僕は夢にまで見た
希臘(ギリシャ)の廃墟に立つてゐた。そのとき僕の肉体が占めてゐたほどの確乎たる
僕の空間を僕の精神はかつて占めたことがなかつたんだ。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より

343大人の名無しさん2010/05/17(月) 11:10:34ID:XcHdMXWS
生命は指で触れるもんぢやない。生命は生命で触れるものだ。
丁度物質と物質が触れ合ふやうにね。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より


旅の思ひ出といふものは、情交の思ひ出とよく似てゐる。
事前の欲望を辿ることはもうできない代りに、その欲望は微妙に変質してまた目前にあるので、
思ひ出の行為があたかも遡りうるやうな錯覚を与へる。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より

344大人の名無しさん2010/05/17(月) 11:12:32ID:XcHdMXWS
どうしても理解できないといふことが人間同士をつなぐ唯一の橋だ。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より


本当の若者といふものは、かれら自身こそ春なのだから、季節の春なぞには目もくれないで
ゐるべきなのだ。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より

345大人の名無しさん2010/05/17(月) 11:12:50ID:XcHdMXWS
戦争時代の思ひ出つて全く妙だね。他人が一人もいなかつた。
他人らしい清潔な表情をしてゐるのは、路傍にころがつた焼死死体だけだつた。

三島由紀夫「旅の墓碑銘」より

346大人の名無しさん2010/05/17(月) 22:11:12ID:BXbCeBav
このスレいいな
実際にあるのか?三島由紀夫bot

347大人の名無しさん2010/05/17(月) 23:19:53ID:XcHdMXWS
>>346
あるよ。三島bot
http://twitter.com/Mishima_Words

348大人の名無しさん2010/05/17(月) 23:24:28ID:XcHdMXWS

349大人の名無しさん2010/05/18(火) 10:52:48ID:oQHME69v
何か、極く小さな、どんなありきたりな希望でもよい。それがなくては、人は明日のはうへ
生き延びることができない。明日にのこつてゐる繕ひものとか、明日立つことになつてゐる
旅行の切符とか、明日飲むことにしてある罎ののこりの僅かな酒とか、さういふものを
人は明日のために喜捨する。そして夜明けを迎へることを許される。

三島由紀夫「愛の渇き」より

350大人の名無しさん2010/05/18(火) 10:53:09ID:oQHME69v
われわれが人間の目を持つかぎり、どのやうに眺め変へても、所詮は同じ答が出るだけだ。

三島由紀夫「愛の渇き」より


苟(いやしく)も仕事をしようとすれば、命を賭けずに本当の仕事ができるものではない。

三島由紀夫「愛の渇き」より

351大人の名無しさん2010/05/18(火) 10:53:32ID:oQHME69v
生れのよい人間は滅多に風流になんぞ染つたりはせぬものだ。

三島由紀夫「愛の渇き」より


われわれはむしろ、自分が待ちのぞんでゐたものに裏切られるよりも、力(つと)めて
軽んじてゐたものに裏切られることで、より深く傷つくものだ。
それは背中から刺された匕首(あいくち)だ。

三島由紀夫「愛の渇き」より

352大人の名無しさん2010/05/18(火) 10:53:58ID:oQHME69v
人生が生きるに値ひしないと考へることは容易いが、それだけにまた、生きるに値ひしない
といふことを考へないでゐることは、多少とも鋭敏な感受性をもつた人には困難である。

三島由紀夫「愛の渇き」より


この世の情熱は希望によつてのみ腐蝕される。

三島由紀夫「愛の渇き」より

353大人の名無しさん2010/05/18(火) 10:54:39ID:oQHME69v
ある人たちにとつては生きることがいかにも容易であり、ある人にとつてはいかにも
困難である。人種的差別よりももつと甚だしいこの不公平。

三島由紀夫「愛の渇き」より

354大人の名無しさん2010/05/18(火) 10:57:29ID:oQHME69v
生きることが難しいなどといふことは何も自慢になどなりはしないのだ。
わたしたちが生の内にあらゆる困難を見出す能力は、ある意味ではわたしたちの生を
人並に容易にするために役立つてゐる能力なのだ。なぜといつて、この能力がなかつたら、
わたしたちにとつての生は、困難でも容易でもないつるつるした足がかりのない
真空の球になつてしまふ。
この能力は生がさう見られることを遮(さまた)げる能力であり、生が決してそんな風に
見えては来ない容易な人種の、あづかり知らぬ能力であるとはいへ、それは何ら格別な
能力ではなく、ただの日常必需品にすぎないのだ。
人生の秤をごまかして、必要以上に重く見せた人は、地獄で罰を受ける。
そんなごまかしをしなくつても、生は衣服のやうに意識されない重みであつて、
外套を着て肩が凝るのは病人なのだ。

三島由紀夫「愛の渇き」より

355大人の名無しさん2010/05/18(火) 10:57:54ID:oQHME69v
下から上を見たときも、上から下を見たときも、階級意識といふものは嫉妬の代替物に
なりうるのだ。

三島由紀夫「愛の渇き」より


人生には何事も可能であるかのやうに信じられる瞬間が幾度かあり、この瞬間に
おそらく人は普段の目が見ることのできない多くのものを瞥見し、それらが一度
忘却の底に横たはつたのちも、折にふれては蘇つて、世界の苦痛と歓喜のおどろくべき
豊饒さを、再びわれわれに向つて暗示するのである。

三島由紀夫「愛の渇き」より

356大人の名無しさん2010/05/18(火) 10:58:15ID:oQHME69v
あまりに永い苦悩は人を愚かにする。
苦悩によつて愚かにされた人は、もう歓喜を疑ふことができない。

三島由紀夫「愛の渇き」より


嫉妬の情熱は事実上の証拠で動かされぬ点においては、むしろ理想主義者の情熱に
近づくのである。

三島由紀夫「愛の渇き」より

357大人の名無しさん2010/05/18(火) 10:58:33ID:oQHME69v
衝動によつて美しくされ、熱望によつて眩ゆくされた若者の表情ほどに、美しいものが
この世にあらうか。

三島由紀夫「愛の渇き」より

358大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:35:05ID:IZFXq27l
女といふものは、自分を莫迦だと知る瞬間に、それがわかるくらい自分は利巧な女だといふ
循環論法に陥るのですね。

三島由紀夫「魔群の通過」より


下手な絵描きに限つて絵描きらしく見えることを好むものである。

三島由紀夫「魔群の通過」より

359大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:35:43ID:IZFXq27l
魔はやさしい面持でわれわれに誘ひをかける。

三島由紀夫「魔群の通過」より


中年の女といふものは若い女を見るのに苛酷な道学者の目しか持たぬ点に於て
女学校の修身の先生も奔放な生活を送つてゐる富裕な有閑マダムもかはりない。

三島由紀夫「魔群の通過」より

360大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:36:29ID:IZFXq27l
『時』は私たちの生きてゐることの徒(あだ)な所以をいひきかせるために流れて
ゐるのであらうか?

三島由紀夫「花山院」より

361大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:37:28ID:IZFXq27l
寡黙な人間は、寡黙な秘密を持つものである。

三島由紀夫「日曜日」より


恋人同士といふものは仕馴れた役者のやうに、予め手順を考へた舞台装置の上で
愛し合ふものである。

三島由紀夫「日曜日」より


善意も、無心も、十分人を殺すことのできる刃物である。

三島由紀夫「日曜日」より

362大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:40:04ID:IZFXq27l
まことに海も山も時であつた。
人の目に映つたこの世のさまざまな事象は、一旦記憶の世界へ投げ込まれるや、時の秩序に
組み入れられた存在に他ならぬ。そこにあるものは、時の海、時の山脈に他ならぬ。
波はもはや浜辺に打ち寄せてゐる青い海水ではない。時の水に充たされた海には、
時の潮が時のつきせぬ波を波立ててゐるにすぎない。そのとき海が却つてその本質を、
その流転の本質を露(あら)はにするのである。
人間もまた時間の形をしてゐる。これだけが人間のほぼ確実な信頼するに足る外形である。

三島由紀夫「偉大な姉妹」より

363大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:40:21ID:IZFXq27l
この世には自分の形を忘れることのできる人とできない人との二つの種族がある。

三島由紀夫「偉大な姉妹」より

364大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:40:38ID:IZFXq27l
歌舞伎役者の顔こそ偉大でなければならない。
大首物の役者絵は、悉く奇怪な偉大さを持つた顔を描いてゐる。その偉大さには一種の
不均衡と過剰がある。
拡大された感情、誇張された悲哀を包むその輪廓は、均斉を保たうがためにこの悲哀や
歓喜の内容に戦ひを挑んでゐる。美の伝達力として重んぜられたこの偉大さは、
歌舞伎が考へたやうな美の必然的な形式なのである。
そこでは美と偉大の結婚は世にも自然であつた。美が一個の犠牲の観念であり、偉大が
一個の宗教的観念となることによつて、この婚姻が成り立つた。大首物の錦絵の顔は、
偉大に蝕まれた美のあらはな病患を語つてゐる。

三島由紀夫「偉大な姉妹」より

365大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:40:55ID:IZFXq27l
もし罪といふものがあるなら、それは罪の行為が飛び去つたあとの真白な空白にすぎぬだらう。
罪ほど清浄な観念はないだらう。

三島由紀夫「偉大な姉妹」より

366大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:42:06ID:IZFXq27l
『奇蹟』は何と日常的な面構へをしてゐたらう!

三島由紀夫「ラディゲの死」より


神がかりの人間は、神が去つたあとで、おそろしい疲労に襲はれるんださうだ。
それはまるでいやな、嘔吐を催ほすやうな疲労で、眠りもならない。
神を見た人間は、視力の極致まで、人間能力の極致まで行つてかへつて来る。
ほんの一瞬間でも、そのために心霊の莫大なエネルギーを費つてしまふ。

三島由紀夫「ラディゲの死」より

367大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:43:26ID:IZFXq27l
僕が『天の手袋』と呼んでゐるものを君は識つてゐる筈だ。天は、手を汚さずに僕等に
触れる為めに、手袋をはめることが間々あるのだ。
レイモン・ラディゲは天の手袋だつた。彼の形は手袋のやうにぴつたりと天に合ふのだつた。
天が手を抜くと、それは死だ。

三島由紀夫「ラディゲの死」より


生きてゐるといふことは一種の綱渡りだ。

三島由紀夫「ラディゲの死」より

368大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:44:17ID:IZFXq27l
嫉妬は透視する力だ。

三島由紀夫「獅子」より


愛の問題ではないのです。女には事実のはうがもつと大切です。

三島由紀夫「獅子」より

369大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:45:06ID:IZFXq27l
皮肉は何といふ美味なつまみものであらう。殊に酒精分の強い洋酒の場合は。

三島由紀夫「獅子」より


凡て悪への悲しげな意慾が完全に欠如してゐるこのやうな人間、(それこそ悪それ自体)が
地上から滅び去るとはどんなによいことであらう。さういふ善意が滅びることは、
どれほど地上の明るさを増すことだらう。

三島由紀夫「獅子」より

370大人の名無しさん2010/05/19(水) 10:45:35ID:IZFXq27l
この世に戦争をもたらし、悪しき希望を、偽物の明日を、夜鳴き鶏を、残虐きはまる侵略を
もたらすものこそ「幸福」の思考なのである。

三島由紀夫「獅子」より

371大人の名無しさん2010/05/19(水) 23:47:17ID:IZFXq27l
不安は奇体に人の顔つきを若々しくする。

三島由紀夫「毒薬の社会的効用について」より

372大人の名無しさん2010/05/19(水) 23:50:01ID:IZFXq27l
一寸ばかり芸術的な、一寸ばかり良心的な……。要するに、一寸ばかり、といふことは
何てけがらはしいんだ。

三島由紀夫「急停車」より


体力の旺盛な青年は、戦争の中に自殺の機会を見出だし、知的な虚弱な青年は、抵抗し、
生き延びたいと感じた。まことに自然である。
平和な時代であつても、スポーツは青春の過剰なエネルギーの自殺の演技であるし、
知的な目ざめは、つかのまの解放へ急がうとする自分の若い肉体に対する抵抗なのだ。
それぞれの資質に応じ、抵抗が勝つか、自殺が勝つかである。

三島由紀夫「急停車」より

373大人の名無しさん2010/05/19(水) 23:51:33ID:IZFXq27l
人間の歴史は、青春の過剰なエネルギーの徹底的なあますところのない活用の方途としては、
まだ戦争以外のものを発明してはいない。

三島由紀夫「急停車」より


一刻のちには死ぬかもしれない。しかも今は健康で若くて全的に生きてゐる。かう感じることの、
目くるめくやうな感じは、何て甘かつたらう!あれはまるで阿片だ。悪習だ。
一度あの味を知ると、ほかのあらゆる生活が耐へがたくなつてしまふんだ。

三島由紀夫「急停車」より

374大人の名無しさん2010/05/19(水) 23:52:39ID:IZFXq27l
俺の美は、何といふひつそりとした速度で、何といふ不気味なのろさで、俺の指の間から
辷り落ちてしまつたことだらう。俺は一体何の罪を犯してかうなつたのか。
自分も知らない罪といふものがあるのだらうか。たとへば、さめると同時に忘れられる、
夢のなかの罪のほかには。

三島由紀夫「孔雀」より

375大人の名無しさん2010/05/19(水) 23:53:44ID:IZFXq27l
小説家における人間的なものは、細菌学者における細菌に似てゐる。
感染しないやうに、ピンセットで扱はねばならぬ。言葉といふピンセットで。……しかし
本当に細菌の秘密を知るには、いつかそれに感染しなければならぬのかもしれないのだ。
そして私は感染を、つまり幸福になることを、怖れた。

三島由紀夫「施餓鬼舟」より


青年の文学的な思ひ込みなどは下らんものだ。

三島由紀夫「施餓鬼舟」より

376大人の名無しさん2010/05/20(木) 11:29:48ID:N9pu53ni
女が生活に介入してくることによつて、人は煩瑣(はんさ)を愛するやうになる。
男女関係は或る意味では極めて事務的なたのしみだ。

三島由紀夫「慈善」より


男を事務的な目附で眺めることができるのは既婚の女の特権である。
公私混同には持つてこいの特権だ。

三島由紀夫「慈善」より

377大人の名無しさん2010/05/20(木) 11:31:01ID:N9pu53ni
幸福の話題は罪のやうに人を疲らせる。

三島由紀夫「慈善」より


悪徳の虚栄心が悪徳そのものの邪魔立てをする。
「魂の純潔」なるものを保たせようとするならば、少くとも青年には、美徳の虚栄心よりも
悪徳の虚栄心の方が有効なのである。

三島由紀夫「慈善」より

378大人の名無しさん2010/05/20(木) 11:31:51ID:N9pu53ni
曇つた空を見てゐると、人間の習慣とか因襲とか規則とかいふものはあそこから落ちて
来たのではないかと思はれるのである。曇つた日は曇つた他の日と寸分ちがはない。
何が似てゐると云つて、人間の世界にはこれほど似てゐるものはない。
人はこんな残酷な相似に耐へられたものではない。

三島由紀夫「慈善」より

379大人の名無しさん2010/05/20(木) 11:32:47ID:N9pu53ni
戦争が道徳を失はせたといふのは嘘だ。道徳はいつどこにでもころがつてゐる。
しかし運動をするものに運動神経が必要とされるやうに、道徳的な神経がなくては
道徳はつかまらない。戦争が失はせたのは道徳的神経だ。この神経なしには人は道徳的な
行為をすることができぬ。従つてまた真の意味の不徳に到達することもできぬ筈だつた。

三島由紀夫「慈善」より

380大人の名無しさん2010/05/20(木) 23:53:51ID:N9pu53ni
罪といふものの謙遜な性質を人は容易に恕(ゆる)すが、秘密といふものの尊大な性質を
人は恕さない。

三島由紀夫「果実」より

381大人の名無しさん2010/05/20(木) 23:56:54ID:N9pu53ni
風景もまた音楽のやうなものである。一度その中へ足を踏み入れると、それはもはや
透明で複雑な奥行を持つた一個の純粋な体験に化するのである。

三島由紀夫「死の島」より


形式とは、僕にとつては残酷さの決心だつた。しかしあの島の形式の優美なことは、
およそ僕の決心と似ても似つかない。ああ、あの島は形式の美徳で僕を負かす。
あれは僕の内部へ優雅な行幸(みゆき)のやうに入つて来る。……

三島由紀夫「死の島」より

382大人の名無しさん2010/05/20(木) 23:57:12ID:N9pu53ni
占領時代は屈辱の時代である。虚偽の時代である。面従背反と、肉体的および精神的売淫と、
策謀と譎詐の時代である。

三島由紀夫「江口初女覚書」より

383大人の名無しさん2010/05/20(木) 23:58:46ID:N9pu53ni
私がいつもふしぎに思ふのは、小説家がしたり気な回答者として、新聞雑誌の人生相談の欄に
招かれることである。それはあたかも、オレンヂ・ジュースしか呑んだことのない人間が、
オレンヂの樹の栽培について答へてゐるやうなものだ。

三島由紀夫「小説とは何か」より

384大人の名無しさん2010/05/21(金) 00:19:01ID:wHwVn7nP
女が男にだまされることなんぞ、一度だつて起りはいたしません。

三島由紀夫「サド侯爵夫人」より


想像できないものを蔑む力は、世間一般にはびこつて、その吊床の上で人々はお昼寝を
たのしみます。そしていつしか真鍮の胸、真鍮のお乳房、真鍮のお腹を持つやうになるのです、
磨き立ててぴかぴかに光った。
あなた方は薔薇を見れば美しいと仰言り、蛇を見れば気味がわるいと仰言る。あなた方は
御存知ないんです。薔薇と蛇が親しい友達で、夜になればお互ひに姿を変へ、蛇が頬を赤らめ、
薔薇が鱗を光らす世界を。

三島由紀夫「サド侯爵夫人」より

385大人の名無しさん2010/05/21(金) 00:20:36ID:wHwVn7nP
どんな時代にならうと、権力のもつとも深い実質は若者の筋肉だ。

三島由紀夫「わが友ヒットラー」より


灼熱した不定形なものこそ、あらゆる形をして形たらしめる、形の内側の焔なのだ。
雪花石膏(アラバスター)のやうに白い美しい人間の肉体も、内側にその焔を分ち持ち、
焔を透かして見せることによつてはじめて美しい。

三島由紀夫「わが友ヒットラー」より

386大人の名無しさん2010/05/21(金) 00:21:13ID:wHwVn7nP
個人が組織を倒す、といふのは善である。

三島由紀夫「個人が組織を倒す道徳――『サムライ』について」より

387大人の名無しさん2010/05/21(金) 00:22:38ID:wHwVn7nP
論敵同士などといふものは卑小な関係であり、言葉の上の敵味方なんて、女学生の寄宿舎の
そねみ合ひと大差がありません。

三島由紀夫「野口武彦氏への公開状」より


剣のことを、世間ではイデオロギーとか何とか言つてゐるやうですが、それは使ふ刀の
研師のちがひほどの問題で、剣が二つあれば、二人の男がこれを執つて、戦つて、
殺し合ふのは当然のことです。

三島由紀夫「野口武彦氏への公開状」より

388大人の名無しさん2010/05/21(金) 16:53:58ID:wHwVn7nP
悲しみといふものを喜劇によそほはうとするのは人間の特権だ。

三島由紀夫「彩絵硝子」より

389大人の名無しさん2010/05/21(金) 16:54:18ID:wHwVn7nP
無秩序もまた、その人を魅する力において一個の法則である。

三島由紀夫「鍵のかかる部屋」より


本当に男を尊厳できるのは、劣等感を持つた女だけだ。

三島由紀夫「鍵のかかる部屋」より

390大人の名無しさん2010/05/21(金) 16:54:37ID:wHwVn7nP
女を抱くとき、われわれは大抵、顔か乳房か局部か太腿かをバラバラに抱いてゐるのだ。
それを総括する「肉体」といふ観念の下(もと)に。

三島由紀夫「鍵のかかる部屋」より


この世には無害な道楽なんて存在しないと考えたはうが賢明だ。

三島由紀夫「鍵のかかる部屋」より

391大人の名無しさん2010/05/21(金) 16:55:10ID:wHwVn7nP
地位を持つた男たちといふものは、少女みたいな感受性を持つてゐる。
いつもでは困るが、一寸した息抜きに、何でもない男から肩を叩かれると嬉しくなるのだ。

三島由紀夫「鍵のかかる部屋」より


歌うたひにはみんな白痴的な素質がある。
歌をうたふといふことは、何か内面的なものの凝固を妨げるのだらう。或る流露感だけに
涵(ひた)つて生きる。そんなら何も人間の形をしてゐる必要はないのだ。

三島由紀夫「鍵のかかる部屋」より

392大人の名無しさん2010/05/22(土) 11:09:51ID:I25g/9Xw
>>389の訂正
尊厳 → 尊敬

393大人の名無しさん2010/05/22(土) 23:19:22ID:I25g/9Xw
蓋をあけることは何らかの意味でひとつの解放だ。蓋のなかみをとりだすことよりも
なかみを蔵つておくことの方が本来だと人はおもつてゐるのだが、蓋にしてみれば
あけられた時の方がありのままの姿でなくてはならない。蓋の希みがそれをあけたとき
迸しるだらう。

三島由紀夫「苧菟と瑪耶」より

394大人の名無しさん2010/05/22(土) 23:21:02ID:I25g/9Xw
同情といふ感情は一種の恐怖心で、自分に大して関係のないものが関係をもちさうになるのを
惧(おそ)れるあまり、先手を打つて、同情といふ不良導体でつながれた関係をもたうとする感情だ。

三島由紀夫「親切な機械」より


事件といふものが一種の古典的性格をもつてゐることは、古典といふものが年月の経過と共に
一種の事件的性格を帯びるのと似通つてゐる。
事件も古典と同じやうに、さまざまの語り変へが可能である。

三島由紀夫「親切な機械」より

395大人の名無しさん2010/05/22(土) 23:22:38ID:I25g/9Xw
表現によつて、われわれは生へ還つてゆく。芸術家が死のあとまでも生きのこるのはそのためだ。
しかも表現といふ行為は、芸術家の生活は、何といふ緩慢な死だらう。精神が肉体を模倣し、
肉体が自然を模倣する。つまり自然を――死を模倣する。自然は死だ。そのとき芸術家は
死の限りなく近くに、言ひかへれば、表現された生の限りなく近くにゐるのだなあ。
芸術家にとつては、だから絶望は無意味だ。絶望する暇があつたら、表現しなければならぬ。
なぜかといつて、どんな絶望も、生を前にして表現が感じなければならぬこの自己の無力感、
おのれの非力を隅々まで感じるこの壮麗な歓喜と比べれば何ほどのことがあらう。

三島由紀夫「火山の休暇」より

396大人の名無しさん2010/05/22(土) 23:23:40ID:I25g/9Xw
人生経験は多くの場合恋愛に一定の理論を与へるが、人は自分の立てた理論を他人に
強ひこそすれ、自分は又してもその理論に背いて躓(つまづ)くのを承知で行動する。

三島由紀夫「牝犬」より


生活とは凡庸な発見である。いつもすでに誰かが先にしてしまつた発見である。

三島由紀夫「牝犬」より

397大人の名無しさん2010/05/22(土) 23:26:46ID:I25g/9Xw
愛とは目的をもたない神秘的な洞察力がわれわれを居たたまれなくさせる感情のやうにも思はれ、
一個の想像力のやうにも思はれ、本質的に一つの「解釈」にすぎないやうにも思はれる。

三島由紀夫「椅子」より

398大人の名無しさん2010/05/22(土) 23:27:25ID:I25g/9Xw
女には、世を捨てると云つたところで、自分のもつてゐるものを捨てることなど出来はしない。
男だけが、自分の現にもつてゐるものを捨てることができるのである。

三島由紀夫「志賀寺上人の恋」より

399大人の名無しさん2010/05/24(月) 23:22:43ID:gldIara3
女はあらゆる価値を感性の泥沼に引きづり下ろしてしまふ。
女は主義といふものを全く理解しない。『何々主義的』といふところまではわかるが、
『何々主義』といふものはわからない。主義ばかりではない。独創性がないから、
雰囲気をさへ理解しない。わかるのは匂ひだけだ。

三島由紀夫「禁色」より


女のもつ性的魅力、媚態の本能、あらゆる性的牽引の才能は、女の無用であることの証拠である。
有用なものは媚態を要しない。男が女に惹かれねばならぬことは何といふ損失であらう。
男の精神性に加へられた何といふ汚辱であらう。

三島由紀夫「禁色」より

400大人の名無しさん2010/05/24(月) 23:23:19ID:gldIara3
本当の美とは人を黙らせるものであります。

三島由紀夫「禁色」より


美といふものは手を触れたら火傷をするやうなものだ。

三島由紀夫「禁色」より


思想を抱いてゐる男は、女の目にはもともと神秘的に見えるものである。
女は死んでも「青大将は俺の大好物だ」なんぞと言へないやうに出来てゐるからである。

三島由紀夫「禁色」より

401大人の名無しさん2010/05/24(月) 23:23:55ID:gldIara3
様式は芸術の生れながらの宿命である。作品による内的経験と人生経験とは、様式の
有無によつて次元を異にしてゐるものと考へなくてはならぬ。
しかし人生経験のうちで作品による内的経験にもつともちかいものが唯一つある。
それは何かといふと、死の与へる感動である。
われわれは死を経験することができない。しかしその感動はしばしば経験する。死の想念、
家族の死、愛する者の死において経験する。つまり死とは生の唯一の様式なのである。
芸術作品の感動がわれわれにあのやうに強く生を意識させるのは、それが死の感動だから
ではあるまいか。

三島由紀夫「禁色」より

402大人の名無しさん2010/05/24(月) 23:27:28ID:gldIara3
表現といふ行為は、現実にまたがつて、そいつに止(とど)めを刺し、その息の根を止める行為だ。

三島由紀夫「禁色」より


女が髭を持つてゐないやうに、彼は年齢を持つてゐなかつた。

三島由紀夫「禁色」より

403大人の名無しさん2010/05/24(月) 23:27:52ID:gldIara3
自殺はどんな高尚なそれも低級なそれも、思考それ自体の自殺行為であり、およそ
考へすぎなかつた自殺といふものは存在しない。

三島由紀夫「禁色」より


愛さないで体を委すといふことが、男にはあんなに易しいのに、女にはどうして難しいのだらう。
なぜそれを知ることが、娼婦だけにゆるされてゐるのだらう。

三島由紀夫「禁色」より

404大人の名無しさん2010/05/24(月) 23:28:12ID:gldIara3
どんな思想も観念も、肉感をもたないものは、人を感動させない。

三島由紀夫「禁色」より


『君は僕が好きだ。僕も僕が好きだ。仲良くしませう』――これはエゴイストの愛情の
公理である。同時に、相思相愛の唯一の事例である。

三島由紀夫「禁色」より

405大人の名無しさん2010/05/25(火) 10:38:17ID:J+p+pmH7
醒めることは、更に一層深い迷ひではないのか。どこへ向つて、何のために、われらは
醒めようと望むのか。人生が一つの迷妄である以上、この錯雑した始末に負へない迷妄のうちに、
よく秩序立ち論理づけられた人工的な迷妄を築くことこそ、もつとも賢明な覚醒ではないのか。

三島由紀夫「禁色」より

406大人の名無しさん2010/05/25(火) 10:38:35ID:J+p+pmH7
愛は絶望からしか生まれない。
精神対自然、かういふ了解不可能なものへの精神の運動が愛なのだ。

三島由紀夫「禁色」より


精神はたえず疑問を作り出し、疑問を蓄えてゐなければならぬ。精神の創造力とは疑問を
創造する力なんだ。かうして精神の創造の究極の目標は、疑問そのもの、つまり自然を
創造することになる。それは不可能だ。しかし不可能へむかつていつも進むのが精神の方法なのだ。
精神は、……まあいはば、零を無限に集積して一に達しようとする衝動だといへるだらう。

三島由紀夫「禁色」より

407大人の名無しさん2010/05/25(火) 10:38:52ID:J+p+pmH7
美とは到達できない此岸(しがん)なのだ。さうではないか?宗教はいつも彼岸(ひがん)を、
来世を距離の彼方に置く。しかし距離とは、人間的概念では、畢竟するに、到達の可能性なのだ。
科学と宗教とは距離の差にすぎない。六十八万光年の彼方にある大星雲は、やはり、到達の
可能性なのだよ。宗教は到達の幻影だし、科学は到達の技術だ。
美は、これに反して、いつも此岸にある。この世にあり、現前してをり、確乎として
手に触れることができる。われわれの官能が、それを味はひうるといふことが、美の前提条件だ。
官能はかくて重要だ。それは美をたしかめる。しかし美に到達することは決して出来ない。
なぜなら官能による感受が何よりも先にそれへの到達を遮(さまた)げるから。
希臘人が彫刻でもつて美を表現したのは、賢明な方法だつた。

三島由紀夫「禁色」より

408大人の名無しさん2010/05/25(火) 10:39:10ID:J+p+pmH7
此岸にあつて到達すべからざるもの。かう言へば、君にもよく納得がゆくだらう。
美とは人間における自然、人間的条件の下に置かれた自然なんだ。人間の中にあつて
最も深く人間を規制し、人間に反抗するものが美なのだ。精神は、この美のおかげで、
片時も安眠できない。……

三島由紀夫「禁色」より

409大人の名無しさん2010/05/25(火) 10:42:14ID:J+p+pmH7
この世には最高の瞬間といふものがある。この世における精神と自然との和解、
精神と自然との交合の瞬間だ。
その表現は、生きてゐるあひだの人間には不可能といふ他はない。生ける人間は、その瞬間を
おそらく味はふかもしれない。しかし表現することはできない。それは人間の能力をこえてゐる。
『人間はかくて超人間的なものを表現できない』と君は言ふのか?それはまちがひだ。
人間は真に人間的な究極の状態を表現できないのだ。人間が人間になる最高の瞬間を
表現できないのだ。
芸術家は万能ではないし、表現もまた万能ではない。表現はいつも二者択一を迫られてゐる。
表現か、行為か。愛の行為でも、人は行為を以てしか人を愛しえない。そしてあとから
それを表現する。

三島由紀夫「禁色」より

410大人の名無しさん2010/05/25(火) 10:42:32ID:J+p+pmH7
しかし真の重要な問題は、表現と行為との同時性が可能かといふことだ。それについては
人間は一つだけ知つてゐる。それは死なのだ。
死は行為だが、これほど一回的な究極的な行為はない。

三島由紀夫「禁色」より

411大人の名無しさん2010/05/25(火) 10:42:50ID:J+p+pmH7
死は事実にすぎぬ。行為の死は、自殺と言ひ直すべきだらう。人は自分の意志によつて
生れることはできぬが、意志によつて死ぬことはできる。これが古来のあらゆる自然哲学の
根本命題だ。しかし、死において、自殺といふ行為と、生の全的な表現との同時性が
可能であることは疑ひを容れない。最高の瞬間の表現は死に俟たねばならない。
これには逆証明が可能だと思はれる。
生者の表現の最高のものは、たかだか、最高の瞬間の次位に位するもの、生の全的な姿から
αを差引いたものなのだ。この表現に生のαが加はつて、それによつて生が完成されてゐる。
なぜかといへば、表現しつつも人は生きてをり、否定しえざるその生は表現から除外されてをり、
表現者は仮死を装つてゐるだけなのだ。

三島由紀夫「禁色」より

412大人の名無しさん2010/05/25(火) 10:43:06ID:J+p+pmH7
このα、これを人はいかに夢みたらう。芸術家の夢はいつもそこにかかつてゐる。
生が表現を稀(うす)めること、表現の真の的確さを奪ふこと、このことには誰しも
気がついてゐる。生者の考へる的確さは一つの的確さにすぎぬ。死者にとつては、
われわれが青いと思つてゐる空も、緑いろに煌めいてゐるかもしれないのだ。
ふしぎなことだ。かうして表現に絶望した生者を、又しても救ひに駆けつけて来るのは美なのだ。
生の不的確に断乎として踏みとどまらねばならぬ、と教へてくれる者は美なのだ。
ここにいたつて、美が官能性に、生に、縛られてをり、官能性の正確さをしか信奉しないことを
人に教へるといふ点で、その点でこそ正に、美が人間にとつて倫理的だといふことがわかるだらう。

三島由紀夫「禁色」より

413大人の名無しさん2010/05/25(火) 10:43:33ID:J+p+pmH7
最早私には動かすことのできない不思議な満足があつた。
水泳は覚えずにかへつて来てしまつたものの、人間が容易に人に伝へ得ないあの一つの真実、
後年私がそれを求めてさすらひ、おそらくそれとひきかへでなら、命さへ惜しまぬであらう
一つの真実を、私は覚えて来たからである。

三島由紀夫「岬にての物語」より

414大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:26:04ID:xhKmYlhw
革命は行動である。行動は死と隣り合はせになることが多いから、ひとたび書斎の
思索を離れて行動の世界に入るときに、人が死を前にしたニヒリズムと偶然の僥倖を頼む
ミスティシズムとの虜にならざるを得ないのは人間性の自然である。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

415大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:26:26ID:xhKmYlhw
「帰太虚」とは太虚に帰するの意であるが、大塩(平八郎)は太虚といふものこそ
万物創造の源であり、また善と悪とを良知によつて弁別し得る最後のものであり、
ここに至つて人々の行動は生死を超越した正義そのものに帰着すると主張した。
彼は一つの譬喩を持ち出して、たとへば壷が毀(こは)されると壷を満たしてゐた空虚は
そのまま太虚に帰するやうなものである、といつた。壷を人間の肉体とすれば、
壷の中の空虚、すなはち肉体に包まれた思想がもし良知に至つて真の太虚に達してゐるならば、
その壷すなはち肉体が毀されようと、瞬間にして永遠に偏在する太虚に帰することが
できるのである。
その太虚はさつきも言つたやうに良知の極致と考へられてゐるが、現代風にいへば
能動的ニヒリズムの根元と考へてよいだらう。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

416大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:26:44ID:xhKmYlhw
仏教の空観と陽明学の太虚を比べると、万物が涅槃の中に溶け込む空と、その万物の創造の
母体であり行動の源泉である空虚とは、一見反対のやうであるが、いつたん悟達に達して
また現世へ戻つてきて衆生済度の行動に出なければならぬと教へる大乗仏教の教へには
この仏教の空観と陽明学の太虚をつなぐものがおぼろげに暗示されてゐる。
ベトナムにおける抗議僧の焼身自殺は大乗仏教から説明されるが、また陽明学的な行動とも
いふことができるのである。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

417大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:27:01ID:xhKmYlhw
陽明学には、アポロン的な理性の持ち主には理解しがたいデモーニッシュな要素がある。
ラショナリズムに立てこもらうとする人は、この狂熱を避けて通る。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

418大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:27:29ID:xhKmYlhw
われわれは天といへば青空のことだと思つてゐるが、こればかりが天ではなくて、石の間に
ひそむ空虚、あるひは生えてゐる竹の中にひそんでゐる空虚もまつたく同じ天であり、
太虚の一つである。この太虚は植物、無機物ばかりではなく、人間の肉体の中にも
口や耳を通じてひそんでゐる。
われわれが持つてゐる小さな虚も、聖人の持つてゐる虚と異なるところはない。
もし、誰であつても心から欲を打ち払つて太虚に帰すれば、天がすでにその心に
宿つてゐるのである。誰でも聖人の地位に達しようと欲して達し得ないことはない。
「聖人は即ち言あるの太虚にして、太虚は即ち言はざるの聖人なり」

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

419大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:30:00ID:xhKmYlhw
太虚に帰すべき方法としては、真心をつくし誠をつくして情欲を一掃し、そこへ入つていく
ほかはない。形のあるものはすべて滅び、すべて動揺する。大きな山でさへ地震によつて
ゆすぶられる。何故なら形があるからである。しかし、地震は太虚を動かすことはできない。
これでわかるやうに心が太虚に帰するときに、初めて真の「不動」を語ることができるのである。
すなはち、太虚は永遠不滅であり不動である。心がすでに太虚に帰するときは、いかなる
行動も善悪を超脱して真の良知に達し、天の正義と一致するのである。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

420大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:30:22ID:xhKmYlhw
その太虚とは何であるか。人の心は太虚と同じであり、心と太虚とは二つのものではない。
また、心の外にある虚は、すなはちわが心の本体である。かくて、その太虚は世界の実在である。
この説は世界の実在はすなはちわれであるといふ点で、ウパニシャッドのアートマンと
はなはだ相近づいてくる。
大塩平八郎はその「洗心洞剳記」にもいふやうに、「身の死するを恨みずして心の死するを恨む」
といふことをつねに主張してゐた。この主張から大塩の過激な行動が一直線に出てきたと
思はれるのである。心がすでに太虚に帰すれば、肉体は死んでも滅びないものがある。
だから、肉体の死ぬのを恐れず心の死ぬのを恐れるのである。心が本当に死なないことを
知つてゐるならば、この世に恐ろしいものは何一つない。決心が動揺することは絶対ない。
そのときわれわれは天命を知るのだ、と大塩は言つた。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

421大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:30:45ID:xhKmYlhw
われわれは心の死にやすい時代に生きてゐる。しかも平均年齢は年々延びていき、
ともすると日本には、平八郎とは反対に、「心の死するを恐れず、ただただ身の死するを恐れる」
といふ人が無数にふえていくことが想像される。肉体の延命は精神の延命と同一に
論じられないのである。われわれの戦後民主主義が立脚してゐる人命尊重のヒューマニズムは、
ひたすら肉体の安全無事を主張して、魂や精神の生死を問はないのである。
社会は肉体の安全を保障するが、魂の安全を保障しはしない。心の死ぬことを恐れず、
肉体の死ぬことばかり恐れてゐる人で日本中が占められてゐるならば、無事安泰であり
平和である。しかし、そこに肉体の生死をものともせず、ただ心の死んでいくことを
恐れる人があるからこそ、この社会には緊張が生じ、革新の意欲が底流することになるのである。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

422大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:31:06ID:xhKmYlhw
死を恐れるのは生まれてからのちに生ずる情であつて、肉体があればこそ死を恐れるの
心が生じる。そして死を恐れないのは生まれる前の性質であつて、肉体を離れるとき初めて
この死の性質をみることができる。したがつて、人は死を恐れるといふ気持のうちに
死を恐れないといふ真理を発見しなければならない。それは人間がその生前の本性に
帰ることである。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

423大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:31:28ID:xhKmYlhw
ひたすら聖人に及ばざることのみを考へてゐるところからは、決して行動のエネルギーは
湧いてはこない。同一化とは、自分の中の空虚を巨人の中の空虚と同一視することであり、
自分の得たニヒリズムをもつと巨大なニヒリズムと同一化することである。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より


何故日本人はムダを承知の政治行動をやるのであるか。しかし、もし真にニヒリズムを
経過した行動ならば、その行動の効果がムダであつてももはや驚くに足りない。
陽明学的な行動原理が日本人の心の中に潜む限り、これから先も、西欧人にはまつたく
うかがひ知られぬやうな不思議な政治的事象が、日本に次々と起ることは予言してもよい。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

424大人の名無しさん2010/05/26(水) 19:32:50ID:xhKmYlhw
日本が貿易立国によつて進まねばならない島国といふ特性を有しながらも、アジアの
一環に属することによつて西欧化に対する最後の抵抗を試みるならば、それは精神による
抵抗でなければならないはずである。
精神の抵抗は反体制運動であると否とを問はず、日本の中に浸潤してゐる西欧化の弊害を
革正することによつてしか、最終的に成就されない道である。そのとき革新思想が
どのやうな形で西欧化に妥協するかによつて、無限にその政治的有効性の方向に
引きずられていくことは、戦後の歴史が無惨に証明した如くである。われわれは
この陽明学といふ忘れられた行動哲学にかへることによつて、もう一度、精神と政治の
対立状況における精神の闘ひの方法を、深く探究しなほす必要があるのではあるまいか。

三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」より

425大人の名無しさん2010/05/28(金) 12:39:28ID:099jDZqn
私は自分のものの考へ方には頑固であつても、相手の思想に対して不遜であつたことはない
といふ自信がある。これが自由といふものの源泉だと私には思はれる。

三島由紀夫「『尚武のこころ』あとがき」より

426大人の名無しさん2010/05/28(金) 12:42:46ID:099jDZqn
世間で謙遜な人とほめられてゐるのはたいてい犠牲者です。

三島由紀夫「不道徳教育講座 できるだけ己惚れよ」より


己惚れ屋にとつては、他人はみんな、自分の己惚れのための餌なのです。

三島由紀夫「不道徳教育講座 できるだけ己惚れよ」より

427大人の名無しさん2010/05/28(金) 12:43:39ID:099jDZqn
どうでもいいことは流行に従ふべきで、流行とは、「どうでもいいものだ」ともいへませう。

三島由紀夫「不道徳教育講座 流行に従ふべし」より


流行は無邪気なほどよく、「考へない」流行ほど本当の流行なのです。
白痴的、痴呆的流行ほど、あとになつて、その時代の、美しい色彩となつて残るのである。

三島由紀夫「不道徳教育講座 流行に従ふべし」より

428大人の名無しさん2010/05/28(金) 12:44:20ID:099jDZqn
洋食作法を知つてゐたつて、別段品性や思想が向上するわけはないのです。

三島由紀夫「不道徳教育講座 スープは音を立てて吸ふべし」より


エチケットなどといふものは、俗の俗なるもので、その人の偉さとは何の関係もないのである。

三島由紀夫「不道徳教育講座 スープは音を立てて吸ふべし」より

429大人の名無しさん2010/05/28(金) 12:45:04ID:099jDZqn
全く自力でやつたと思つたことでも、自らそれと知らずに誰かを利用して成功したのであり、
誰にも身を売らないつもりでも、それと知らずに身を売つてゐるのが、現代社会といふものです。

三島由紀夫「不道徳教育講座 美人の妹を利用すべし」より

430大人の名無しさん2010/05/28(金) 12:46:21ID:099jDZqn
男といふものは、もし相手の女が、彼の肉体だけを求めてゐたのだとわかると、
一等自尊心を鼓舞されて、大得意になるといふ妙なケダモノであります。

三島由紀夫「不道徳教育講座 痴漢を歓迎すべし」より


女の人が自分の体に対して抱いてゐる考へは、男とはよほどちがふらしい。その乳房、
そのウェイスト、その脚の魅力は、すべて「女たること」の展覧会みたいなものである。
美しければ美しいほど、彼女はそれを自分個人に属するものと考へず、何かますます
普遍的な、女一般に属するものと考へる。この点で、どんなに化粧に身をやつし、
どんなに鏡を眺めて暮しても、女は本質的にナルシスにはならない。
ギリシアのナルシスは男であります。

三島由紀夫「不道徳教育講座 痴漢を歓迎すべし」より

431大人の名無しさん2010/05/28(金) 12:47:17ID:099jDZqn
人に恩を施すときは、小川に花を流すやうに施すべきで、施されたはうも、淡々と
忘れるべきである。これこそ君子(くんし)の交はりといふものだ。

三島由紀夫「不道徳教育講座 人の恩は忘れるべし」より


若い人といふものは、殊に喧嘩の話が好きです。若いくせにひたすら平和主義に沈潜したり
してゐるのは、たいてい失恋常習者である。

三島由紀夫「不道徳教育講座 喧嘩の自慢をすべし」より

432大人の名無しさん2010/05/28(金) 12:48:46ID:099jDZqn
「洗練された紳士」といふ種族は、必ず不道徳でありますから、お世辞の大家であつて、
「人間の真実」とか「人生の真相」とかいふものは、めつたに持ち出してはいけないものだ、
といふことを知つてゐます。ダイアモンドの首飾などを持つてゐる貴婦人は、そのオリジナルは
銀行にあづけ、寸分たがはぬ硝子玉のコピイを首にかけて出かけるのが慣例です。
人生の真実もこれと同じで、本物が必要になるのは十年にいつぺんか二十年にいつぺんぐらい。
あとはニセモノで通用するのです。それが世の中といふもので、しよつちゆう火の玉を抱いて
突進してゐては、自分がヤケドするばかりである。

三島由紀夫「不道徳教育講座 空お世話を並べるべし」より

433大人の名無しさん2010/05/28(金) 12:50:06ID:099jDZqn
男と女の一等厄介なちがひは、男にとつては精神と肉体がはつきり区別して意識されてゐるのに、
女にとつては精神と肉体がどこまで行つてもまざり合つてゐることである。
女性の最も高い精神も、最も低い精神も、いづれも肉体と不即不離の関係に立つ点で、
男の精神とはつきりちがつてゐる。いや、精神だの肉体だのといふ区別は、男だけの
問題なのであつて、女にとつては、それは一つものなのだ。

三島由紀夫「不道徳教育講座 いはゆる『よろめき』について」より


五百人の男と交はつた女は、心をも切り売りした哀れな娼婦になり、五百人の女と交はつた男は、
単なる放蕩者に止(とど)まつて、精神の領域では立派な尊敬すべき男であるといふ
事態も起り得る。

三島由紀夫「不道徳教育講座 いはゆる『よろめき』について」より

434大人の名無しさん2010/05/28(金) 12:51:05ID:099jDZqn
精神と肉体をどうしても分けることのできない女性の特有そのものを、仮に「罪」と
呼んだと考へればよい。そして一等厄介なことは、女性の最高の美徳も、最低の悪徳も、
この同じ宿命、同じ罪、同じ根から出てゐて、結局同じ形式をとるといふことです。
崇高な母性愛も、良人に対する献身的な美しい愛も、……それから「よろめき」も、
御用聞きとの高笑いも、……みんな同じ宿命から出てゐるといふところに、女性の
女性たる所以があります。

三島由紀夫「不道徳教育講座 いはゆる『よろめき』について」より

435大人の名無しさん2010/05/29(土) 14:37:13ID:IjjMox3j
死者に対する賞賛には、何か冷酷な非人間的なものがあります。死者に対する悪口は、
これに反して、いかにも人間的です。悪口は死者の思ひ出を、いつまでも生きてゐる人間の
間に温めておくからです。

三島由紀夫「不道徳教育講座 死後に悪口を言ふべし」より


ケチな人と附合つて安心なのは、かういふ人には、まづ、やたらと友だちに「金を貸してくれ」
などと持ちかけるダラシのないヤカラはゐないことです。

三島由紀夫「不道徳教育講座 ケチをモットーにすべし」より

436大人の名無しさん2010/05/29(土) 14:37:32ID:IjjMox3j
利口であらうとすることも人生のワナなら、バカであらうとすることも人生のワナであります。
そんな風に人間は「何かであらう」とすることなど、本当は出来るものではないらしい。
利口であらうとすればバカのワナに落ち込み、バカであらうとすれば利口のワナに落ち込み、
果てしもない堂々めぐりをかうしてくりかへすのが、多分人生なのでありませう。

三島由紀夫「不道徳教育講座 馬鹿は死ななきや……」より

437大人の名無しさん2010/05/29(土) 14:38:22ID:IjjMox3j
どんな功利主義者も、策謀家も、自分に何の利害関係もない他人の失敗を笑ふ瞬間には、
ひどく無邪気になり、純真になります。誰でも人の好さが丸出しになり、目は子供つぽい
光りに充たされます。

三島由紀夫「不道徳教育講座 人の失敗を笑ふべし」より


友情はすべて嘲り合ひから生れる。

三島由紀夫「不道徳教育講座 人の失敗を笑ふべし」より

438大人の名無しさん2010/05/29(土) 14:41:10ID:IjjMox3j
三千人と恋愛をした人が、一人と恋愛をした人に比べて、より多くについて知つてゐるとは
いへないのが、人生の面白味ですが、同時に、小説家のはうが読者より人生をよく知つてゐて、
人に道標を与へることができる、などといふのも完全な迷信です。
小説家自身が人生にアップアップしてゐるのであつて、それから木片につかまつて、
一息ついてゐる姿が、すなはち彼の小説を書いてゐる姿です。

三島由紀夫「不道徳教育講座 小説家を尊敬するなかれ」より


神経が疲労してゐるとき病的に性欲が昂進するのは、われわれが、経験上よく知つてゐる
ことである。これを「強烈な原始的性欲」とか、「本能の嵐」とかに見まちがへる人がゐたら、
よつぽどどうかしてゐるのである。これはむしろ本能から一等遠い状態です。

三島由紀夫「不道徳教育講座 性的ノイローゼ」より

439大人の名無しさん2010/05/29(土) 14:41:34ID:IjjMox3j
怪力乱神は、どうもどこかに実在するらしい、といふのが私のカンである。
仕事をしてゐるときでも、ふと自分が怪力乱神の虜になつてゐると感じることがある。
しかしこの世に知性で割り切れぬことがあるのは、少しも知性の恥ではない。

三島由紀夫「不道徳教育講座 お化けの季節」

440大人の名無しさん2010/05/29(土) 14:42:19ID:IjjMox3j
いくら禿頭でも、独身の男といふものは、女性にとつて、或る可能性の権化にみえるらしい。
男にとつていかに独身のはうがトクであるかは、言ふを俟ちません。かく言ふ私でも、
結婚したとたんに、女性の読者からの手紙が激減してしまひました。これは大いに私を
意気沮喪させる現象でありました。

三島由紀夫「不道徳教育講座 子持ちを隠すべし」より


孤独感こそ男のディグニティーの根源であつて、これを失くしたら男ではないと言つてもいい。
子供が十人あらうが、女房が三人あらうが、いや、それならばますます、男は身辺に
孤独感を漂はしてゐなければならん。

三島由紀夫「不道徳教育講座 子持ちを隠すべし」より

441大人の名無しさん2010/05/29(土) 14:42:35ID:IjjMox3j
男はどこかに、孤独な岩みたいなところを持つてゐなくてはならない。

三島由紀夫「不道徳教育講座 子持ちを隠すべし」より


このごろは、ベタベタ自分の子供の自慢をする若い男がふえて来たが、かういふのはどうも
不潔でやりきれない。アメリカ人の風習の影響だらうが、誰にでも、やたらむしやうに
自分の子供の写真を見せたがる。かういふ男を見ると、私は、こいつは何だつて男性の
威厳を自ら失つて、人間生活に首までドップリひたつてやがるのか、と思つて腹立たしくなる。
「自分の子供が可愛い」などといふ感情はワイセツな感情であつて、人に示すべきものでは
ないらしい。

三島由紀夫「不道徳教育講座 子持ちを隠すべし」より

442大人の名無しさん2010/05/31(月) 11:39:36ID:JU4Twrp/
美しい女と二人きりで歩いてゐる男は頼もしげにみえるのだが、女二人にはさまれて
歩いてゐる男は道化じみる。

三島由紀夫「春子」より

443大人の名無しさん2010/05/31(月) 11:40:05ID:JU4Twrp/
事件といふものは見事な秩序をもつてゐるものである。日常生活よりもはるかに見事な。

三島由紀夫「サーカス」より

444大人の名無しさん2010/05/31(月) 11:41:44ID:JU4Twrp/
人間の野心といふものは衆にぬきん出ようとする欲望だが、幸福といふものは皆と
同じになりたいといふ欲求だ。

三島由紀夫「クロスワード・パズル」より

445大人の名無しさん2010/06/01(火) 12:05:08ID:PRjPp53P
死の近い病人が無意識に死の予感にかられて、自分を愛してくれる人たちを別れ易くして
やるために、殊更自分を嫌われ者にする、といふ言ひつたへには、たしかに或る種の真実がある。
病苦や焦燥のためだけではなくて、病人のつのる我儘には、生への執着以外の別の動機が
ひそんでゐるやうに思はれる。

三島由紀夫「貴顕」より

446大人の名無しさん2010/06/01(火) 12:06:14ID:PRjPp53P
この世界の愚劣を癒やすためには、まづ、何か、愚劣の洗滌が要るのだ。
藷たちが愚劣と考へることの、一生けんめいの聖化が要るのだ。あいつらの信条、
あいつらの商人的な一生けんめいさをさへ真似をして。

三島由紀夫「葡萄パン」より

447大人の名無しさん2010/06/01(火) 12:07:11ID:PRjPp53P
大噴柱は、水の作り成した彫塑のやうに、きちんと身じまいを正して、静止してゐるかの
やうである。しかし目を凝らすと、その柱のなかに、たえず下方から上方へ馳せ昇つてゆく
透明な運動の霊が見える。それは一つの棒状の空間を、下から上へ凄い速度で順々に
充たしてゆき、一瞬毎に、今欠けたものを補つて、たえず同じ充実を保つてゐる。
それは結局天の高みで挫折することがわかつてゐるのだが、こんなにたえまのない挫折を
支へてゐる力の持続は、すばらしい。

三島由紀夫「雨のなかの噴水」より

448大人の名無しさん2010/06/01(火) 12:38:32ID:PRjPp53P
どんな死でもあれ、死は一種の事務的な手続である。

三島由紀夫「真夏の死」より


一人死んでも、十人死んでも、同じ涙を流すほかに術がないのは不合理ではあるまいか?
涙を流すことが、泣くことが、何の感情の表現の目安になるといふのか?

三島由紀夫「真夏の死」より

449大人の名無しさん2010/06/01(火) 12:39:00ID:PRjPp53P
われわれには死者に対してまだなすべき多くのことが残つてゐる。悔恨は愚行であり、
ああもできた、かうも出来たと思ひ煩らふのは詮ないことであるが、それは死者に対する
最後の人力の奉仕である。われわれは少しでも永いあひだ、死を人間的な事件、
人間的な劇の範囲に引止めておきたいと希(ねが)ふのである。

三島由紀夫「真夏の死」より


記憶はわれわれの意識の上に、時間をしばしば並行させ重複させる。

三島由紀夫「真夏の死」より

450大人の名無しさん2010/06/01(火) 12:39:19ID:PRjPp53P
悲嘆の博愛を信じろと云つても困難である。悲しみは最もエゴイスティックな感情だからである。

三島由紀夫「真夏の死」より


生きてゐるといふことは、何といふ残酷さだ。
…残酷な生の実感には、深い、気も遠くなるほどの安堵があつた。

三島由紀夫「真夏の死」より

451大人の名無しさん2010/06/02(水) 10:31:06ID:VShdmKHF
この日本をめぐる海には、なほ血が経めぐつてゐる。かつて無数の若者の流した血が
海の潮の核心をなしてゐる。それを見たことがあるか。月夜の海上に、われらはありありと見る。
徒に流された血がそのとき黒潮を血の色に変へ、赤い潮は唸り、喚(おら)び、
猛き獣のごとくこの小さい島国のまはりを彷徨し、悲しげに吼える姿を。

三島由紀夫「英霊の声」より


われらには、死んですべてがわかつた。死んで今や、われらの言葉を禁(とど)める力は
何一つない。
われらはすべてを言ふ資格がある。何故ならわれらは、まごころの血を流したからだ。

三島由紀夫「英霊の声」より

452大人の名無しさん2010/06/02(水) 10:32:59ID:VShdmKHF
われらはもはや神秘を信じない。自ら神風となること、自ら神秘となることとは、
さういふことだ。人をしてわれらの中に、何ものかを祈念させ、何ものかを信じさせることだ。
その具現がわれらの死なのだ。
しかしわれら自身が神秘であり、われら自身が生ける神であるならば、陛下こそ
神であらねばならぬ。神の階梯のいと高いところに、神としての陛下が輝いてゐて
下さらなくてはならぬ。そこにわれらの不滅の根源があり、われらの死の栄光の根源があり、
われらと歴史とをつなぐ唯一条の糸があるからだ。

三島由紀夫「英霊の声」より

453大人の名無しさん2010/06/02(水) 10:34:10ID:VShdmKHF
そして陛下は決して、人の情と涙によつて、われらの死を救はうとなさつたり、
われらの死を妨げようとなさつてはならぬ。神のみが、このやうな非合理な死、青春の
このやうな壮麗な屠殺によつて、われらの生粋の悲劇を成就させてくれるであらうからだ。
さうでなければ、われらの死は、愚かな犠牲にすぎなくなるだらう。われらは戦士ではなく、
闘技場の剣士に成り下るだらう。神の死ではなくて、奴隷の死を死ぬだらう。……

三島由紀夫「英霊の声」より

454大人の名無しさん2010/06/02(水) 10:35:57ID:VShdmKHF
陛下の御誠実は疑ひがない。陛下御自身が、実は人間であつたと仰せ出される以上、
そのお言葉にいつはりのあらう筈はない。高御座にのぼりましてこのかた、陛下はずつと
人間であらせられた。あの暗い世に、一つかみの老臣どものほかには友とてなく、
たつたお孤(ひと)りで、あらゆる辛苦をお忍びになりつつ、陛下は人間であらせられた。
清らかに、小さく光る人間であらせられた。
それはよい。誰が陛下をお咎めすることができよう。
だが、昭和の歴史においてただ二度だけ、陛下は神であらせられるべきだつた。
何と云はうか、人間としての義務において、神であらせられるべきだつた。この二度だけは、
陛下は人間であらせられるその深度のきはみにおいて、正に、神であらせられるべきだつた。
それを二度とも陛下は逸したまふた。もつとも神であらせられるべき時に、人間にましましたのだ。

三島由紀夫「英霊の声」より

455大人の名無しさん2010/06/02(水) 10:37:32ID:VShdmKHF
一度は兄神たちの蹶起の時、一度はわれらの死のあと、国の敗れたあとの時である。
歴史に『もし』は愚かしい。しかし、もしこの二度のときに、陛下が決然と神にましましたら、
あのやうな虚しい悲劇は防がれ、このやうな虚しい幸福は防がれたであらう。
この二度のとき、この二度のとき、陛下は人間であらせられることにより、一度は軍の
魂を失はせ玉ひ、二度目は国の魂を失はせ玉ふた。

三島由紀夫「英霊の声」より


もしすぎし世が架空であり、今の世が現実であるならば、死したる者のため、何ゆゑ
陛下ただ御一人は、辛く苦しき架空を護らせ玉はざりしか。

三島由紀夫「英霊の声」より

456大人の名無しさん2010/06/03(木) 17:23:33ID:o27UD1Px
現代人は自分の外部に、すべて内部の観念の対応物をしかみとめない。宝石などといふ
純粋物質の存在をみとめない。しかし人間の内部と全く対応しない一物質を、古代の人たちは
物質と呼ばずに運命と呼んだのではなからうか。精神のうちでも決して具象化されない
純粋な精神が、外部に存在して、ただ一つの純粋物質としてわれわれの内部を脅やかすに
至つたのではあるまいか。

三島由紀夫「宝石売買」より

457大人の名無しさん2010/06/03(木) 17:23:54ID:o27UD1Px
貴族とは没落といふ一つの観念を誰よりも鮮やかに生きる類ひの人間であつた。
たとへば「出世」といふ行為を離れてはありえぬ「出世」といふ観念を人は純粋に
生きることができないが、そこへゆくと、没落といふ観念はもともと没落といふ行為とは
縁もゆかりもないものなのである。没落を生きてゐるのではなく、「失敗した出世」を
生きてゐることにならう。没落といふ観念を全的に生きるためには、
決して没落してはならなかつた。落下の危険なしにサーカスは考へられないが、本当に
落ちてしまつたらそれはもはやサーカスではなくて、一つの椿事にすぎないのと同じやうに。

三島由紀夫「宝石売買」より

458大人の名無しさん2010/06/03(木) 17:24:12ID:o27UD1Px
女性のもつ人道的感情はきはめて麗はしいもので、多くの場合、審美的でさへあるのである。

三島由紀夫「宝石売買」より


女の宝石をほめるのは、面と向つてその体をほめるやうなものではなからうか。
宝石への誉め言葉が時あつてふしぎな官能の歓びを女に与へるのはそのためだ。

三島由紀夫「宝石売買」より

459大人の名無しさん2010/06/03(木) 17:24:54ID:o27UD1Px
打算のない愛情とよく言ひますが、打算のないことを証明するものは、打算を証明するものと
同様に、「お金」の他にはありません。打算があつてこそ「打算のない行為」もあるのですから、
いちばん純粋な「打算のない行為」は打算の中にしかありえないわけです。
夜があつてこそ昼があるのだから、昼といふ観念には「夜でない」といふ観念が含まれ、
その観念の最も純粋な生ける形態は夜の只中にしかないやうに、又いはば、深海魚が陸地に
引き揚げられて形がかはつてゐるのに、さういふ深海魚をしか見ることのできない人間が、
夜の中になく夜の外にある昼のみを昼と呼び、打算の中になく打算の外にある「打算なき行為」
だけを「打算なき行為」とよぶ誤ちを犯してゐるわけなのです。

三島由紀夫「宝石売買」より

460大人の名無しさん2010/06/03(木) 17:25:22ID:o27UD1Px
何度失敗してもまた未練らしく試みられて際限がないあの錬金術同様に、打算のない行為と
いふものは、何度失敗しても飽きることなく求められて来ました。はじめそれは
精神の世界で探されました。宗教がさうですね。お互ひが真に孤独でなければ出来ない行為は、
精神の世界では、愛がその最高のものであり、もしかしたら唯一のものかもしれません。
そこで打算のない行為の原型が愛に求められました。しかし残念なことに、愛は対象の
属性には決してなりえないといふ法則が発見されたのです。これがつまり基督の昇天です。
彼の愛は人間の属性になるには耐へなかつた。孤独の属性になるには耐へなかつた。

三島由紀夫「宝石売買」より

461大人の名無しさん2010/06/03(木) 17:28:49ID:o27UD1Px
嘘つきにみえる方が正直にみえるより得ではなくつて?
だつて安心して本当のことが言へますもの。

三島由紀夫「宝石売買」より

462大人の名無しさん2010/06/03(木) 17:29:18ID:o27UD1Px
どんな卑近な情熱でも、そこには何らかの自己放棄を伴ふものだ。

三島由紀夫「孝経」より


良心は人を眠らせないが、罪は熟睡させるのである。

三島由紀夫「孝経」より

463大人の名無しさん2010/06/03(木) 17:30:02ID:o27UD1Px
少年のころ、一度、太陽と睨めつこをしようとしたことがある。見るか見ぬかの
一瞬のうちの変化だが、はじめそれは灼熱した赤い玉だつた。それが渦巻きはじめた。
ぴたりと静まつた。するとそれは蒼黒い、平べつたい、冷たい鉄の円盤になつた。
彼は太陽の本質を見たと思つた。……しばらくはいたるところに、太陽の白い残影を見た。
叢にも。木立のかげにも。目を移す青空のどの一隅にも。
それは正義だつた。眩しくてとても正視できないもの。そして、目に一度宿つたのちは、
そこかしこに見える光りの斑は、正義の残影だつた。

三島由紀夫「剣」より

464大人の名無しさん2010/06/03(木) 17:30:19ID:o27UD1Px
剣は結局、手の内にはじまつて手の内に終るな。

三島由紀夫「剣」より


人間が本当に学んで会得することといふのは、一生にたつた一つ、どんな小さいことでもいい。
たつた一つあればいいんだ。

三島由紀夫「剣」より


幸福なんて男の持つべき考へぢやない。

三島由紀夫「剣」より

465大人の名無しさん2010/06/03(木) 22:41:55ID:tvOAbo1t
素晴らしいスレ。いつも拝見させてもらってます
駄レスすみませんでした

466大人の名無しさん2010/06/04(金) 10:12:06ID:0E3R7QA5
>>465
閲覧ありがとう。

by 魅死魔幽鬼夫

467大人の名無しさん2010/06/04(金) 22:16:43ID:sgLhZzXg
ちんぽ

468大人の名無しさん2010/06/04(金) 23:42:45ID:0E3R7QA5
誰かが苦しまなければならぬ。誰か一人でも、この砕けおちた世界の硝子のかけらの上を、
血を流して跣で歩いてみせなければならぬ。

三島由紀夫「美しい星」より


一人の人間が死苦にもだえてゐるとき、その苦痛がすべての人類に、ほんのわづかでも
苦痛の波動を及ぼさないとは何事だらう!
…どうしてあの原子爆弾の怖ろしい苦痛ですら、個人的な苦痛に還元され、肉体的な体験だけで
頒(わか)たれることになつたのだらう。

三島由紀夫「美しい星」より

469大人の名無しさん2010/06/04(金) 23:44:15ID:0E3R7QA5
あるべきだと考へるものは、決してこの世に存在しない。しかし何かが存在しないなら、
それが存在すべきだつた。

三島由紀夫「美しい星」より


肉の交はりはそもそも心の交合の模倣であり、絶望から生れた余儀ない代償ではないだらうか。

三島由紀夫「美しい星」より

470大人の名無しさん2010/06/04(金) 23:44:53ID:0E3R7QA5
偶然といふ言葉は、人間が自分の無知を湖塗しようとして、尤もらしく見せかけるために
作つた言葉だよ。偶然とは、人間どもの理解をこえた高い必然が、ふだんは厚いマントに
身を隠してゐるのに、ちらとその素肌の一部をのぞかせてしまつた現象なのだ。
人智が探り得た最高の必然性は、多分天体の運行だらうが、それよりさらに高度の、
さらに精巧な必然は、まだ人間の目には隠されてをり、わずかに迂遠な宗教的方法で
それを揣摩してゐるにすぎないのだ。宗教家が神秘と呼び、科学者が偶然と呼ぶもの、
そこにこそ真の必然が隠されてゐるのだが、天はこれを人間どもに、いかにも取るに
足らぬもののやうに見せかけるために、悪戯つぽい、不まじめな方法でちらつかせるにすぎない。

三島由紀夫「美しい星」より

471大人の名無しさん2010/06/04(金) 23:45:26ID:0E3R7QA5
人間どもはまことに単純で浅見だから、まじめな哲学や緊急な現実問題やまともらしく
見える現象には、持ち前の虚栄心から喜んで飛びつくが、一見ばかばかしい事柄や
ノンセンスには、それ相応の軽い顧慮を払ふにすぎない。かうした人間はいつも天の必然に
だまし討ちにされる運命にあるのだ。なぜなら天の必然の白い美しい素足の跡は、
一見ばからしい偶然事のはうに、あらはに印されてゐるのだから。
恋し合つてゐる者同士は、よく偶然に会ふ羽目になるものだ。それだけならふしぎもないが、
憎み合つてゐて、お互ひに避けたいと思つてゐる同士も、よく偶然に会ふ羽目になるものだ。
この二例を人間の論理で統一すると、愛憎いづれにしろ、関心を持つてゐる人間同士は
否応なしに偶然に会ふといふことになる。人間の論理はそれ以上は進まない。

三島由紀夫「美しい星」より

472大人の名無しさん2010/06/04(金) 23:48:36ID:0E3R7QA5
しかしわれわれ宇宙人の鳥瞰的な目は、もつと広大な展望を持つてゐる。そこから見ると、
関心を抱き合ひつつ偶然に会ふ人の数とは比べものにならぬほど、人間どもは、電車の中、
町中で、何ら関心を持ち合はない無数の他人とも、時々刻々、偶然に会つてゐるのだ。
おそらく一生に一度しか会はない人たちと、奇蹟的にも、日々、偶然に会つてゐるのだ。
ここまでひろげられた偶然は、もう大きな見えない必然と云ふほかはあるまい。
仏教徒だけがこの必然を洞察して、『一樹の蔭』とか『袖触れ合ふも他生の縁』とかの
美しい隠喩でそれを表現した。そこには人間の存在にかすかに余影をとどめてゐる
『星の特質』がうかがはれ、天体の精妙な運行の、遠い反映が認められるのだ。実はそこには、
それよりもさらに高い必然の網目の影も落ちかかつてゐるのだが……。

三島由紀夫「美しい星」より

473大人の名無しさん2010/06/05(土) 11:15:06ID:TOgUx8iD
いくら人間が群をなして集まつても、宇宙法則の中で『生命』といふものが例外的なものに
すぎないといふ無意識の孤独感は拭はれず、人間はとりわけ物に、無機物き執着します。
金貨と宝石とは人間の生命と生活に対する一等冷淡な対立物であるにもかかはらず、
さういふ物質をとらへて、人間的色彩をこれに加へ、人間的臭気をこれに与へることに
人々は熱中して来ました。そのうちに人間は物に馴れ親しみ、物の運動と秩序のなかに、
人間の本質をみつけ出すやうにさへなつたのです。
そして有機物にすら、生きて動いてゐる猫にすら、人間の惹き起す事件にすら、いや、
人間そのものにすら、物の属性を与へなくては安心できぬやうになつた。物の属性を
即座に与へることが事物に完結性の外観をもたらし、人間が恒久性の観念と故意を
ごつちやにしてゐる『幸福』の外観をもたらすからです。

三島由紀夫「美しい星」より

474大人の名無しさん2010/06/05(土) 11:16:14ID:TOgUx8iD
かやうに人間の事物への関心は、時間の不可逆性からつねに自分を救ひ出さうとする欲求で、
三十年前にロンドンで買つた傘を愛用してゐる紳士も、今年の夏の流行の水着を身につける女も、
三十年間にしろ、一ヵ月にしろ、その時間を代表する物質に自分を閉じ込めて安心するのです。
物質に対する人間の支配は、暗々裡に、いつも物質の最終的な勝利を認めてきた。
さうでなかつたら、どうして地球上に、あんなに沢山、石や銅や鉄のいやらしい記念碑や
建築物やお墓が残つてゐる筈がありませう。さて、そこで人間は、最後に、物質の性質を
ある程度究明して、原子力を発見したのです。水素爆弾は人間の到達したもつとも逆説的な
事物で、今人間どもは、この危険な物質の裡に、究極の『人間的』幻影を描いてゐるのです。

三島由紀夫「美しい星」より

475大人の名無しさん2010/06/05(土) 11:17:00ID:TOgUx8iD
性慾は実は人間的関心ではないのです。それは繁殖と破壊の間から、世界の薄明を
覗き見る行為です。

三島由紀夫「美しい星」より


彼らはみな、苦痛が決して伝播しないこと、しかも一人一人が同じ苦痛の『条件』を
荷つてゐることを知悉してゐるのです。
人間の人間に対する関心は、いつもこのやうな形をとります。同じ存在の条件を荷ひながら、
決して人類共有の苦痛とか、人類共有の胃袋とかいふものは存在しないといふ自信。……

三島由紀夫「美しい星」より

476大人の名無しさん2010/06/05(土) 11:17:52ID:TOgUx8iD
政治的スローガンとか、思想とか、さういふ痛くも痒くもないものには、人間は喜んで
普遍性と共有性を認めます。毒にも薬にもならない古くさい建築や美術品は、やすやすと
人類共有の文化的遺産になります。しかし苦痛がさうなつては困るのです。大演説の最中に
政治的指導者の奥歯が痛みだしたとき、数万の聴衆の奥歯が同時に痛みだしては困るのです。

三島由紀夫「美しい星」より

477大人の名無しさん2010/06/05(土) 17:08:20ID:9ypirbn8
m9(^Д^)プギャー

478大人の名無しさん2010/06/07(月) 00:31:10ID:e2GGqcge
神のことを、人間は好んで真理だとか、正義だとか呼びたがる。しかし神は真理自体でもなく、
正義自体でもなく、神自体ですらないのです。それは管理人にすぎず、人知と虚無との
継ぎ目のあいまいさを故ら維持し、ありもしないものと所与の存在との境目をぼかすことに
従事します。何故なら人間は存在と非在との裂け目に耐へないからであるし、一度人間が
『絶対』の想念を心にうかべた上は、世界のすべてのものの相対性とその『絶対』との間の
距離に耐へないからです。遠いところに駐屯する辺境守備兵は、相対性の世界をぼんやりと
絶対へとつなげてくれるやうに思はれるのです。そして彼らの武器と兜も、みんな人間が
稼いで、人間が貢いでやつたものばかりです。

三島由紀夫「美しい星」より

479大人の名無しさん2010/06/07(月) 00:31:30ID:e2GGqcge
神への関心のおかげで、人間はなんとか虚無や非在や絶対などに直面しないですんできました。
だから今もなほ、人間は虚無の真相について知るところ少く、虚無のやうな全的破壊の原理は
人間の文化内部には発生しないと妄信してゐる人間主義の愚かな名残で、人知が虚無を
作りだすことなどできないと信じてゐます。
本当にさうでせうか? 虚無とは、二階の階段を一階へ下りようとして、そのまますとんと
深淵へ墜落すること。花瓶へ花を活けようとして、その花を深淵へ投げ込んでしまふこと。
つまり目的を持ち、意志から発した行為が、行為のはじまつた瞬間に、意志は裏切られ、
目的は乗り超へられて、際限なく無意味なもののなかへ顛落すること。要するに、
あたかも自分が望んだがごとく、無意味の中へダイヴすること。あらゆる形の小さな失錯が、
同種の巨大な滅亡の中へ併呑されること。……人間世界では至極ありふれた、よく起る
事例であり、これが虚無の本質なのです。

三島由紀夫「美しい星」より

480大人の名無しさん2010/06/07(月) 00:31:56ID:e2GGqcge
科学的技術は、ふしぎなほど正確に、すでに瀰漫してゐた虚無に点火する術を知つてゐます。
科学的技術は人間が考へてゐるほど理性的なものではなく、或る不透明な衝動の抽象化であり、
錬金術以来、人間の夢魔の組織化であり、人間どもが或る望まない怪物の出現を夢みると、
科学的技術は、すでに人間どもがその望まない怪物を望んでゐるといふことを、証明して
みせてくれるのです。そこで、人間をすでにひたひたと浸してゐた虚無に点火される日が
やつてきました。それは気違いじみた真赤な巨大な薔薇の花、人間の栽培した最初の虚無、
つまり水素爆弾だつたのです。
しかし未だに虚無の管理者としての神とその管理責任を信じてゐる人間は、安心して
水爆の釦を押します。十字を切りながら、お祈りをしながら、すつかり自分の責任を免れて、
必ず、釦を押します。

三島由紀夫「美しい星」より

481大人の名無しさん2010/06/07(月) 00:32:35ID:e2GGqcge
平和は自由と同様に、われわれ宇宙人の海から漁られた魚であつて、地球へ陸揚げされると
忽ち腐る。

三島由紀夫「美しい星」より


人類はまだまだ時間を征服することはできない。だから人類にとつての平和や自由の観念は、
時間の原理に関はりがあり、その原理によつて縛られてゐる。時間の不可逆性が、
人間どもの平和や自由を極度に困難にしてゐる宿命的要因なのです。

三島由紀夫「美しい星」より

482大人の名無しさん2010/06/08(火) 10:47:05ID:WqCXSeQu
私が彼らの想像力に愬(うつた)へようとしたやり方は、破滅の幻を強めて平和の幻と同等にし、
それをつひには鏡像のやうに似通はせ、一方が鏡中の影であれば、一方は必ず現実であると
思はせるところまで、持つて行く方法でした。
空飛ぶ円盤の出現は、人間理性をかきみだすためだつたし、理性を目ざめさせるには
その敵対物の陶酔しかないことを、理性自体に気づかせるのが目的であつた。そして
われわれの云ふ陶酔とは、時間の不可逆性が崩れること、未来の不確実性が崩れること、
すなはち、欲望を持ちえなくなること、――何故なら人間の欲望はすべて時間が原因で
あるから――、これらもろもろの、人間理性の最後の自己否定なのでした。人間の純粋理性とは、
経験を可能にする先天的な認識能力のすべてを云ふのださうで、人間の経験は欲望の、
すなはち時間の原則に従つて動くからです。
私は未開の陶酔を人間どもに教へようとしたのでした。そこでこそ現在が花ひらき、
人間世界はたちどころに光輝を放ち、目前の草の露がただちに宝石に変貌するやうな陶酔を。

三島由紀夫「美しい星」より

483大人の名無しさん2010/06/08(火) 10:47:24ID:WqCXSeQu
人間の政治、いつも未来を女の太腿のやうに猥褻にちらつかせ、夢や希望や『よりよいもの』への
餌を、馬の鼻面に人参をぶらさげるやり方でぶらさげておき、未来の暗黒へ向つて人々を
鞭打ちながら、自分は現在の薄明の中に止まらうとするあの政治、……あれをしばらく
陶酔のうちに静止させなくてはいかん。

三島由紀夫「美しい星」より

484大人の名無しさん2010/06/08(火) 10:48:11ID:WqCXSeQu
彼はおそろしい絶望に襲はれたが、これは決して自殺によつては解決されない絶望だつた。
何故なら、これは普通の自殺の原因となるやうな、生きてゐるといふことへの絶望ではなく、
生きてゐること自体の絶望なのであるから、絶望がますます彼を生かすからだ。
彼はこの絶望から何かを作り出さなくてはならない。政治の冷徹な認識に復讐を企てるために、
自殺の代りに、何か独自のものを作り出さなくてはならない。そこで考へ出されたことが、
政治家に気づかれぬやうに、自分の胴体に、こつそり無意味な風穴をあけることだつた。
その風穴からあらゆる意味が洩れこぼれてしまひ、パンだけは順調に消化され、永久に、
次のパンを、次のパンを、次のパンを求めつづけること。生存の無意味を保障するために、
彼らにパンを与へつづけることを、政治家たち統治者たちの、知られざる責務にしてしまふこと。
しかもそれを絶対に統治者たちには気づかせぬこと。

三島由紀夫「美しい星」より

485大人の名無しさん2010/06/08(火) 10:50:47ID:WqCXSeQu
この空洞、この風穴は、ひそかに人類の遺伝子になり、あまねく遺伝し、私が公園のベンチや
混んだ電車でたびたび見たあの反政治的な表情の素になつたのだ。
こいつらは組織を好み、地上のいたるところに、趣きのない塔を建ててまはる。私はそれらを
ひとつひとつ洞察して、つひには支配者の胴体、統治者の胴体にすら、立派な衣服の下に
小さな風穴の所在を嗅ぎつけたのだ。
今しも地球上の人類の、平和と統一とが可能だといふメドをつけたのは、私がこの風穴を
発見したときからだつた。お恥ずかしいことだが、私が仮りの人間生活を送つてゐたころは、
私の胴体にも見事にその風穴があいてゐたものだ。
私は破滅の前の人間にこのやうな状態が一般化したことを、宇宙的恩寵だとすら考へてゐる。
なぜなら、この空洞、この風穴こそ、われわれの宇宙の雛形だからだ。

三島由紀夫「美しい星」より

486大人の名無しさん2010/06/08(火) 10:51:05ID:WqCXSeQu
人間が内部の空虚の連帯によつて充実するとき、すべての政治は無意味になり、反政治的な
統一が可能になる。彼らは決して釦を押さない。釦を押すことは、彼らの宇宙を、内部の
空虚を崩壊させることになるからだ。肉体を滅ぼすことを怖れない連中も、この空虚を
滅ぼすことには耐へられない。何故ならそれは、母なる宇宙の雛形だからだ。

三島由紀夫「美しい星」より

487大人の名無しさん2010/06/08(火) 10:51:23ID:WqCXSeQu
愛と生殖とを結びつけたのは人間どもの宗教の政治的詐術で、ほかのもろもろの
政治的詐術と同様、羊の群を柵の中へ追ひ込むやり方、つまり本来無目的なものを
目的意識の中へ追ひ込む、あの千篇一律のやり方の一つなのだね。

三島由紀夫「美しい星」より


皮肉なことに愛の背理は、待たれてゐるものは必ず来ず、望んだものは必ず得られず、
しかも来ないこと得られぬことの原因が、正に待つこと望むこと自体にあるといふ
構造を持つてゐる。

三島由紀夫「美しい星」より

488大人の名無しさん2010/06/09(水) 00:16:34ID:GaiYNm2P
気まぐれこそ人間が天から得た美質で、時折人間が演じる気まぐれには、たしかに
天の最も甘美なものの片鱗がうかがはれる。それは整然たる宇宙法則が時折洩らす
吐息のやうなもの、許容された詩のやうなもので、それが遠い宇宙から人間に投影されたのだ。
人間どもの宗教の用語を借りれば、人間の中の唯一つの天使的特質といへるだらう。
人間が人間を殺さうとして、まさに発射しようとするときに、彼の心に生れ、その腕を
突然ほかの方向へ外らしてしまふふしぎな気まぐれ。

三島由紀夫「美しい星」より

489大人の名無しさん2010/06/09(水) 00:17:46ID:GaiYNm2P
美しい気まぐれの多くは、人間自体にはどうしても解けない謎で、おそらく沢山の薔薇の
前へ来た蜜蜂だけが知つてゐる謎なのだ。何故なら、こんな気まぐれこそ、薔薇はみな
同じ薔薇であり、目前の薔薇のほかにも又薔薇があり、世界は薔薇に充ちてゐるといふ
認識だけが、解き明かすことのできる謎だからだ。
私が希望を捨てないといふのは、人間の理性を信頼するからではない。人間のかういふ
美しい気まぐれに、信頼を寄せてゐるからだ。

三島由紀夫「美しい星」より

490大人の名無しさん2010/06/09(水) 00:18:21ID:GaiYNm2P
もし人類が滅んだら、私は少なくとも、その五つの美点をうまく纏めて、一つの墓碑銘を
書かずにはゐられないだらう。この墓碑銘には、人類の今までにやつたことが必要かつ
十分に要約されてをり、人類の歴史はそれ以上でもそれ以下でもなかつたのだ。
その碑文の草案は次のやうなものだ。
『地球なる一惑星に住める 人間なる一種族ここに眠る。
彼らは嘘をつきつぱなしについた。
彼らは吉凶につけて花を飾つた。
彼らはよく小鳥を飼つた。
彼らは約束の時間にしばしば遅れた。
そして彼らはよく笑つた。
 ねがはくはとこしへなる眠りの安らかならんことを』

三島由紀夫「美しい星」より

491大人の名無しさん2010/06/09(水) 00:18:42ID:GaiYNm2P
これをあなた方の言葉に翻訳すればかうなるのだ。
『地球なる一惑星に住める 人間なる一種族ここに眠る。
彼らはなかなか芸術家であつた。
彼らは喜悦と悲嘆に同じ象徴を用ひた。
彼らは他の自由を剥奪して、それによつて辛ふじて自分の自由を相対的に確認した。
彼らは時間を征服しえず、その代りにせめて時間に不忠実であらうとした。
そして時には、彼らは虚無をしばらく自分の息で吹き飛ばす術を知つてゐた。
 ねがはくはとこしへなる眠りの安らかならんことを』

三島由紀夫「美しい星」より

492大人の名無しさん2010/06/09(水) 00:19:04ID:GaiYNm2P
人間は前へ進まうとするとき、必ずうしろへも進んでゐるのだ。だから彼らは決して
到達することも、帰り着くこともない。これが彼らの宇宙なのだ。

三島由紀夫「美しい星」より


破滅か救済かいづれへ向つてゐやうと、未来は鉄壁の彼方にあつて、こちらには、
すべてに手つかずの純潔な時がたゆたうてゐる。この、掌の中に自在にたはめられる、
柔らかな、決定を待つていかやうにも鋳られる、しかもなほ現成の時、これこそ人間の時なのだ。

三島由紀夫「美しい星」より

493大人の名無しさん2010/06/09(水) 00:22:32ID:GaiYNm2P
どんな威嚇も、人間の楽天主義には敵ひはしないのだ。その点では、地獄であらうと、
水爆戦争であらうと、魂の破滅であらうと、肉体の破滅であらうと、同じことだ。
本当に終末が来るまでは、誰もまじめに終末などを信じはしない。

三島由紀夫「美しい星」より


生きる意志の欠如と楽天主義との、世にも怠惰な結びつきが人間といふものだ。

三島由紀夫「美しい星」より

494大人の名無しさん2010/06/09(水) 00:22:49ID:GaiYNm2P
一寸傷つけただけで血を流すくせに、太陽を写す鏡面ともなるつややかな肉。あの肉の外側へ
一ミリでも出ることができないのが人間の宿命だつた。しかし同時に、人間はその肉体の
縁(へり)を、広大な宇宙空間の海と、等しく広大な内面の陸との、傷つきやすく
揺れやすい「明るい汀」にしたのだ。その内面から放たれる力は海をほんの少し押し戻し、
その薄い皮膚は又、たえまない海の侵蝕を防いでゐた。若い輝かしい肉が、人間の矜りに
なるのも尤もだつた。それは祝寿にあふれた、もつとも明るい、もつとも輝かしい汀であるから。

三島由紀夫「美しい星」より

495大人の名無しさん2010/06/09(水) 16:53:37ID:GaiYNm2P
天才というものは源泉の感情だ。そこまで堀り当てた人が天才だ。

三島由紀夫「舟橋聖一との対話」より

496大人の名無しさん2010/06/09(水) 16:54:09ID:GaiYNm2P
人間のあらゆるいやらしさと崇高さとがちっとも矛盾しないのが人間だと思うんです。

三島由紀夫
河上徹太郎との対談「創作批評」より

497大人の名無しさん2010/06/09(水) 16:56:44ID:GaiYNm2P
子供の遊びは無目的、それでいて真剣そのものでしょう。夕方、御飯になって遊びと
別れるときの、あの辛さ、ああいう辛さがなかったら、文学はビジネスにすぎなくなる。
御飯は生活です。誰でも御飯はたべなくちゃならない。しかし「御飯ですよ」と呼ばれるまで、
御飯の時間を忘れていられるような真剣な遊びを毎日みつけなくてはね。

三島由紀夫
久米正雄・林房雄との対談「人生問答」より


市民というものは何を売っても、肉をひさぐことはしない。しかし芸術家というものは
それをどうしてもやらなければならないんですね。そこに市民と芸術家のちがいがある。

三島由紀夫
久米正雄・林房雄との対談「人生問答」より

498大人の名無しさん2010/06/09(水) 16:57:18ID:GaiYNm2P
幸福というものは掴んだ瞬間になくなるからといって諦めるのは、卑怯だと思う。

三島由紀夫
久米正雄・林房雄との対談「人生問答」より


大体、人体というこんな複雑な機械が故障なく動いてるということは幸福ですよ。
そのためには一億くらいの条件がそろわなければ、こんなことを喋っていられるコンディションに
ならないんだ。これはある意味で幸福だな。第一、人間は幸福でなければ生きていませんよ。

三島由紀夫
久米正雄・林房雄との対談「人生問答」より

499大人の名無しさん2010/06/09(水) 17:01:07ID:GaiYNm2P
芸術家というものは、かなり追いつめられて来てから、始めて自分の「場」を発見するんだね。
そして芸術家の価値というものは成功したとか成功しないとかいう問題でなく、
自分の宿命を見究めたかどうかにあるんだと思うな。

三島由紀夫
戸板康二との対談「歌右衛門の美しさ」より

500大人の名無しさん2010/06/11(金) 00:54:24ID:wGy5Ss38
僕は「仮面の告白」以来、小説というのはやっぱり人生を解決する、あるいは人生を
料理するものだという考えが抜けないね。どんなに唯美的に見えても、その小説が何か
作家の行動であって、一種の世界解釈だという考えは抜けないね。
ほんとうに生きるということと同じなんだから、それは唯美的に見える作家のほうが
かえって強く持っている考えであるかもしれない。

三島由紀夫
石原慎太郎との対談「七年目の対話」より

501大人の名無しさん2010/06/11(金) 00:54:51ID:wGy5Ss38
日本人というのは方法論がないかわりに、無意識の形式意欲がある。無意識の形式意欲に
対する日本人独特の感覚的な厳しい意欲がある。そしてある新しいものが入ってくると、
日本人は無意識にそれを形式的にキャッチしようと思う。

三島由紀夫
石原慎太郎との対談「七年目の対話」より

502大人の名無しさん2010/06/11(金) 00:55:16ID:wGy5Ss38
ベケットでね、「ゴドーを待ちながら」ね、僕はゴドーが来ないというのはけしからんと思う。
それは二十世紀文学の悪い一面だよ。ゴドーが来ない。これはいやしくも芝居でゴドーが
来ないというのはなにごとだと、僕は怒るのだ。

三島由紀夫
安部公房との対談「二十世紀の文学」より

503大人の名無しさん2010/06/11(金) 00:55:42ID:wGy5Ss38
僕という人間が生きているのは、なんのためかというと、僕は伝承するために生きている。
どうやって伝承したらいいかというと、僕は伝承すべき至上理念に向って無意識に成長する。
無意識に、しかしたえず訓練して成長する。僕が最高度に達したときになにかをつかむ。
そうして僕は死んじゃう。次にあらわれてくるやつは、まだなんにもわからないわけだ。
それが訓練し、鍛錬し、教わる。教わっても、メトーデは教わらないのだから、結局、
お尻を叩かれ、一所懸命ただ訓練するほかない。なんにもメトーデがないところで模索して、
最後に、死ぬ前にパッとつかむ。パッとつかんだもの自体は、歴史全体に見ると、
結晶体の上の一点から、ずっとつながっているかも知れないが、しかし絶対流れていない。

三島由紀夫
安部公房との対談「二十世紀の文学」より

504大人の名無しさん2010/06/12(土) 00:11:07ID:ZXvoILcN
言葉だけの思想的な主張ないしは思想的な説得力には、僕は昔から疑問をもっている。
腕力があり、剣があって、初めて自分の思想が貫かれるのだろう。最後に人間の顔と顔とが、
ぴたっとむかいあったときは、言葉は役に立たないと思う。やっぱりそのときには剣が
ものをいうだろうね。文筆業者はそこへゆくまでのことを一所懸命、言葉で考えてる
人間なんだけど、それで言葉が最終的に役に立つと思ったら間違いだと思う。

三島由紀夫
野坂昭如との対談「エロチシズムと国家権力」より

505大人の名無しさん2010/06/14(月) 10:33:39ID:RKvpKNtb
あらゆる忠義によるラジカルな行動を認めなければ、天皇制の本質を逸すると僕は言っている
わけです。場合によっては共産革命だって、もし錦旗革命だったら天皇は認めなければ
ならないでしょうね。天皇制の本質なのかもしれませんよ。それをよく知らないで、
右翼だとかファッショだといってバカにしきって戦後共産党がやっていたのは共産党が
バカだといいたいね。米のなかった時代に朕はたらふく食った、汝国民は飢えていろなどと
いう代りに、何で赤旗をもって宮城前で天皇陛下万歳をやらなかったかといいたい。
あそこで陛下の帽子をふっているあとを追いかけていって革命を成功させなかったか。

三島由紀夫
大島渚との対談「ファシストか革命家か」より

506大人の名無しさん2010/06/14(月) 10:34:02ID:RKvpKNtb
彼ら(共産党)は天皇制護持を平気で言えるという時点まで踏み切れない。
だから日本の共産党はダメなんだ。天皇制護持までできれば成功していたし、第一党に
なっていただろうと思うが。彼らに言わせれば、まあ惜しいことをした。しかしもう遅い。

三島由紀夫
大島渚との対談「ファシストか革命家か」より


守るというのは剣の使命であって、言葉の使命ではないからだ。言葉はただ刺すだけだ。
守ろうと思ったら、剣を執らなきゃだめだ。

三島由紀夫
大島渚との対談「ファシストか革命家か」より

507大人の名無しさん2010/06/14(月) 10:37:22ID:RKvpKNtb
十年、五十年単位の考えは、絶対に必要なことだ。なぜかというと、十年、五十年と考えると、
今日始めなきゃだめなんだよ。だから一番緊急なことなんだよ。

三島由紀夫
福田恆存との対談「文武両道と死の哲学」より


一番長い経過を要する仕事を今日始めて、そしてあしたはだね、三年先のことを始める
というのが、ぼくは一番現実的な考えだと思うね。

三島由紀夫
福田恆存との対談「文武両道と死の哲学」より

508大人の名無しさん2010/06/14(月) 10:37:46ID:RKvpKNtb
ぼくは文化というものはね、変な比喩だが、金とおんなじことだと思う。とにかく、
あぶないときにどっかに置いておかなければ、いつもこわされちゃう。こんなもろい、
こんなものはない。僕はいわば文化の金本位制論者だ。
日本では、昔から金について一番もろくて弱かった独占資本的財閥、戦前のそういう連中はね、
どんなインテリよりもぼくは、実際に敏感だったと思いますよ。それは昭和の歴史を見ても
よくわかりますがね。文化人というのはいつものんきなんだが、資本家が金をこわがるように、
どうして文化人は文化というものの、もろさ、弱さ、はかなさ、というものを感じないんだろうかね。

三島由紀夫
福田恆存との対談「文武両道と死の哲学」より

509大人の名無しさん2010/06/14(月) 10:38:03ID:RKvpKNtb
いまでもぼくは、文化というものは、ほんとにどんな弱い女よりもか弱く、どんな
破れやすい布よりも破れやすい、もう手にそうっと持ってにゃならんのだと思いますね。
そっからすべてものの危機感がくるんだし、それで、そのためには自分のからだを
投げ出してもいいと思うしね。

三島由紀夫
福田恆存との対談「文武両道と死の哲学」より


文化がどんなに変様されて、歪曲されても、生きのびるほど強いもんだということは結果論です。

三島由紀夫
福田恆存との対談「文武両道と死の哲学」より

510大人の名無しさん2010/06/14(月) 10:38:37ID:RKvpKNtb
天皇はあらゆる近代化、あらゆる工業化によるフラストレーションの最後の救世主として、
そこにいなけりゃならない。それをいまから準備していなければならない。それは
アンティエゴイズムであり、アンティ近代化であり、アンティ工業化であるけど、決して
古き土地制度の復活でもなければ、農本主義でもない。(中略)
天皇というのは、国家のエゴイズム、国民のエゴイズムというものの、一番反極のところに
あるべきだ。そういう意味で、天皇は尊いんだから、天皇が自由を縛られてもしかたがない。
その根元にあるのは、とにかく「お祭」だ、ということです。天皇がなすべきことは、
お祭、お祭、お祭、お祭、――それだけだ。これがぼくの天皇論の概略です。

三島由紀夫
福田恆存との対談「文武両道と死の哲学」より

511大人の名無しさん2010/06/14(月) 10:40:30ID:RKvpKNtb
エリザベスは、亭主が自分の部屋に電話を引いたり、テレビをつけたり、ボタンを押すと
飛び上がる椅子をつけたりするのに、自分は、まだ十八世紀のお茶の作法で、百メートル先から
女官たちが手から手へつないだお茶を持って来て、冷えたお茶を飲んでいる。
自分の部屋には電話がない。ぼくは、そういうことが天皇制だろうと思うんです。
日本の皇室がその点でわれわれを納得させる存在理由は日ましに稀薄になっている。
つまりわれわれが近代化の中でこれだけ苦しんで、どこかでお茶を十八世紀の作法で
飲んでいる人がいなければ、世界は崩壊するんだよ。

三島由紀夫
福田恆存との対談「文武両道と死の哲学」より

512大人の名無しさん2010/06/14(月) 10:40:48ID:RKvpKNtb
世界の行く果てには、福祉国家の荒廃、社会主義国家の嘘しかないとなれば、何がほしいだろう。
それはカソリックならカソリックかもしれない。だけど、日本の天皇というのはいいですよ。
頑張ってれば世界的なモデルケースになれると思う。それが八紘一宇だと思うんだよ。

三島由紀夫
福田恆存との対談「文武両道と死の哲学」より

513大人の名無しさん2010/06/15(火) 10:45:36ID:+IsRvn3e
虚栄心、自尊心、独占欲、男性たることの対社会的プライド、男性としての能力に関する自負、
……かういふものはみんな社会的性質を帯びてゐて、これがみんな根こそぎにされた悩みが、
男の嫉妬を形づくります。
男の嫉妬の本当のギリギリのところは、体面を傷つけられた怒りだと断言してもよろしい。

三島由紀夫「不道徳教育講座 いはゆる『よろめき』について」より


ワシントンは子供心に、ウソをついた場合のイヤな気持まで知つてゐたので、正直に
白状したのかもしれません。たいてい勇気ある行動といふものは、別の或るものへの怖れから
来てゐるもので、全然恐怖心のない人には、勇気の生れる余地がなくて、さういふ人は
ただ無茶をやつてのけるだけの話です。

三島由紀夫「不道徳教育講座 大いにウソをつくべし」より

514大人の名無しさん2010/06/15(火) 10:46:10ID:+IsRvn3e
崇高なものが現代では無力で、滑稽なものにだけ野蛮な力がある。

三島由紀夫「禁色」より


人間をいちばん残酷にするのは、愛されてゐるといふ意識だよ。

三島由紀夫「禁色」より

515大人の名無しさん2010/06/15(火) 10:46:43ID:+IsRvn3e
不安こそ、われわれが若さからぬすみうるこよない宝だ。

三島由紀夫「暁の寺」より

516大人の名無しさん2010/06/15(火) 19:55:26ID:+IsRvn3e
歌舞伎の世界というのは、名優は自分は死なないで、死の演技をする。それで芸術の最高潮に
達するわけですね。しかし武士社会で、なぜ河原乞食と卑しめられたかというと、あれは
ほんとうに死なないではないか、それだけですよ。そのひと言だけで芸術はペッチャンコですよ。

三島由紀夫
埴谷雄高との対談「デカダンス意識と死生観」より

517大人の名無しさん2010/06/16(水) 10:47:28ID:ONL5hYZx
私が一番好きな話は、多少ファナティックな話になるけれども、満州でロシア軍が
入ってきたときに――私はそれを実際にいた人から聞いたのでありますが――在留邦人が
一ヵ所に集められて、いよいよこれから武装解除というような形になってしまって、
大部分の軍人はおとなしく武器を引き渡そうとした。その時一人の中尉がやにわに
日本刀を抜いて、何万、何十万というロシア軍の中へ一人でワーッといって斬り込んで行って、
たちまち殴り殺されたという話であります。
私は、言論と日本刀というものは同じもので、何千万人相手にしても、俺一人だというのが
言論だと思うのです。一人の人間を大勢で寄ってたかってぶち壊すのは、言論ではなくて、
そういうものを暴力という。つまり一人の日本刀の言論だ。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より

518大人の名無しさん2010/06/16(水) 10:48:36ID:ONL5hYZx
初めから妥協を考えるような決意というものは本物の決意ではないのです。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より


私は、暗殺者が必ずあとですぐに自殺するという日本の伝統はやはり武士(さむらい)の
道だと思っている。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より

519大人の名無しさん2010/06/18(金) 11:56:07ID:1+cvO8yR
どんな政治体制でも歴史的な基盤があって、徐々に形成されたものであるので、その点では
日本の天皇制もまったく同じだと思います。ですから民主主義が悪いとか、天皇制が
いいとか悪いとかいう問題じゃなくて、その国その国の歴史的基盤に立った政治体制が
できていくということは当然だと思います。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より

520大人の名無しさん2010/06/18(金) 11:57:21ID:1+cvO8yR
国家がなくなって世界政府ができるなんという夢は、非常に情けない、哀れな夢なんです。
…資本主義国家も国家が管理している部分が非常に大きくなっておりますから、実際の
国家の時代という点では、国家の管理機能はむしろ史上最高ぐらいまで達しているのではないか。
これが極点に達し、崩れて、超国家ができるかどうか、そんなことは先のことである。
我々はまず国家の中に生きているという存在から問題を考えなければならんというように
私は思っております。ですから、国家の時代なればこそ戦争も必ずある。であるから、
それに対する防衛の問題も真剣に考えなければならんと、私はそういうように思っております。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より

521大人の名無しさん2010/06/18(金) 11:58:06ID:1+cvO8yR
共産社会に階級がないというのは全くの迷信であって、これは巨大なビューロクラシーの
社会であります。そしてこの階級制の蟻のごとき社会にならないために我々の社会が
戦わなければならんというふうに私は考えるものですが、日本の例をとってみますと、
日本にどういうふうに階級があるのか、まずそれを伺いたい。たとえばアメリカなどは
民主主義社会とはいいながら、ヨーロッパよりさらに古い、さらに深い階級意識が
ある国です。というのは、ヨーロッパを真似して成金が階級をつくったのですね。
ですからこれはアングロ・サクソンの文化の伝統ですが、クラブというのがありますね。
みんなメンバーシップオンリーのクラブで、下のクラブの人が上のクラブをステイタス・
シンボルとして、ステイタス・クライマーが上流のクラブへ入るためにあらゆる算段を
するわけです。(中略)
アメリカにはステイタス・シンボルというものが非常にたくさんあります。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より

522大人の名無しさん2010/06/18(金) 11:58:31ID:1+cvO8yR
ところが日本ではステイタス・シンボルに当たるものが私は何があるのかと聞きたい。
…一つの社会風俗的現象としてのステイタス・シンボルがあるのか。キャデラックに
乗っていたらブルジョアなのか。みんな会社の金でキャデラックに乗っている、それが
ブルジョアなのか。あるいはゴルフクラブに入っていたらそれがブルジョアなのか。
ゴルフクラブに入って、あのキャディに、かよわい女性に重いものを背負わせて歩けば
それがブルジョアなのか。そして日本では社会主義者も共産主義者もみんな軽井沢に
別荘を持っている。(中略)
私は階級差というものの甚だしい例をヨーロッパでたくさん見てきた。(中略)
富の分配というのは一応マルクス主義の美名になっておりますが、これは別の方法を
使ったってできるのだ。(中略)
権力の分配に至っては、共産主義社会のあのおそろしいビューロクラシーと比べると、
我々はむしろ権力の分配の公正な社会に生きていると、私はこう考えております。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より

523大人の名無しさん2010/06/18(金) 11:59:40ID:1+cvO8yR
我々はヒューマニスティックな愛情を何に対して持つか。ニューヨークじゃ、もう人間に
同情する人がなくなっちゃったのでみんな犬に同情している。それがアングロ・サクソン
動物愛護協会というものなんです。これは生活の余裕がなければできないことで、
オールビーの「動物園物語」という芝居をご覧になった方はわかりますが、犬を可愛がって、
犬としか対話しない人間が長々と出てきます。人間というのはそういうふうになっちゃう
ものなんですね。愛情と憐れみを何に向って与えようか。その溢れるアフェクションの中から
どうやって社会革新の情熱を呼びさまそうか。人間はこういうものを考える動物だと思います。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より

524大人の名無しさん2010/06/20(日) 11:12:58ID:3Uow8SBs
精神分析ってのは、ついにスタイルの問題を解決しない。スタイルを解決しなきゃ、
芸術は絶対分らない。精神分析は、いつも超歴史的なモメントを持ってきて、いつも
おんなじところへ引き戻す。おんなじところへ引き戻して、どうしてミケランジェロが
いて、どうしてワットーが出てくるか、そういうスタイルの問題を、何ら解決しない。
ですからあれは、あらゆる芸術美学がそうですが、フロイトも芸術論でいちばん
失敗していますね。カントも「判断力批判」では失敗していますね。
かりにも美ってものに哲学者がタッチしたり、あるいは哲学者以外のああいう学者が
タッチしたら、全部まちがえるのはそこです。ぼくは、けっきょく、それが歴史だろうと
思うんです。芸術っていうのは、非常に個性的なあらわれ方を、自分ではしていると
信じているんだけれども、どんなことをしてもできない。それが芸術なんですね。

三島由紀夫
石川淳との対談「肉体の運動 精神の運動――芸術におけるモラルと技術」より

525大人の名無しさん2010/06/20(日) 17:56:04ID:ITFpMm9u
140字超えてるぞ

526大人の名無しさん2010/06/21(月) 10:28:00ID:6D8umfLo
鏡花を今の青年が読むと、サイケデリックの元祖だと思うに違いない。

三島由紀夫
澁澤龍彦との対談「泉鏡花の魅力」より


鏡花は、あの当時の作家全般から比べると絵空事を書いているようでいて、なにか人間の
真相を知っていた人だ、という気がしてしようがない。

三島由紀夫
澁澤龍彦との対談「泉鏡花の魅力」より

527大人の名無しさん2010/06/21(月) 10:28:23ID:6D8umfLo
ニヒリストの文学は、地獄へ連れていくものか、天国へ連れていくものかわからんが、
鏡花はどこかへ連れていきます。日本の近代文学で、われわれを他界へ連れていって
くれる文学というのはほかにない。
…谷崎さんも、もうひとつ連れていってくれない。天国へもいかない。川端康成さんは
ある意味で、「眠れる美女」なんかでどこかへ連れていくね。地獄ですかね。
鏡花が連れていくのは天国か地獄かわからない。あれは煉獄だろうか。
スウェーデンボルグ流に言うと天使界かな。

三島由紀夫
澁澤龍彦との対談「泉鏡花の魅力」より

528大人の名無しさん2010/06/21(月) 11:56:41ID:6D8umfLo
今の時代はますます複雑になって、新聞を読んでも、テレビを見ても、真相はつかめない。
そういうときに何があるかといえば、自分で見にいくほかないんだよ。

三島由紀夫
鶴田浩二との対談「刺客と組長――男の盟約」より


いま筋の通ったことをいえば、みんな右翼といわれる。だいたい、“右”というのは、
ヨーロッパのことばでは“正しい”という意味なんだから。(笑)

三島由紀夫
鶴田浩二との対談「刺客と組長――男の盟約」より

529大人の名無しさん2010/06/21(月) 19:36:07ID:6D8umfLo
ヒューマニズムなんて言っていたら、みんな三国人に取られちゃいますよ。(笑)

三島由紀夫
堤清二との対談「二・二六将校と全学連学生との断絶」より

530大人の名無しさん2010/06/22(火) 10:42:30ID:sOwgrqqr
これしかないという表現を体でもって選ぼうとすればことばだね。最終的に、ことばか
身を投げることしかない。それはもっとつきつめれば焼身自殺だよ。このあいだ、
アメリカの国会議事堂で自殺した少年と同じだ。これはことばにかけると同じ重さを、
からだにかけた行為だと思う。これが表現なんで、それ以外の表現は嘘なんだ。

三島由紀夫
高橋和巳との対談「大いなる過渡期の論理―行動する作家の思弁と責任」より


テロリズムといわれようとなんといわれようとかまわない、ことばを刻むように行為を
刻むべきだよ。彼ら(全学連)はことばを信じないから行為を刻めないじゃないか。

三島由紀夫
高橋和巳との対談「大いなる過渡期の論理――行動する作家の思弁と責任」より

531大人の名無しさん2010/06/22(火) 10:42:51ID:sOwgrqqr
中国人はものを変えることが好きでね、人間を壷の中に入れて首だけ出して育ててみたり、
女の足を纏足(てんそく)にしてみたり、デフォルメーションの趣味があるんだよ。
これは伝統的なものだと思うんだ。中国というのが非常に西洋人に近いと思うのは、
自然にたいして人工というのを重んじるところね。中国人の人間主義というのは非常に
人工的なものを尊ぶ主義でしょう。作って、変えたという確信を持つことが権力意識の
獲得ですから。だから意識の変革というのをやりたくてしようがないんだよ。

三島由紀夫
高橋和巳との対談「大いなる過渡期の論理――」より

532大人の名無しさん2010/06/23(水) 00:30:30ID:2zqzkbzf
未来ということを考える暇がないほど現在の時点における自分の存在の中に、連綿たる
過去の日本の文化伝統と日本人の長い民族的蓄積とが、太古以来ずっと続いている、
その一番ラストに自分はいるんだ、自分が滅びたらもうお終いなんだ、自分は日本というものの
一番の精髄をになってここにいま立って、そこで自分は終るのだ。そういうことがなければ、
ぼくは人間の最終的な誇り、日本人としての最終的な誇りは持てないと思います。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より

533大人の名無しさん2010/06/23(水) 00:32:04ID:2zqzkbzf
未来を所有しているのは老人の特徴で、未来を所有しないのが青年の特徴である。(中略)
青年は未来に対してあらゆる可能性があるように見えるかわりに、未来を何一つ所有しない。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より


言論自由下の社会主義なんていうものを夢見ているとあぶないんだ。
…もし美しき社会主義を夢見れば醜き社会主義にやられてしまうんだ。

三島由紀夫「国家革新の原理――学生とのティーチ・イン」より

534大人の名無しさん2010/06/23(水) 00:34:59ID:2zqzkbzf
現代は全河原乞食、一億河原乞食の時代で、政治家から、経済人から、芸術家から、なにから、
やはり河原乞食だと思うのですね、「葉隠」と較べれば。

三島由紀夫「『葉隠』の魅力」より


私は人間関係は、みんな委員会になっちゃったというのです。そしてうそですね。
うそでかためれば安全、謙譲の美徳を発揮すれば安全、安全第一。そして人間関係も、
とにかく世論というものをいつも顧慮しながら、不特定多数の人間の平均的な好みに
自分を会わせれば成功だし、会わせれることができなきゃ失敗。これが現代社会ですよ。

三島由紀夫「『葉隠』の魅力」より

535大人の名無しさん2010/06/23(水) 00:36:15ID:2zqzkbzf
客観的に滑稽であってもいいと思うんだ。しかし主観的に滑稽だと思ったら、人間負けだよ、
そういうことだけは絶対やっちゃいかんと思う。

三島由紀夫
いいだももとの対談「政治行為の象徴性について」より

536大人の名無しさん2010/06/23(水) 00:37:54ID:2zqzkbzf
人間の生存本能や、自己防衛本能を超越できたら、人間というものはもう少し
飛躍するのだろうと思います。

三島由紀夫
尾崎一雄との対談「私小説の底流」より


僕はやっぱり物体というものは、バイブレートするものだと思うんですよ。物体自体が、
一つの構成要素がバイブレートしていなければ、この宇宙は成り立たないと思うな。
ほんとうはバイブレートしているのかもしれないけれども、われわれにはその動きが
全然見えないわけですね。

三島由紀夫
尾崎一雄との対談「私小説の底流」より

537大人の名無しさん2010/06/23(水) 00:40:15ID:2zqzkbzf
戦後教育は、死ぬということを教えてないね。客観状勢がどうとかということは、ぼくは
必ずしも信じない。…客観状勢が熟すのを待つというのは、ゲバラがいちばん嫌ったろう。
革命の客観的条件というのはないんだ、それを熟させるのが革命家だ、という考えだろう。
それを熟させるのは精神だよ。それがあれば、なにかがかもしだされてくる。

三島由紀夫
野坂昭如との対談「剣か花か」より

538大人の名無しさん2010/06/23(水) 10:55:40ID:2zqzkbzf
肉体の外に人間は出られないということを精神は一度でも自覚したことがあるだろうか、
これは私がいつも考えてきたことであります。なぜなら、われわれは自分の肉体の外へ
一ミリも出られない。こんな不合理なことがあるだろうか。

三島由紀夫「討論 三島由紀夫vs.東大全共闘――美と共同体と東大闘争」より


おれの作品は何万年という時間の持続との間にある一つの持続なんだ。ぼくは空間を
意図しないけれども、時間を意図している。

三島由紀夫「討論 三島由紀夫vs.東大全共闘――美と共同体と東大闘争」より

539大人の名無しさん2010/06/23(水) 10:57:01ID:2zqzkbzf
文化というものは一つの長い時間の集積でもってここにまた自分の中に続いている。
外在すると同時に内在するその中から自分がセレクトするというのが自分の現在一瞬一瞬の
行為である。

三島由紀夫「討論 三島由紀夫vs.東大全共闘――美と共同体と東大闘争」より


私にとっては、関係性というものと、自己超越性――超時間性といいましたかな、
そういうものと初めから私の中で癒着している。これを切り離すことはできない。
初めから癒着しているところで芸術作品ができているから、別の癒着の形として
行動も出てくる。

三島由紀夫「討論 三島由紀夫vs.東大全共闘――美と共同体と東大闘争」より

540大人の名無しさん2010/06/23(水) 10:57:39ID:2zqzkbzf
言葉は言葉を呼んで、翼をもってこの部屋の中を飛び廻ったんです。この言霊がどっかに
どんなふうに残るか知りませんが、私がその言葉を、言霊をとにかくここに残して
私は去っていきます。

三島由紀夫「討論 三島由紀夫vs.東大全共闘――美と共同体と東大闘争」より

541大人の名無しさん2010/06/23(水) 10:59:19ID:2zqzkbzf
時間を支配しているのは女であって、男じゃない。妊娠十ヵ月の時間、これは女の持物だからね。
だから女は時間に遅れる権利があるんだよ。(中略)
女は自分が時計なんだから、肉体がちゃんと時計の役割をして、規則正しく自分の影響を
受けている。時間内存在なんだよ。男は時間外存在になりかねないから、しょっちゅう
時計に頼らないと、こわくてこわくて。

三島由紀夫
寺山修司との対談「エロスは抵抗の拠点になり得るか」より

542大人の名無しさん2010/06/24(木) 11:41:52ID:q1R8OkYm
まあ、私も喜劇の部類で残念ですけれども、悲劇にはなりそうもない。

三島由紀夫
石川淳との対談「破裂のために集中する」より


失敗した悲劇役者というのが僕じゃないかしら。一生懸命泣かせようと思って出てきても、
みんな大笑いする。

三島由紀夫
石川淳との対談「破裂のために集中する」より

543大人の名無しさん2010/06/24(木) 11:42:24ID:q1R8OkYm
僕は、単細胞のせいかもしれないけれど、革命というものはイデオロギーの問題でも
なんでもない、ただ爆弾持って駈け出すことだと思っているんです。維新というのも、
ただ日本刀持って駈け出すことだと思っている。駈けるのには、百メートルを十六秒以下で
なければ駈けるとは言えない。そのためには、ふとっていちゃ絶対だめですよ。
アメリカとベトコンの戦争は、やせたやつがふとったやつを悩ませたというだけの話ですよ。
ベトコンはやせているから駈けられる。アメリカ人はあの体していちゃ崖やなんか駈け昇れない。
どうして日本のインテリというのは、ふとるようになっちゃったんでしょう。これは僕は
重大問題だと思っているんですよ。つまり肉体と精神との関係において。

三島由紀夫
石川淳との対談「破裂のために集中する」より

544大人の名無しさん2010/06/26(土) 10:23:40ID:/E4jRbo7
ナルシシズムというのは、自分の問題じゃないでしょうね。他人からの関心の問題ですからね。
ですから、自分へのこだわりとちょっと違うかもしれませんね。自分へのこだわりは、
ナルシシズムと反対かもしれませんね。もし、自分へのこだわりを捨てたければ、
もっとみんなナルシシストになればいいのです。

三島由紀夫
秋山駿との対談「私の文学を語る」より


自分になんかだれも興味をもってくれないというのは、まず社会の根本原則ですね。

三島由紀夫
秋山駿との対談「私の文学を語る」より

545大人の名無しさん2010/06/26(土) 10:25:32ID:/E4jRbo7
僕は、自分の本質がなにかということを考えるということはやめたのです。
…自分とはなんだという問題ですね。つまり、ほじくってほじくって、玉葱の皮をむいて
いくでしょう。だんだん孤独になって、いまの大江君の「万延元年」など見ると、
そういう感じが非常にしますがね。玉葱の皮むいている。
(芯が)あるはずかもしれないけれども、皮だけかもしれない。一番簡単な通俗的な方法は
精神分析ですね。僕が自分の精神分析をすれば、どんな精神分析学者よりもうまくやる
自信がありますよ。なんでもあります、僕の中には。
…僕の変なことをやる動機なりなんなり、精神分析で解釈すれば、なんでもつくのです。
なんでもできますね。どんな精神分析学者をつれてきても驚かない。僕のほうが
うまいでしょうね。人間というのは、やはり動機で動くものじゃないと思っています。

三島由紀夫
秋山駿との対談「私の文学を語る」より

546大人の名無しさん2010/06/26(土) 10:26:26ID:/E4jRbo7
谷崎さんにしても川端さんにしても素晴らしい芸術家だけれども、男というものは一人も
出てこないでしょう。元禄時代、元禄時代というけれども、西鶴はちゃんと書いていますよ。
男の世界を書いている。人間がデリケートな感情から発して、激しい行動に一直線に
つながるところを書いてますね。

三島由紀夫
秋山駿との対談「私の文学を語る」より

547大人の名無しさん2010/06/28(月) 10:16:51ID:3mbEJeah
私は血すぢでは百姓とサムラヒの末裔だが、仕事の仕方はもつとも勤勉な百姓であり、
生活のモラルではサムラヒである。

三島由紀夫「フランスのテレビに初主演――文壇の若大将 三島由紀夫氏」より


何ごとにもまじめなことが私の欠点であり、また私の滑稽さの根源である。

三島由紀夫「フランスのテレビに初主演――文壇の若大将 三島由紀夫氏」より

548大人の名無しさん2010/06/28(月) 10:17:07ID:3mbEJeah
孤独と連帯性は決して両極端ではない。孤独を知らぬ作家の連帯責任など信用できぬ。
われわれは水晶の数珠のやうにつなぎ合はされてゐるが、一粒一粒でもそれは水晶なのだ。
しかし一粒の水晶と一連の数珠との間には中庸などといふものはありえない。
バラバラだからつなげることができ、つながつてゐるからこそバラバラになりうる。

三島由紀夫「フランスのテレビに初主演――文壇の若大将 三島由紀夫氏」より

549大人の名無しさん2010/06/28(月) 11:48:34ID:3mbEJeah
男性操縦術の最高の秘訣は、男のセンチメンタリズムをギュッとにぎることだといふことが、
どの恋愛読本にも書いてないのはふしぎなことです。

三島由紀夫「第一の性」より


愛とは、暇と心と莫大なエネルギーを要するものです。

三島由紀夫「第一の性」より

550大人の名無しさん2010/06/29(火) 10:41:11ID:8HYKrchR
ひとたび自分の本質がロマンティークだとわかると、どうしてもハイムケール(帰郷)する
わけですね。ハイムケールすると、十代にいっちゃうのです。十代にいっちゃうと、
いろんなものが、パンドラの箱みたいに、ワーッと出てくるんです。だから、ぼくは
もし誠実というものがあるとすれば、人にどんなに笑われようと、またどんなに悪口を
言われようと、このハイムケールする自己に忠実である以外にないんじゃないか、と
思うようになりました。ぼくのこの気持ちは、思想的立場の違う人、ゼネレーションの
違う人にはきっと理解できないんだと思います。

三島由紀夫
古林尚との対談「三島由紀夫 最後の言葉」より

551大人の名無しさん2010/06/29(火) 10:42:11ID:8HYKrchR
ぼくがウソだと思ったのは「きけわだつみのこえ」でした。あの遺稿集は、もちろん
ほんとに書かれた手記を編集したものでしょう。だが、あの時代の青年がいちばん
苦しんだのは、あの手記の内容が示しているようなものじゃなくて、ドイツ教養主義と
日本との融合だったんですよね。戦争末期の青年は、東洋と西洋といいますか、日本と
西洋の両者の思想的なギャップに身もだえして悩んだものですよ。そこを突っきって
行ったやつは、単細胞だから突っきったわけじゃない。やっぱり人間の決断だと思います。
それを、あの手記を読むと、決断したやつがバカで、迷っていたやつだけが立派だと
書いてある。そういう考えは、ぼくは許せない。

三島由紀夫
古林尚との対談「三島由紀夫 最後の言葉」より

552大人の名無しさん2010/06/29(火) 10:44:29ID:8HYKrchR
どろ臭い、暗い精神主義――ぼくは、それが好きでしようがない。うんとファナティックな、
蒙昧主義的な、そういうものがとても好きなんです。ぼくのディオニソスは、神風連に
つながり、西南の役につながり、萩の乱その他、あのへんの暗い蒙昧ともいうべき破滅衝動につながっているんです。

三島由紀夫
古林尚との対談「三島由紀夫 最後の言葉」より

553大人の名無しさん2010/06/29(火) 10:44:46ID:8HYKrchR
大げさな話ですが、日本語を知っている人間は、おれのジェネレーションでおしまいだろうと
思うんです。日本の古典のことばが体に入っている人間というのは、もうこれからは
出てこないでしょうね。未来にあるのは、まあ国際主義か、一種の抽象主義ですかね。
安部公房なんか、そっちへ行ってるわけですが、ぼくは行けないんです。それで世界中が、
すくなくとも資本主義国では全部が同じ問題をかかえ、言語こそ違え、まったく同じ精神、
同じ生活感情の中でやっていくことになるんでしょうね。そういう時代が来たって、
それはよいですよ。こっちは、もう最後の人間なんだから、どうしようもない。

三島由紀夫
古林尚との対談「三島由紀夫 最後の言葉」より

554大人の名無しさん2010/07/01(木) 11:30:07ID:+to0OAeM
貞女とは、多くのばあひ、世間の評判であり、その世間をカサに着た女の鎧であります。

三島由紀夫「反貞女大学」より


トルストイがどんなに天才だらうと、暇がなければ「戦争と平和」なんて読めたものではない。

三島由紀夫「反貞女大学」より

555大人の名無しさん2010/07/01(木) 11:30:33ID:+to0OAeM
女は抽象精神とは無縁の徒である。

三島由紀夫「女ぎらひの弁」より


余計者たるに悩むことは、人間たるに悩むことと同然である。

三島由紀夫「女ぎらひの弁」より

556大人の名無しさん2010/07/01(木) 11:31:15ID:+to0OAeM
守る側の人間は、どんなに強力な武器を用意してゐても、いつか倒される運命にあるのだ。

三島由紀夫「若さと体力の勝利――原田・ジョフレ戦」より


守勢に立つ側の辛さ、追はれる者の辛さからは、容易ならぬ狡智が生れる。

三島由紀夫「追ふ者追はれる者――ペレス・米倉戦観戦記」より


「老巧」などといふ言葉は、スポーツの世界では不吉な言葉で、それはいつかきつと
「若さ」に敗れる日が来るのである。

三島由紀夫「追ふ者追はれる者――ペレス・米倉戦観戦記」より

557大人の名無しさん2010/07/02(金) 15:33:35ID:PlZLQOoD
あらゆる芸術ジャンルは、近代後期、すなはち浪漫主義のあとでは、お互ひに気まづくなり、
別居し、離婚した。



純粋性とは、結局、宿命を自ら選ぶ決然たる意志のことだ、と定義してもよいやうに思はれる。

三島由紀夫「純粋とは」より

558大人の名無しさん2010/07/03(土) 14:46:05ID:P1fqe8aG
われわれのひそかな願望は、叶へられると却つて裏切られたやうに感じる傾きがある。



少女の驕慢な心は、概ね不測の脆さと隣り合はせに住んでをり、むしろ脆さの鎧である。

三島由紀夫「遠乗会」より

559大人の名無しさん2010/07/04(日) 10:47:31ID:b3gCnypc
足るを知る人間なんか誰一人ゐないのが社会で、それでこそ社会は生成発展するのである。



空虚な目標であれ、目標をめざして努力する過程にしか人間の幸福が存在しない。



男はどんな職業についても、根本に膂力(りよりよく)の自信を持つてゐなくてはならない。
なぜなら世間は知的エリートだけで動いてゐるのではなく、無知な人間に対して優越性を
証明するのは、肉体的な力と勇気だけだからだ。

三島由紀夫「小説家の息子」より

560大人の名無しさん2010/07/04(日) 10:51:35ID:b3gCnypc
若い世代は、代々、その特有な時代病を看板にして次々と登場して来たのであつた。



退屈がなければ、心の傷痍は存在しない。戦争は決して私たちに精神の傷を与へはしなかつた。



「芸術」とは人類がその具象化された精神活動に、それに用ひられた「手」を記念するために
与へた最も素朴な観念である。

三島由紀夫「重症者の兇器」より

561大人の名無しさん2010/07/04(日) 10:51:59ID:b3gCnypc
芸術とは私にとつて私の自我の他者である。私は人の噂をするやうに芸術の名を呼ぶ。
それといふのも、人が自分を語らうとして嘘の泥沼に踏込んでゆき、人の噂や悪口を
いふはづみに却つて赤裸々な自己を露呈することのあるあの精神の逆作用を逆用して、
自我を語らんがために他者としての芸術の名を呼びつづけるのだ。
これは、西洋中世のお伽噺で、魔法使を射殺するには彼自身の姿を狙つては甲斐なく、
彼より二三歩離れた林檎の樹を狙ふとき必ず彼の体に矢を射込むことができるといふ秘伝の
模倣でもあるのである。――端的に言へば、私はかう考へる。(きはめて素朴に考へたい。)
生活よりも高次なものとして考へられた文学のみが、生活の真の意味を明かにしてくれるのだ、と。

三島由紀夫「重症者の兇器」より

562大人の名無しさん2010/07/04(日) 10:55:32ID:b3gCnypc
世の中には完全に誤解されてゐながら、絶対に誤解されてゐないといふふうに世間に
思はれてゐる人もたくさんゐる。

三島由紀夫「作家と結婚」より

563大人の名無しさん2010/07/04(日) 10:55:55ID:b3gCnypc
人間は精神だけがあるのではなくて、肉体がなぜあるのかといふと、神様が人間はなかば
シャイネン(ふりをする)の存在だとしてゐるといふことを暗示してゐると思ふ。
ザイン(存在)だけのものになつたら、シャイネンがほんたうに要らない人間になる。
それならもう社会生活も放棄し、人間生活も放棄したはうがいい。どんなに誠実さうな
人間でも、シャイネンの世界に生きてゐる。だから僕が一番嫌ひなのは、芸術家らしく
見えるといふことだ。芸術家といふものは、本来シャイネンの世界の人間ぢやないのだから。
芸術家らしいシャイネンといふものは意味がない。それは贋物の芸術家にきまつてゐる。
芸術家らしいシャイネンといへば、頭髪を肩まで伸ばして、コール天の背広を着て歩いてゐる
といふのだらうが、そんなのは贋物の絵描きにきまつてゐる。

三島由紀夫「作家と結婚」より

564大人の名無しさん2010/07/05(月) 10:18:39ID:Ei/RfNdZ
少年の最初の時期は、異性愛的なものと同性愛的なものが、非常に混在してをります。



私にもごたぶんに漏れず赤紙が来ましたが、即日帰郷になつて帰つて以来、ぱつたり
忘れたやうに、もう二度と来ませんでした。
…それはいつまで待つても来ない恋文のやうなもので、しかしいつ訪れるかわからないのでした。
来るのをおそれながら、みな何となくその赤紙を待つような気持ちにもなつてゐました。

三島由紀夫「わが思春期」より

565大人の名無しさん2010/07/05(月) 10:18:58ID:Ei/RfNdZ
窓の外の雨にぬれた田園の景色をながめながら、何もかも見おさめだといふ気がしてゐました。
あんな不思議な感情は、今の若い人は知るまいと思ひます。もう負けるにきまつてゐる
この戦争は、おそらく日本国民の全滅をもつて終るだらうし、目の前にあるものは
惨たんたる破局だけ、要するに死だけでありました。ですから何を見るにも見おさめ
といふ気がしたし、ある楽しみを味はつても、それは最後の味だと思ふのでした。
ですから感覚は生き生きとし、つまらない事物にも、それを見ることに喜びを感じ、
ちやうど雨季に入りかけた木々の緑のしたたりも、実に新鮮に目に映るのでした。

三島由紀夫「わが思春期」より

566大人の名無しさん2010/07/05(月) 10:19:18ID:Ei/RfNdZ
新人の辛さは、「待たされる」辛さである。



青春の特権といへば、一言を以てすれば、無知の特権であらう。



どんな人間にもおのおののドラマがあり、人に言へぬ秘密があり、それぞれの特殊事情がある、
と大人は考へるが、青年は自分の特殊事情を世界における唯一例のやうに考へる。

三島由紀夫「私の遍歴時代」より

567大人の名無しさん2010/07/05(月) 10:19:36ID:Ei/RfNdZ
小説は書いたところで完結して、それきり自分の手を離れてしまふが、芝居は書き了へた
ところからはじまるのである。



芝居の仕事の悲劇は、この世でもつとも清純なけがれのない心が、一度芝居の理想へ
向けられると、必ずひどい目に会ふのがオチだといふことである。


芝居の世界は実に魅力があるけれど、一方、おそろしい毒素を持つてゐる。

三島由紀夫「私の遍歴時代」より

568大人の名無しさん2010/07/06(火) 11:37:31ID:6VmwnrUU
知的なものと感性的なもの、ニイチェの言つてゐるアポロン的なものとディオニソス的なものの
どちらを欠いても理想的な芸術ではない。

三島由紀夫「わが魅せられたるもの」より


金のためだつて! そんな美しい目的のためには文学なんて勿体ない。
私たちは原稿の代償として金を受取るとき、いつも不当な好遇と敬意とを居心地わるく
感じなければならないのです。蹴飛ばされる覚悟でゐたのがやさしく撫でられた狂犬のやうにして。

三島由紀夫「反時代的な芸術家」より

569大人の名無しさん2010/07/06(火) 11:38:51ID:6VmwnrUU
政治問題に関する言論を規制しようとする動きがあるときには、必ず、これを
カムフラージュするために、道徳的偽装がとられ、あはせてエロティシズムや風俗一般に
対する規制が行はれるのが通例である。

三島由紀夫「危険な芸術家」より

570大人の名無しさん2010/07/06(火) 11:39:30ID:6VmwnrUU
エレキは有害で、青少年に対して危険であり、ベートーヴェンは有益で、何ら危険がないのみか
人間性を高めるといふ考へは、近代的な文化主義の影響を受けた考へであつて、
ベートーヴェンのベの字もわからない俗物でも、かういふ議論は鵜呑みにするし、
現代の政府の文化政策もこの線を基本的に離れえないことは明白である。
しかし毒であり危険なのは音楽自体であつて、高尚なものほど毒も危険度も高いといふ考へは、
ほとんど理解されなくなつてゐる。政治と芸術の真の対立状況は実はそこにしかないのである。
してみると日本には、真の危険な芸術家は一人もゐないといふことになり、政府も
そんなに心配する必要はなし、万事めでたしめでたし。

三島由紀夫「危険な芸術家」より

571大人の名無しさん2010/07/06(火) 11:40:00ID:6VmwnrUU
現代はいかなる時代かといふのに、優雅は影も形もない。それから、血みどろな人間の
実相は、時たま起る酸鼻な事件を除いては、一般の目から隠されてゐる。病気や死は、
病院や葬儀屋の手で、手際よく片附けられる。宗教にいたつては、息もたえだえである。
……芸術のドラマは、三者の完全な欠如によつて、煙のやうに消えてしまふ。
…現代の問題は、芸術の成立の困難にはなくて、そのふしぎな容易さにあることは、
周知のとほりである。それは軽つぽい抒情やエロティシズムが優雅にとつて代はり、
人間の死と腐敗の実相は、赤い血のりをふんだんに使つたインチキの残酷さでごまかされ、
さらに宗教の代りに似非論理の未来信仰があり、といふ具合に、三者の代理の贋物が、
対立し激突するどころか、仲好く手をつなぐにいたる状況である。そこでは、この贋物の
三者のうち、少くとも二者の野合によつて、いとも容易に、表現らしきもの、芸術らしきもの、
文学らしきものが生み出される。かくてわれわれは、かくも多くのまがひものの氾濫に、
悩まされることになつたのである。

三島由紀夫「変質した優雅」より

572大人の名無しさん2010/07/06(火) 11:40:17ID:6VmwnrUU
能は、いつも劇の終つたところからはじまる。

三島由紀夫「変質した優雅」より


性と解放と牢獄との三つのパラドックスを総合するには芸術しかない。

三島由紀夫「恐ろしいほど明晰な伝記――澁澤龍彦著『サド侯爵の生涯』」より

573大人の名無しさん2010/07/06(火) 11:42:53ID:6VmwnrUU
青年の冒険を、人格的表徴とくつつけて考へる誤解ほど、ばかばかしいものはない。

三島由紀夫「堀江青年について」より


すべてのスポーツには、少量のアルコールのやうに、少量のセンチメンタリズムが含まれてゐる。

三島由紀夫「『別れもたのし』の祭典――閉会式」より

574大人の名無しさん2010/07/06(火) 11:43:13ID:6VmwnrUU
小説家における文体とは、世界解釈の意志であり、鍵なのである。


強大な知力は世界を再構成するが、感受性は強大になればなるほど、世界の混沌を
自分の裡に受容しなければならなくなる。



戦争がをはつたとき、氏は次のやうな意味の言葉を言はれた。
「私はこれからもう、日本の悲しみ、日本の美しさしか歌ふまい」――これは一管の
笛のなげきのやうに聴かれて、私の胸を搏つた。

三島由紀夫「永遠の旅人――川端康成氏の人と作品」より

575大人の名無しさん2010/07/07(水) 11:32:41ID:PvnXQ0se
作家といふものは、いつもその時代と、娼婦のやうに、一緒に寝るべきであるか? 
もちろん小説には、まぬがれがたい時世粧といふものは要る。しかし反動期における
作家の孤立と禁欲のはうが、もつと大きな小説をみのらせるのではないか? 
……それにしても、作家は一度は、時代とベッドを共にした経験をもたねばならず、
その記憶に鼓舞される必要があるやうだ。

三島由紀夫「小説家の休暇」より

576大人の名無しさん2010/07/07(水) 11:32:57ID:PvnXQ0se
絶望から人はむやみに死ぬものではない。



典型的な青年は、青春の犠牲になる。十分に生きることは、生の犠牲になることなのだ。
生の犠牲にならぬためには、十分に生きず、フランス人のやうに吝嗇を学ばなければならぬ。
貯蓄せねばならぬ。卑怯な人間にならなければならぬ。

三島由紀夫「小説家の休暇」より

577大人の名無しさん2010/07/07(水) 11:33:24ID:PvnXQ0se
芸術は認識の冷たさと行為の熱さの中間に位し、この二つのものの媒介者であらうが、
芸術は中間者、媒介者であればこそ、自分の坐つてゐる場所がひろびろと、居心地の
よいことをのぞまず、むしろつねに夢みてゐるのは、認識と行為とがせめぎ合ひ、
(那須の)与市のそれのやうに、ぎりぎりの決着のところで結ばれて、芸術を押しつぶして
しまふことなのである。そして芸術がいつもかかるものから真の養分を得て、よみがへつて
来たといふ事実以上に、奇怪な不気味なことがあらうか?

三島由紀夫「小説家の休暇」より

578大人の名無しさん2010/07/08(木) 12:17:32ID:RaWA452M
誰も死に打ち克つことができないとすれば、勝利の栄光とは、純現世的な栄光の極致にすぎない。



姿勢を崩さなければ見えない真実がこの世にはあることを、私とて知らぬではない。

三島由紀夫「太陽と鉄」より

579大人の名無しさん2010/07/08(木) 12:24:25ID:RaWA452M
あひかはらず忙しく往来してゐる社会の海の中に、ここだけは孤島のやうに屹立して感じられる。
自分が憂へる国は、この家のまはりに大きく雑然とひろがつてゐる。自分はそのために
身を捧げるのである。しかし自分が身を滅ぼしてまで諫めようとするその巨大な国は、
果してこの死に一顧を与へてくれるかどうかわからない。それでいいのである。
ここは華々しくない戦場、誰にも勲しを示すことのできぬ戦場であり、魂の最前線だつた。

三島由紀夫「憂国」より

580大人の名無しさん2010/07/10(土) 00:08:31ID:DCvXdFbm
命を賭けて守れぬやうな思想は思想と呼ぶに値しない。



知識人の任務は、そのデラシネ性を払拭して、日本にとつてもつとも本質的な「大義」が何かを
問ひつめてゐればよいのである。
…権力も反権力も見失つてゐる、日本にとつてもつとも大切なものを凝視してゐれば
よいのである。暗夜に一点の蝋燭の火を見詰めてゐればよいのである。断固として
動かないものを内に秘めて、動揺する日本の、中軸に端座してゐればよいのである。
私はこの端座の姿勢が、日本の近代知識人にもつとも欠けてゐたものであると思ふ。

三島由紀夫「新知識人論」より

581大人の名無しさん2010/07/13(火) 01:22:45ID:H3AsXmUx
国家総動員体制の確立には、極左のみならず極右も斬らねばならぬといふのは、
政治的鉄則であるやうに思はれる。そして一時的に中道政治を装つて、国民を安心させて、
一気にベルト・コンベアーに載せてしまふのである。



ヒットラーは政治的天才であつたが、英雄ではなかつた。英雄といふものに必要な、
爽やかさ、晴れやかさが、彼には徹底的に欠けてゐた。
ヒットラーは、二十世紀そのもののやうに暗い。

三島由紀夫「『わが友ヒットラー』覚書」より

582大人の名無しさん2010/07/14(水) 12:06:34ID:EwP4jkYL
あつちには病人がをり、こつちにはもう数週間で結婚する二人がゐる。人生つてさうしたもんさ。
さうして朝は、誰にとつても朝なんだ。



他人のことを考へることが、私たちのことを考へることでもある。


幸福つて、素直に、ありがたく、腕いつぱいにもらつていいものなのね。

三島由紀夫「永すぎた春」より

583大人の名無しさん2010/07/14(水) 23:37:11ID:EwP4jkYL
チベットの反乱に対して、中共は断固鎮圧に当たるさうである。(中略)
中共もエラクなつて、正義の剣をチベットに対してふるはうといふのだらうが、チベットに
潜行して反乱軍に参加しようといふ風雲児もあらはれないところをみるとどうも日本人は
弱い者に味方しようといふ気概を失つてしまつたやうだ。世界中で一番自分が弱い者だと
思つてゐる弱虫根性が、敗戦後日本人の心中深くひそんでしまつたらしい。

三島由紀夫「憂楽帳 反乱」より

584大人の名無しさん2010/07/14(水) 23:54:10ID:EwP4jkYL
いくら成人式をやつたつて、二十代はまだ人生や人間に対して盲らなのさ。大人が
しつかりした判断で決めてやつたはうが、結局当人の倖せになるんだ。むかしは、お婿さんの
顔も知らずに嫁入りした娘が一杯ゐるのに、それで結構愛し合つて幸福にやつて行けたもんだ。



たしかなことは、不幸が不幸を見分け、欠如が欠如を嗅ぎ分けるといふことである。
いや、いつもそのやうにして、人間同士は出会ふのだ。

三島由紀夫「音楽」より

585大人の名無しさん2010/07/14(水) 23:55:07ID:EwP4jkYL
女の肉体はいろんな点で大都会に似てゐる。とりわけ夜の、灯火燦然とした大都会に似てゐる。
私はアメリカへ行つて羽田へ夜かへつてくるたびに、この不細工な東京といふ大都会も、
夜の天空から眺めれば、ものうげに横たはる女体に他ならないことを知つた。体全体に
きらめく汗の滴を宿した……。
目の前に横たはる麗子の姿が、私にはどうしてもそんな風に見える。そこにはあらゆる美徳、
あらゆる悪徳が蔵されてゐる。そして一人一人の男はそれについて部分的に探りを入れる
ことはできるだらう。しかしつひにその全貌と、その真の秘密を知ることはできないのだ。

三島由紀夫「音楽」より

586大人の名無しさん2010/07/15(木) 00:03:13ID:EwP4jkYL
精神分析を待つまでもなく、人間のつく嘘のうちで、「一度も嘘をついたことがない」
といふのは、おそらく最大の嘘である。



ひとたび実存主義的見地に立てば、「正常な」人間の実存も、異常な人間の実存も、
「愛の全体性への到達」の欲求においては等価であるから、フロイトのやうに、一方に
正常の基準を置き、一方に要治療の退行現象を置くやうな、アコギな真似はできない筈である。
つまりそれはあまりにも、科学的実証主義のものわかりのわるさを捨てすぎたのである。

三島由紀夫「音楽」より

587大人の名無しさん2010/07/15(木) 00:03:32ID:Kf5WwYxr
社会構造の最下部には、あたかも個人個人の心の無意識の部分のやうに、おもてむきの
社会では決して口に出されることのない欲望が大つぴらに表明され、法律や社会規範に
とらはれない人間のもつとも奔放な夢が、あらはな顔をさし出してゐる。



神聖さとは、ヒステリー患者にとつては、多く、復讐の観念を隠してゐる。

三島由紀夫「音楽」より

588大人の名無しさん2010/07/16(金) 11:57:29ID:YqRKlp+r
清らかのまわりには濁流がうずまいている。われわれが清らかなものをもとうとすると、
清らかなものだけもっていたら、どんどん押流されてしまう。エロティックというのは
清らかなものの中にもあるんだ。

三島由紀夫
小汀利得との対談「天に代わりて」より

589大人の名無しさん2010/07/16(金) 11:58:55ID:YqRKlp+r
いままでは兵器は使えるからこそ強かったんです。ところが使えない兵器をつい
つくっちゃったんですね。広島で使ってあんな惨禍を起こして使えなくしてしまった。
使えない兵器というのは、あるいは力というのは恫喝にしか用をなさない。恫喝ないしは
心理的恐怖、ひとつのシンボリックな意味だけが強まってきた。
そうなると、片一方の方は使えぬ兵器に対するものとして人民戦争理論みたいに、ずっと
下の方からしみこんでくるやつが出てくるのは当然ですね。それをみて被害者意識というのが
だんだん勝つ力になってくる。

三島由紀夫
小汀利得との対談「天に代わりて」より

590大人の名無しさん2010/07/16(金) 12:02:01ID:YqRKlp+r
つまり「やられた」ということが、何より強い立場とする人間ができてくる。そうすると、
やられないやつまでも、やられたような顔をする方がトクだというようになるわけです。
つまり女が男にだまされたといって訴えるようなものです。とにかくトクなのは、
なぐることじゃなくて、なぐられることだと。そして痛くなくとも、「あっ、イタタタ!」と
いうほうがいつも強い立場をつくれる。
それで全学連がヘルメットの下に赤チンを綿にしみこませていて、なぐられると赤チンが
ダラダラと垂れるようになっているという話もききますが、それも被害者ぶる者の強さの
一例ですね。被害者という立場に立てば、強いということがわかっちゃっている。

三島由紀夫
小汀利得との対談「天に代わりて」より

591大人の名無しさん2010/07/16(金) 12:04:45ID:YqRKlp+r
弱いわれわれの生活を守るのにはどうすればいいのか、すべて「弱いわれわれ」が前提に
なっている。これは世論のいちばん大きな要素で、われわれが世論に迎合するためには、
自分が強者、あるいは加害者であったらたいへんなことになっちゃう。自衛隊があんなに
悪口をいわれるのはもう、自衛隊が力だということがはっきりしているからですね。



それは現体制にも責任があるんで、誰も個人が責任をとらなければ、罪を人になすりつける
ほかない。そうすると金嬉老のような殺人犯の罪さえ、誰かに、あいまいモコたるものに
なすりつけることはできるんですね。
これは人間が、本当に自分個人の責任をとらなくなった時代のあらわれですね。

三島由紀夫
小汀利得との対談「天に代わりて」より

592大人の名無しさん2010/07/17(土) 09:54:38ID:Y794uFLi
人間は結局、前以て自分を選ぶものだ。



逆説はその場のがれこそなれ、本当の言ひのがれにはなりえない。逆説家は逆説で自分を
追ひつめ、どどのつまりは自分自身から言ひのがれの権利をのこらず剥奪してしまふのである。
逆説家がしばしばいちばん誠実な人間であるのはこのためだ。逆説家がいちばん神に
触れやすいのもこの地点だ。神は人間の最後の言ひのがれであり、逆説とは、もしかすると
神への捷径(しようけい)だ。

*「捷径」の意味…近道

三島由紀夫「オスカア・ワイルド論」より

593大人の名無しさん2010/07/17(土) 09:54:57ID:Y794uFLi
天才(ジエニー)。才能(タラン)。誰がそれを分割することができやう。



才能とは決して不完全な天才のことではない。才能と天才は別の元素だ。それにもかかはらず、
われわれはワイルドの作品のいたるところに不完全な天才を見出だすのである。



ワイルドの哄笑は、言葉の本来の意味での悪魔的な笑ひである。悪魔の発明は神の衛生学だ。
ワイルドの悪魔主義は衛生的なものだ。この笑ひは衛生的なものだ。

三島由紀夫「オスカア・ワイルド論」より

594大人の名無しさん2010/07/17(土) 09:55:22ID:Y794uFLi
苦痛は一種のドラマである。人がその欲しないものへ赴くためには、丁度子供が
歯医者へゆく御褒美に菓子をせびるやうに、虚栄心をせびらずにはゐられない。



社会はある男を葬り去らうとまで激昂する瞬間に、もつともその男を愛してゐるもので、
これは嫉妬ぶかい女と社会とがよく似てゐる点である。軽業師は観客の興味を要求することに
飽き、つひには恐怖を要求することに苦心を重ねて、死とすれすれな場所に身を挺する。
彼が死ぬ。それはもはや椿事だ。綱渡り師の墜死は、芸当から単なる事件への、
おそろしい失墜である。イギリス社会にはとりわけイギリス特産の、醜聞といふ「死」の
一つの様式があつたので、綱渡り師がこの危険に誘惑を感じない筈はないのであつた。


三島由紀夫「オスカア・ワイルド論」より

595大人の名無しさん2010/07/17(土) 09:55:42ID:Y794uFLi
生活とは決して独創的でありえない何ものかだ。ホフマンスタールの忠告にもかかはらず、
しかし運命のみが独創的でありうる。キリストが独創的だつたのは、彼の生活のためではなく、
磔刑といふ運命のためだ。もうひとつ立入つた言ひ方をすると、生活に独創的な外見を
与へるのは運命といふものの排列の独創性にすぎない。



虚栄心を軽蔑してはならない。世の中には壮烈きはまる虚栄心もあるのである。
ワイルドの虚栄心は、受難劇の民衆が、血が流れるまで胸を叩きつづけるあの受苦の
虚栄に似てゐたやうに思はれる。何故さうするか。それがその男にとつての、ももかく
最高度と考へられる表現だからである。ワイルドが彼の詩に、彼の戯曲に、彼の小説に
選択する言葉は、かうした最高度の虚栄であつた。

三島由紀夫「オスカア・ワイルド論」より

596大人の名無しさん2010/07/17(土) 09:56:04ID:Y794uFLi
音楽は詐術ではない。しかし俳優は最高の詐術であり、アーティフィシャルなものの最上である。
それは人間の言葉である台詞が無上の信頼の友を見出だす分野である。



ワイルドはその逆説によつて近代をとびこえて中世の悲哀に達した。イロニカルな作家は
バネをもつてゐる人形のやうに、あの世紀末の近代から跳躍することができた。
彼は十九世紀と二十世紀の二つの扇をつなぐ要の年に世を去つた。彼は今も異邦人だ。
だから今も新しい。ただワイルドの悪ふざけは一向気にならないのに、彼の生まじめは、
もう律儀でなくなつた世界からうるさがられる。誰ももう生まじめなワイルドは相手にすまい。
あんなに自分にこだはりすぎた男の生涯を見物する暇がもう世界にはない。

三島由紀夫「オスカア・ワイルド論」より

597大人の名無しさん2010/07/18(日) 23:56:11ID:wvnggOjR
いつかあなたは言はれましたね。自分自身を嵐と感じることができるかどうか、つて。
それは何故自分が嵐なのかを知ることです。なぜ自分がかくも憤り、なぜかくも暗く、
なぜかくも雨風を内に含んで猛り、なぜかくも偉大であるかを知ることです。それだけでは
十分ではない。なぜかくも自分が破壊を事とし、朽ちた巨木を倒すと共に小麦畑を豊饒にし、
ユダヤ人どものネオンサインにやつれ果てた若者の顔を、稲妻の閃光で神のやうに蘇らせ、
すべてのドイツ人に悲劇の感情をしたたかに味はせやうとするのかを。……それが私の
運命なのです。

三島由紀夫「わが友ヒットラー」より

598大人の名無しさん2010/07/20(火) 11:02:58ID:gSqrrO1+
不安はむしろ勝利者の所有(もの)だ。連戦連勝の拳闘選手の頭からは、敗北といふ一個の
新鮮な観念が片時も離れない。彼は敗北を生活してゐるのである。羅馬(ローマ)の格闘士は、
こんな風にして、死を生活したことであらう。



恋愛とは、勿論、仏蘭西(フランス)の詩人が言つたやうに一つの拷問である。どちらが
より多く相手を苦しめることができるか試してみませう、とメリメエがその女友達へ
出した手紙のなかで書いてゐる。

三島由紀夫「純白の夜」より

599大人の名無しさん2010/07/23(金) 00:15:05ID:a3RFTOQP
母親に母の日を忘れさすこと、これ親孝行の最たるものといへやうか。

三島由紀夫「きのふけふ」より

600大人の名無しさん2010/07/23(金) 12:11:45ID:a3RFTOQP
青年の苦悩は、隠されるときもつとも美しい。



精神的な崇高と、蛮勇を含んだ壮烈さといふこの二種のものの結合は、前者に傾けば
若々しさを失ひ、後者に傾けば気品を失ふむつかしい画材であり、現実の青年は、
目にもとまらぬ一瞬の行動のうちに、その理想的な結合を成就することがある。

三島由紀夫「青年像」より

601大人の名無しさん2010/07/23(金) 12:12:05ID:a3RFTOQP
絶望を語ることはたやすい。しかし希望を語ることは危険である。わけてもその希望が
一つ一つ裏切られてゆくやうな状況裡に、たえず希望を語ることは、後世に対して、
自尊心と羞恥心を賭けることだと云つてもよい。



決して後悔しないといふことは、何はともあれ、男性に通有の論理的特質に照らして、
男性的な美徳である。

三島由紀夫「『道義的革命』の論理――磯部一等主計の遺稿について」より

602大人の名無しさん2010/07/23(金) 12:12:25ID:a3RFTOQP
事実(ファクト)が一歩一歩われらを死へ追ひつめるとき、人間の弱さと強さの弁別は混乱する。
弱さとはそのファクトから目をそむけ、ファクトを認めまいとすることなのか? 
もしさうだとすれば、強さとはファクトを容認した諦念に他ならぬことになり、単なる
ファクトを宿命にまで持ち上げてしまふことになる。私には、事態が最悪の状況に
立ち至つたとき、人間に残されたものは想像力による抵抗だけであり、それこそは
「最後の楽天主義」の英雄的根拠だと思はれる。そのとき単なる希望も一つの行為になり、
つひには実在となる。なぜなら、悔恨を勘定に入れる余地のない希望とは、人間精神の
最後の自由の証左だからだ。

三島由紀夫「『道義的革命』の論理――磯部一等主計の遺稿について」より

603大人の名無しさん2010/07/24(土) 00:23:44ID:YFy8DPo1
高位の貴婦人であらうと、女である以上、愛されるといふことを抜きにしたいかなる権力も徒である。



女には、世を捨てると云つたところで、自分のもつてゐるものを捨てることなど出来はしない。
男だけが、自分の現にもつてゐるものを捨てることができるのである。

三島由紀夫「志賀寺上人の恋」より


健康で油ぎつた皮膚の人間には、みんな蠅のやうなところがある。蠅は腐敗を好むほど健康なのだ。

三島由紀夫「水音」より

604大人の名無しさん2010/07/24(土) 00:34:49ID:YFy8DPo1
無くなるはずのないものがなくなること、――あの神かくしとよばれてゐる神の
ふしぎな遊戯によつて、そんな品物は多分、それを必要としてゐるある死人のところへ
届けられるのにちがひない。



星をみてゐるとき、人の心のなかではにはかに香り高い夜風がわき立つだらう。しづかに
森や湖や街のうへを移つてゆく夜の雲がただよひだすだらう。そのとき星ははじめて、
すべてのものへ露のやうにしとどに降りてくるだらう。あのみえない神の縄につながれた
絵図のあひだから、ひとつひとつの星座が、こよなく雅やかにつぎつぎと崩れだすだらう。
星はその日から人々のあらゆる胸に住まふだらう。かつて人々が神のやうにうつくしく
やさしかつた日が、そんな風にしてふたゝび還つてくるかもしれない。

三島由紀夫「苧菟と瑪耶」より

605大人の名無しさん2010/07/28(水) 10:20:15ID:hUTAqJti
私は、自分の帰つてゆくところは古今集しかないやうな気がしてゐる。その「みやび」の裡に、
文学固有のもつとも無力なものを要素とした力があり、私が言葉を信じるとは、ふたたび
古今集を信じることであり、「力をも入れずして天地(あまつち)を動かし」、以て
詩的な神風の到来を信じることなのであらう。



文化の爛熟とは、文化がこれに所属する個々人の感情に滲透し、感情を規制するにいたること
なのだ。そして、このやうな規制を成立たせる力は、優雅の見地に立つた仮借ない批評である。

三島由紀夫「古今集と新古今集」より

606大人の名無しさん2010/07/28(水) 10:20:30ID:hUTAqJti
古今集は何といつても極端だ。論理的にも一貫してをり、古今集の「みやび」が何を
意味してゐるか、私にもわかるやうな気がする。すなはち、この世のもつとも非力で優雅で
美しいものの力、といふ点にすべてが集中してをり、その非力が精巧に体系化されてゐる点に、
「みやび」の本質を見ることができるからである。
…そのやうな究極の無力の力といふものを護るためならば、そのやうな脆い絶対の美を
護るためならば、もののふが命を捨てる行動も当然であり、そこに私も命を賭けることが
できるやうな気がする。現代における私の不平不満は、どこにもそのやうな「究極の脆い
優雅」が存立しないといふことに尽きる。

三島由紀夫「古今集と新古今集」より

607大人の名無しさん2010/07/29(木) 23:51:06ID:XezmAFM0
世間といふものは、女と似てゐて案外母性的なところを持つてゐるのである。それは
自分にむけられる外々(よそよそ)しい謙遜よりも、自分を傷つけない程度に中和された
無邪気な腕白のはうを好むものである。



強欲な人間は、よくこんな愛くるしい笑ひ方をするものである。強欲といふものは
童心の一種だからであらうか。



よく眠る人間には不眠をこぼす人間はいつでも多少芝居がかつた滑稽なものに映る。

三島由紀夫「訃音」より

608大人の名無しさん2010/07/29(木) 23:52:08ID:XezmAFM0
潔癖な人間には却つて何事もピンセットで扱ふことに習熟したやうな或る鷹揚さ、
緩慢さが備はるものだ。



罪といふものの謙遜な性質を人は容易に恕(ゆる)すが、秘密といふものの尊大な性質を
人は恕さない。

三島由紀夫「果実」より

609大人の名無しさん2010/07/31(土) 00:11:43ID:fcKWxDdY
一部の大人が考へてゐるやうに、戦後の青年が一人残らず十代で童貞を失つてゐるなどといふ
莫迦げた憶測は、事実から遠いものだ。どんな時代だつて、青春の生きにくさは、
外部よりも内部にあるのだ。今日のやうに、青春を妨げる外部の障害の多い時代には、
内部の障害を気にしないでゐられるので、童貞を失はないまじめな青年の数は却つて
多いといふ逆の理窟だつて成立つ筈だ。



大体甘い物語には甘い考へがつきものなのは已むをえない。狂気といふものがもしこんなに
甘い物語を生むものなら、正気の僕たちは、正気では考へられない甘い空想を、それに
はなむけすべきではなからうか? それとも君は、僕の話が嘘つぱちだと云ふのぢやあるまいね。

三島由紀夫「雛の宿」より

610大人の名無しさん2010/07/31(土) 23:06:32ID:fcKWxDdY
事実らしさを超えて事実がありうるのはふしぎなことだ。子供が一人海で溺れれば、
誰しも在りうることと思ひ、事実らしいと思ふであらう。しかし三人となると滑稽だ。
しかし又、一万人となれば話は変つてくる。すべて過度なものには滑稽さがあるが、
と謂つて大天災や戦争は滑稽ではない。一人の死は厳粛であり、百万人の死は厳粛である。
一寸した過度、これが曲者なのである。

三島由紀夫「真夏の死」より

611大人の名無しさん2010/08/02(月) 20:30:04ID:a4YVDZ0M
技術がもし完全に機械化される時代が来れば、人間の情熱は根絶やしにされ、精力は
無用のものになるだらうから、科学技術の進歩にそそがれる情熱や精力は、かかる
自己否定的な側面をも持つてゐる。しかし幸ひにして、事態はまだそこまでは来てゐない。
ダム建設はこのやうな意味で、一種の象徴的な事業だと思はれた。われわれが山や川の、
自然のなほ未開拓な効用をうけとる。今日では幸ひに、われわれ自身の人間的能力である
情熱や精力の発揮の代償としてうけとるのだ。そして自然の効用が発掘しつくされ、
地球が滓まで利用されて荒廃の極に達するまでは、人間の情熱や精力は根絶やしには
されまいといふ確信が昇にはあつた。

三島由紀夫「沈める滝」より

612大人の名無しさん2010/08/02(月) 20:34:43ID:a4YVDZ0M
どんな分野にも、陰惨なほど真摯な権威者といふものが居り、金魚のことなら世界的権威で
あつたり、楔形(せつけい)文字についてはその人にきかなければならないと云ふやうな
人がゐる。普遍的であるべき科学的技術の世界にもさういふ人がゐて、神秘な力で、
ほかの人たちの上に、卓越してゐるのを見るのはふしぎなことである。
こんな種類の人間を押し進めてゆく情熱には、何か最初に、最低の線でしか社会と
つながるまいとする決意があつて、結果的には心ならずも、最高の線で社会とつながつて
しまふやうになるものだ。


時として精神の解放には、巨人的なもの、威圧的なもの、精神をほとんど押しつぶすやうな
ものが必要である。

三島由紀夫「沈める滝」より

613大人の名無しさん2010/08/03(火) 11:06:50ID:fnaawoqx
孫正義がtwitter上で逃げ続けているのがこの質問

@masason http://bit.ly/cI9ihY 孫さん、この記事についてコメントください。#masason #softbank #ryomaden (あくまで参考http://bit.ly/bDD6NK


46 :非通知さん 2010/08/02(月) 14:18:32 ID:wKakCpxW0
トロンが組み込みのOSしか無いと思っている奴は恥ずかしすぎんだろ
当時、MSが米政府を動かすほどの驚異を感じた物
で、MSで商売していた禿も妨害工作に奔走
こんな奴に国益とか語る資格はない

614大人の名無しさん2010/08/04(水) 11:22:33ID:R5n9SEPE
往時より、月を見て暮らした人、透視術に淫した人は、疲労困憊して狂気か死への途を
辿るといはれる。さやうな疲れは人間の能力を超えたものへの懲罰であり、同時に
深く人性の底に根ざした疲れである。


死すべき時は選びえずともどうして死所を選びえぬことがあらう。

三島由紀夫「中世」より


女を知らない体がどうして不幸なものですか。わたしの体を知つた男はみんな不幸になる
ばかりだわ。わたしお兄様をお可哀想になんて言へないことよ。

三島由紀夫「家族合せ」より

615大人の名無しさん2010/08/05(木) 10:48:34ID:W+BHOBEQ
想像力といふものは、多くは不満から生まれるものである。あるひは、退屈から
生まれるものである。われわれが危急に際して行動に熱中し、生きることにすべての力を
注いでゐるときには、想像力の余地をほとんど持つことがない。もし、想像力がノイローゼの
原因になるとすれば、空襲にさらされた戦争中の日本は、最もノイローゼの出にくい
状況であつた。


人生といふものは、死に身をすり寄せないと、そのほんたうの力も人間の生の粘り強さも、
示すことができないといふ仕組になつてゐる。ちやうど、ダイヤモンドのかたさをためすには、
合成された硬いルビーかサファイアとすり合さなければ、ダイヤモンドであることが
証明されないやうに、生のかたさをためすには、死のかたさにぶつからなければ証明されないのかもしれない。

三島由紀夫「若きサムラヒのための精神講話」より

616大人の名無しさん2010/08/05(木) 10:51:06ID:W+BHOBEQ
泰平無事が続くと、われわれはすぐ戦乱の思ひ出を忘れてしまひ、非常の事態のときに
男がどうあるべきかといふことを忘れてしまふ。金嬉老事件は小さな地方的な事件であるが、
日本もいつかあのやうな事件の非常に拡大された形で、われわれ全部が金嬉老の人質と
同じ身の上になるかもしれないのである。


危機を考へたくないといふことは、非常に女性的な思考である。なぜならば、女は愛し、
結婚し、子供を生み、子供を育てるために平和な巣が必要だからである。平和でありたい
といふ願いは、女の中では生活の必要なのであつて、その生活の必要のためには、何ものも
犠牲にされてよいのだ。
しかし、それは男の思考ではない。危機に備へるのが男であつて、女の平和を脅かす危機が
来るときに必要なのは男の力である。

三島由紀夫「若きサムラヒのための精神講話」より

617大人の名無しさん2010/08/05(木) 10:55:51ID:W+BHOBEQ
人間は、場合によつては、楽をすることのはうが苦しい場合がある。貧乏性に生まれた人間は、
一たび努力の義務をはづされると、とたんにキツネがおちたキツネつきのやうに、身の扱ひに
困つてしまふ。


人間の能力の百パーセントを出してゐるときに、むしろ、人間はいきいきとしてゐるといふ、
不思議な性格を持つてゐる。


社会全体のテンポが、早く走れる人間におそく走ることを要求し、おそく走る人間に早く
走ることを要求してゐるのである。
これが現代日本の社会のひづみの、おそらく根本原因である。

三島由紀夫「若きサムラヒのための精神講話」より

618大人の名無しさん2010/08/06(金) 00:26:57ID:z1aYF58R
人生が、自分のよい意図、正しい意図、美しい意図だけでは、どうにもならないといふことを
学んで、それに絶望して、だめになつてしまふ人は、人間としても伸びて行けない人だと
いはなければならない。それからまた、それですべてをあきらめてしまつて、自堕落に
一生を送らうといふ人、これはまた、人間としてゼロだといはなければならない。
ですから、けつきよく、人間が成長する途上で初恋の幻滅に会つても、それに打ちひしがれないで、
なほ積極的な態度で人生に向つていくといふ力強さ、さういふものが、試金石としての
初恋の値打だらうと思ひます。


恋愛は、相手の当人を特別な存在に見せ、たとへ、人から見て値打のないものでも、
自分にとつて世界中でかへがたいものに見せる心の働きです。

三島由紀夫「新恋愛講座」より

619大人の名無しさん2010/08/06(金) 00:34:04ID:z1aYF58R
恋愛は完全に健康なもの、そして円満な人格、欠点のない人がら、さういふことものを
見きはめて愛するものではありません。結局、欠点を愛することになるのが恋愛の一般の
法則であり、その欠点ないし弱味は、ともすると人の同情をそそる形で現はれます。


相手の同情をよぶことが何かの効き目を持つのは根本法則ですが、相手に自分の与へてゐる
魅力がまづなければならない。魅力のないところに同情を持ちかけても、何もなりません。

三島由紀夫「新恋愛講座」より

620大人の名無しさん2010/08/06(金) 00:34:30ID:z1aYF58R
性的な幻滅とか、性的な荒廃とか不良化とか堕落とかいふものは、実は、性そのものに
関する無知ではなくて、私には人間そのものに関する無知と、よく現代の社会の構造を
見きはめないといふ無知からくるもののやうに思はれる。
なぜ現代社会であんなに早く人間が動物的に成熟しながらも、結婚がだんだんおくれていく
傾向にあるか、これは現代社会の矛盾ですがしやうがない矛盾なのです。つまり性的結合は、
経済的独立が伴はなければ社会の公然たるものとして認められない。これが現代社会の
一つの鉄則と言つていいものです。もし経済的独立が伴はないで性的結合が行はれれば、
必ずそこにいろいろな不調和が生じる。そして無理に無理が重なつて、堕落と、おそらく
犯罪が待ちかまへてゐることになります。

三島由紀夫「新恋愛講座」より

621大人の名無しさん2010/08/06(金) 00:36:18ID:z1aYF58R
男の秘訣は、女に対しては、からだの交渉を持つまでは、決して女の欲望を認めてはいけない
といふことです。あたかも、相手には欲望がないやうに、ふるまはなければなりません。
それは、女性の羞恥心を、悪く刺激することになるからです。少なくとも、処女は自分の
欲望を認められることを、大へんきらふものです。


世間には浮気を浮気としてやれる人と、本気でなくてはやれない人とがあります。そして
それは、必ずしも前者が不まじめな人間で、後者がまじめな人間だとは限りません。後者の中には、三人でも四人でも同時に愛するといふ
離れわざのできる人間もあるからです。

三島由紀夫「新恋愛講座」より

622大人の名無しさん2010/08/06(金) 23:03:19ID:z1aYF58R
孤独な人間はお互ひの孤独を、犬のやうにすぐ嗅ぎわけるのだ。
…さういふ人間に限つて、自分の巣をきらびやかに飾る習性があるのはふしぎなことだ。


羽仁男の考へは、すべてを無意味からはじめて、その上で、意味づけの自由に生きるといふ
考へだつた。そのためには、決して決して、意味ある行動からはじめてはならなかつた。
まづ意味ある行動からはじめて、挫折したり、絶望したりして、無意味に直面するといふ人間は、
ただのセンチメンタリストだつた。命の惜しい奴らだつた。
戸棚をあければ、そこにすでに、堆い汚れ物と一緒に、無意味が鎮座してゐることが
明らかなとき、人はどうして、無意味を探究したり、無意味を生活したりする必要があるだらう。

三島由紀夫「命売ります」より

623大人の名無しさん2010/08/06(金) 23:03:46ID:z1aYF58R
何の組織にも属さないで、しかも命を惜しまない男もゐるといふことを知らなくちやいかん。
それはごく少数だらう。少数でも必ずゐるんだ。


命を売るのは君の勝手だよ。別に刑法で禁じてはゐないからね。犯人になるのは、
命を買つて悪用しようとした人間のはうだ。命を売る奴は、犯人ぢやない。ただの人間の屑だ。
それだけだよ。

三島由紀夫「命売ります」より

624大人の名無しさん2010/08/08(日) 10:04:15ID:1cv0Dbpt
経済学の学説なんぞといふものは、どつちみち如意棒のやうなもので、エイッと声をかけて、
耳へ入るだけの小ささに変へてしまへばやすやすと握りつぶせるのである。そもそも唯物論は、
『金で買へないものは何もない、どんな形の幸福も金で買へる』といふ資本主義的偏見の
私生児なのである。


感動すまいとする分析家は、感動以上の誤りを犯す場合がままある。

三島由紀夫「青の時代」より

625大人の名無しさん2010/08/08(日) 10:04:32ID:1cv0Dbpt
人間的な遣り方といふものは、人に馬鹿にされまいといふ馬鹿げた用心から、完全に
免かれた一部分を生活のなかにもつことだ。


しばしば人を愛してゐることに気がつくのが遅れるやうに、われわれは憎悪の確認についても、
ともするとなほざりな態度をとる。さういふときわれわれは自分の感情の怠惰を憎らしく
思ふのである。

三島由紀夫「青の時代」より

626大人の名無しさん2010/08/08(日) 10:04:50ID:1cv0Dbpt
報ひとは何だらう。そんなものがあつてよいだらうか。報ひといふ考へ方は、いま悪果を
うけてゐる者が、むかしの悪因の花々しさに思ひを通はす、殊勝らしい身振にすぎぬではないか。


値踏みといへば、五千円といふまちがへやうもない名前をつけてやる行為です。世間一般でよぶ
鷲の剥製といふ名の代りに、値踏みをする人は五千円といふ特別誂への名でよびかけます。
すると鷲の剥製は、魔法の名で呼ばれたつかはしめの鳥のやうに歩き出して彼に近づいて
くるのです。
…人形に魂を吹き入れて『立て!』といふとき、魔女たちはこれに似た感情を味はひは
しないでせうか。人は値踏みによつてのみ対象に生命を賦与(あた)へることができるのです。
これ以上打算のない行為があるでせうか。

三島由紀夫「宝石売買」より

627大人の名無しさん2010/08/10(火) 00:03:54ID:AJsDYcC6
世の中にいつも裸な真実ばかり求めて生きてゐる人間は、概して鈍感な人間である。


親しいからと云つて、言つてはならない言葉といふものがあるものだが、お節介な人間は、
善意の仮面の下に、かういふタブーを平気で犯す。


人をきらふことが多ければ多いだけ、人からもきらはれてゐると考へてよい。

三島由紀夫「私のきらひな人」より

628大人の名無しさん2010/08/12(木) 00:17:23ID:mbBhrxth
夢とちがつて、現実は何といふ可塑性を欠いた素材であらう。おぼろげに漂ふ感覚ではなくて、
一顆の黒い丸薬のやうな、小気味よく凝縮され、ただちに効力を発揮する、さういふ思考を
わがものにしなくてはならないのだ。


何故時代は下つて今のやうになつたのでせう。何故力と若さと野心と素朴が衰へ、
このやうな情ない世になつたのでせう。


様式のなかに住んでゐる人間には、その様式が決して目に見えないんだ。だから俺たちも
何かの様式に包み込まれてゐるにちがひないんだよ。金魚が金魚鉢の中に住んでゐることを
自分でも知らないやうに。

三島由紀夫「春の雪」より

629大人の名無しさん2010/08/12(木) 00:18:15ID:mbBhrxth
繁邦は思つてゐた。人間の情熱は、一旦その法則に従つて動きだしたら、誰もそれを
止めることはできない、と。それは人間の理性と良心を自明の前提としてゐる近代法では、
決して受け入れられぬ理論だつた。


雨のまま明るくなつた空は、雲が一部分だけ切れて、なほふりつづく雨を、つかのまの
孤雨に変へてゐた。窓硝子の雨滴を一せいにかがやかす光りが、幻のやうにさした。
本多は自分の理性がいつもそのやうな光りであることを望んだが、熱い闇にいつも
惹かれがちな心性をも、捨てることはできなかつた。しかしその熱い闇はただ魅惑だつた。
他の何ものでもない、魅惑だつた。清顕も魅惑だつた。そしてこの生を奥底のはうから
ゆるがす魅惑は、実は必ず、生ではなく、運命につながつてゐた。

三島由紀夫「春の雪」より

630大人の名無しさん2010/08/12(木) 23:49:13ID:mbBhrxth
存在よりもさきに精髄が、現実よりもさきに夢幻が、現前よりもさきに予兆が、はつきりと、
より強い本質を匂はせて、漂つてゐるやうな状態、それこそは女だつた。


一寸やはらげれば別物になつてしまひます。その『一寸』が問題なんです。純粋性には、
一寸ゆるめるといふことはありえません。ほんの一寸やはらげれば、それは全然別の思想になり、
もはや私たちの思想ではなくなるのです。


三島由紀夫「奔馬」より

631大人の名無しさん2010/08/14(土) 23:43:25ID:be2kq8lj
一切の錯覚を知らぬ心は、大義に近づくことができない、といふのが人間の宿命である。


現代は、死を正当化する価値の普遍化が周到に避けられ、そのやうな価値が注意深く
ばらばらに分散させられてゐる時代である。


私は円谷二尉の死に、自作の「林房雄論」のなかの、次のやうな一句を捧げたいと思ふ。
「純潔を誇示する者の徹底的な否定、外界と内心のすべての敵に対するほとんど
自己破壊的な否定、……云ひうべくんば、青空と雲とによる地上の否定」
そして今では、地上の人間が何をほざかうが、円谷選手は、「青空と雲」だけに属して
ゐるのである。

三島由紀夫「円谷二尉の自刃」より

632大人の名無しさん2010/08/18(水) 00:08:47ID:tVQHkFeg
男の目の中に欲望を見出す時ほど、女がおのれの幸福に酔ふ時はない。


ナルシスは、その並々ならぬ誇りのために、却つて不出来な鏡を愛する場合がある。
不出来な鏡は少なくとも嫉妬を免れしめる。

人間をいちばん残酷にするのは、愛されてゐるといふ意識だよ。


現代では、われわれの教養の中から、かつてあれほど精細を極めてゐた悪徳に関する教養が、
根こそぎ葬り去られてしまつた。悪徳の形而上学は死んでしまひ、その滑稽さだけが残つて
笑ひものにされてゐる。(中略)
崇高なものが現代では無力で、滑稽なものにだけ野蛮な力がある。
三島由紀夫「禁色」より

633大人の名無しさん2010/08/18(水) 00:09:06ID:tVQHkFeg
精妙な悪は、粗雑な善よりも、美しいから道徳的なのです。古代の道徳は単純で力強かつたから、
崇高さはいつも精妙の側にあり、滑稽さはいつも粗雑の側にあつた。ところが現代では、
道徳が美学と離れた。道徳は卑賎な市民的原理によつて、凡庸と最大公約数の味方をします。
美は誇張の様式になり、古めかしくなり、崇高であるか、滑稽であるか、どちらかです。
この二つは、現代では、同じものをしか意味しません。
無道徳な似非近代主義と似非人間主義が、人間的欠陥を崇拝するといふ邪教を流布した。
近代の芸術は、ドン・キホーテ以来、滑稽崇拝のはうへ傾いてゐます。


本当は、人間が人間である以上、世間でふつうさうしてゐるやうに、人間以外のもの、
神だとか、物質だとか、科学的真理だとかを援用したがるはうが、もつとずつと人間的では
ありますまいか。

三島由紀夫「禁色」より

634大人の名無しさん2010/08/18(水) 00:09:22ID:tVQHkFeg
青春の死の耐へがたさに比べれば、肉体の死が何程のことがあらうか。多くの青春が
さうであるやうに、(何故かといふと青春を生きることはたえざる烈しい死であるから)
かれらの青春もいつも新たな破滅を夢みてゐた。死に臨んで美しい若者は莞爾たる筈であつた。


思想ははじめから、肉体の何らかの誇張の様式なのだ。大きな鼻を持つた男は、大きな鼻
といふ思想の持ち主であり、ぴくぴく動く耳を持つた男は、従つてまた、どう転んでみても、
畢竟するに、ぴくぴく動く耳といふ独創的な思想の持ち主である。

生活を侮蔑することによつて生活を固執すること、この奇妙な信条は、芸術行為を無限に
非実践的なものにしてしまふ。芸術によつて解決可能な事柄は存在しない。

三島由紀夫「禁色」より

635大人の名無しさん2010/08/18(水) 00:11:00ID:tVQHkFeg
俊輔の孤独は、それがそのまま深い制作の行為になつた。彼は夢想の悠一を築いた。
生に煩はされず、生に蝕まれない鉄壁の青春。あらゆる時の侵蝕に耐へる青春。


青春の一つの滴のしたたり、それがただちに結晶して、不死の水晶にならねばならぬ。


青春が無意識に生きることの莫大な浪費。収穫(とりいれ)を思はぬその一時期。生の破壊力と
生の創造力とが無意識のうちに釣合ふ至上の均衡。かかる均衡は造型されなければならぬ。

三島由紀夫「禁色」より

636大人の名無しさん2010/08/18(水) 23:26:18ID:tVQHkFeg
真の東洋的なもの、東洋的神秘主義の最後の一線を、近代的立憲国家の形体に於て
留保したものが日本の天皇制である。天皇制は過去の凡ゆる東洋文化の枠であり、
帝王学と人生哲学の最後の結論である。これが失はれるとき東洋文化の現代文化へのかけはし、
その最後の理解の橋も失はれるのである。

三島由紀夫「偶感」より


日本人は何度でも自国の古典に帰り、自分の源泉について知らねばならない。その泉から
何ものかを汲まねばならない。この「源泉の感情」が涸れ果てるときこそ、一国一民族の
文化がつひに死滅するときであらう。

三島由紀夫「文化の危機の時代に時宜を得た全集(『日本古典文学全集』推薦文)」より

637大人の名無しさん2010/08/20(金) 09:51:33ID:xMSPgXy2
人間つて誰でも、自分の持つてゐるものは大切にしないのぢやないかしら。
…誰でも、手に入れたものは大したものだと思はなくなる傾きがあるのぢやないかしら。


あなたは女がたつた一人でコーヒーを呑む時の味を知つてゐて?
今に知るやうになるわ。お茶でもない、紅茶でもない、イギリス人はあまり呑まないけれど、
やはりそれはコーヒーでなくてはいけないの。それはね、自分を助けてくれる人は
もう誰もゐない、何とか一人で生きて行かなければ、といふ味なのよ。
黒い、甘い、味はひ、何だかムウーッとする、それでゐて香ばしい味、しつこい、
諦めの悪い味。……

三島由紀夫「夜会服」より

638大人の名無しさん2010/08/20(金) 09:52:00ID:xMSPgXy2
さびしさ、といふのはね、絢子さん、今日急にここへ顔を出すといふものではないのよ。
ずうーつと、前から用意されてゐる、きつと潜伏期の大そう長い、癌みたいな病気なんだわ。
そして一旦それが顔を出したら、もう手術ぐらゐでは片附かないの。
私、何で自分がさびしいのか、その理由を探さなくては気がちがひさうだつた。あなた方の
結婚が、はつきりその理由を与へてくれたやうに思ひ込んでしまつた。でも、私つてバカなのね。
さびしさの本当の深い根は自分の中にしかないことに気がつかなかつたの。
鳥のゐない鳥籠は、さびしいでせう。でも、それを鳥籠のせゐにするのはばかげてゐるわね。
鳥籠をゴミ箱へ捨ててもムダといふものね。鳥がゐないことには変りがないんですから。

三島由紀夫「夜会服」より

639大人の名無しさん2010/08/20(金) 23:47:14ID:xMSPgXy2
男性の色情が、いつも何らかの節片淫乱症(フェティシズム)にとらはれてゐるとすれば、
色情はつねに部分にかかはり、女体の「全体」の美を逸する。つまり、いかなる意味でも
「全体」を表現してゐるものは、色情を浄化して、その所有慾を放棄させ、公共的な美に
近づけるのである。


動物的であるとはまじめであることだ。笑ひを知らないことだ。一つのきはめて人工的な
環境に置かれて、女たちははじめて、自分たちの肉体が、ある不動のポーズを強ひられれば
強ひられるほど、生まじめな動物の美を開顕することを知らされる。それから突然、
彼女たちの肉体に、ある優雅が備はりはじめる。

三島由紀夫「篠山紀信論」より

640大人の名無しさん2010/08/23(月) 23:29:17ID:grFH2wX1
世間とは何だらう。もつとも強大な敵であると共に、いや、それなればこそ、最終的には、
どうしても味方につけなければならないもの。さういふものと相渉るには、政治学だけでは
十分ではない。何か「世間」に負けない、つひには「世間」がこちらを嫉視せずには
ゐられないやうな、内的な価値と力が要る。魅惑(シヤルム)こそ世間に対する最後の
武器である。(中略)
美しい病気を(いくら美しくても、病気である限り、もともと人に忌み避けられるものを)
世間全般に伝播伝染させ、つひには健康な人間の自信をも喪失させ、病気になりたいと
願はせるまでもつてゆくこと。すなはち、自分一個の病気を時代病にまでしてしまふこと。


人は、虚偽を以てまごころを購ふことには十中八九失敗するが、まごころを以て虚偽を
購ふことには時あつて成功する。

三島由紀夫「序(丸山明宏著『紫の履歴書』)」より

641大人の名無しさん2010/08/24(火) 23:03:08ID:7ILruC/S
家庭にはひりこんでくるテレビの威力の前に、子どもたちを守らうとしても、もうむだです。
よい言葉やよいしつけについては、おとなでさへ忘れてしまつてゐる時代です。何がよいことで、
何がわるいことか、子どもたちはわかりやすい簡単な基準を与へてほしがつてゐるのですが、
それを与へることのできない親たちは、子どもたちをしかる資格さへ失つてゐるのです。


ある形に結晶し完成された生活や道徳は、その安定した美しさで、別の美しさを誘ひ出します。
一つの美しさは別の美しさと照応し、一つの美しさによつて別の美しさが誘ひ出される。
これが美の法則でもあり、道徳の法則でもあります。美しさは「誘ひ出される」のです。
…遠い歴史と風土の中に咲く花であつても、小さく咲いた完全なえにしだは、日本の可憐な
夕顔の親せきになり、われわれの心に、忘れてゐた夕顔の美しさを誘ひ出すのです。

三島由紀夫「序(セギュール夫人作 松原文子・平岡瑤子訳『ちっちゃな淑女たち』)」より

642大人の名無しさん2010/08/29(日) 22:58:16ID:ACemvK4B
われわれが孤独だといふ前提は何の意味もない。生れるときも一人であり、死ぬときも
一人だといふ前提は、宗教が利用するのを常とする原始的な恐怖しか惹き起さない。
ところがわれわれの生は本質的に孤独の前提をもたないのである。誕生と死の間に
はさまれる生は、かかる存在論的な孤独とは別箇のものである。

三島由紀夫「『異邦人』――カミュ作」より


君の考へが僕の考へに似てゐるから握手しようといふほど愚劣なことはない。それは
野合といふものである。われわれの考へは偶発的に、あるひは偶然の合致によつて
似、一致するのではなく、また、体系の諸部分の類似性によつて似るのではない。
われわれの考へは似るべくして似る。それは何ら連帯ではなく、共同の主義及至は理想でもない。

三島由紀夫「新古典派」より

643大人の名無しさん2010/09/03(金) 11:55:42ID:UXFC64jx
新聞の持つてゐる社会的正義感といふものには、ときどき反撥を感じることがある。
だれでもみづから美徳の代表者を買つて出れば、サンザンな目に会ふのが当節で、新聞だけが、
何の傷も負はずに社会的正義の代表者たりうるはずがないからである。また、いろいろと
虚偽の多い時代に、新聞が、子供も読むものだといふので、ともすると家庭ダンラン趣味、
事なかれの小市民趣味に美的倫理的基準を置くのも困る。みにくいものは、みにくいままに
報道してほしい。
戦争中の大本営発表以来、新聞は一たん信用をなくしたが、こんどあんなことがあるときは、
新聞はこんどこそ、最後までグヮンばつて抵抗するだらうといふことを我々は期待してゐる。
この期待を裏切らないでほしい。
某紙の新聞批判に「新聞を愛すればこそ批判するのだ」と言訳がついてゐたが、
いやしくも批評をするのに、こんな言訳を要するやうな空気がもしあるならば、それを
払拭されんことをのぞむ。

三島由紀夫「ありのままの報道を――私の新聞評」より

644大人の名無しさん2010/09/04(土) 10:36:43ID:xg2sDz42
一夫一婦制度のごときは、道徳の性別を無視した神話的こじつけである。女性はそれを固執する。
人間的立場から固執するのだ。女にかういふ拠点を与へたことが、男性の道徳を崩壊させ、
男はローマ人の廉潔を失つて、ウソをつくことをおぼえたのである。男はそのウソつきを
女から教はつた。キリスト教道徳は根本的に偽善を包んでゐる。それは道徳的目標を、
ありもしない普遍的人間性といふこと、神の前における人間の平等に置いてゐるからである。
これな反して、古代の異教世界においては、人間たれ、といふことは、男たれ、といふ
ことであつた。男は男性的美徳の発揚について道徳的責任があつた。なぜなら世界構造を
理解し、その構築に手を貸し、その支配を意志するのは男性の機能だからだ。男性から
かういふ誇りを失はせた結果が、道徳専門家たる地位を男性をして自ら捨てしめ、
道徳に対してつべこべ女の口を出させ、つひには今日の道徳的瓦解を招いたものと
私は考へる。一方からいふと、男は女の進出のおかげで、道徳的責任を免れたのである。

三島由紀夫「女ぎらひの弁」より

645大人の名無しさん2010/09/04(土) 10:37:06ID:xg2sDz42
(「危険な関係」の)ヴァルモンは、女性崇拝のあらゆる言辞を最高の誠実さを以てつらね、
女の心をとろかす甘言を総動員して、さて女が一度身を任せると、敝履(へいり)の如く
捨ててかへりみない。
…女に対する最大の侮蔑は、男性の欲望の本質の中にそなはつてゐる。女ぎらひの侮蔑などに
目くじら立てる女は、そのへんがおぼこなのである。


人間の文化はこの悲しみ(omne animal post coitum triste《なべての動物は性交のあとに
悲し》)、この無力感と死の予感、この感情の剰余物から生れたのである。したがつて
芸術に限らず、文化そのものがもともと贅沢な存在である。芸術家の余計者意識の根源は
そこにあるので、余計者たるに悩むことは、人間たるに悩むことと同然である。

三島由紀夫「女ぎらひの弁」より

646大人の名無しさん2010/09/04(土) 10:37:25ID:xg2sDz42
男は取り残される。快楽のあとに、姙娠の予感もなく、育児の希望もなく、取り残される。
この孤独が生産的な文化の母胎であつた。したがつて女性は、芸術ひろく文化の原体験を
味はふことができぬのである。


私は芸術家志望の女性に会ふと、女優か女声歌手になるのなら格別、女に天才といふものが
理論的にありえないといふことに、どうして気がつかないかと首をひねらざるをえない。

三島由紀夫「女ぎらひの弁」より

647大人の名無しさん2010/09/06(月) 11:14:36ID:YlZA99uf
道徳的感覚といふものは、一国民が永年にわたつて作り出す自然の芸術品のやうなものであらう。
しつかりした共通の生活様式が背後にあつて、その奥に信仰があつて、一人一人がほぼ
共通の判断で、あれを善い、これを悪い、あれは正しい、これは正しくない、といふ。
それが感覚にまでしみ入つて、不正なものは直ちに不快感を与へるから「美しい」行為と
いはれるものは、直ちに善行を意味するのである。もしそれが古代ギリシャのやうな
至純の段階に達すると、美と倫理は一致し、芸術と道徳的感覚は一つものになるであらう。


日本も敗戦によつて古い神をうしなつた。どんなに逆コースがはなはだしくならうと、
覆水は盆にかへらず、たとへ神が復活しても、神が支配してゐた生活の様式感はもどつて来ない。
もつと大きな根本的な怖ろしい現象は、モラルの感覚が現にうしなはれてゐる、といふ
そのことではないのである。

三島由紀夫「モラルの感覚」より

648大人の名無しさん2010/09/06(月) 11:14:55ID:YlZA99uf
いはゆるマス・コミュニケーションによつて、今世紀は様式の化学的合成の方法を知つた。
かういふ方法で政治が生活に介入して来ることは、政治が芸術の発生方法を模倣してきた
ことを意味する。我々は今日、自分のモラルの感覚を云々することはたやすいが、
どこまでが自分の感覚で、どこまでが他人から与へられた感覚か、明言することは
だれにもできず、しかも後者のはうが共通の様式らしきものを持つてゐるから、後者に
従ひがちになるのである。
政治的統一以前における政治的統一の幻影を与へることが、今日ほど重んぜられたことはない。


芸術家の孤独の意味が、かういふ時代ではその個人主義の劇をこえて重要なものになつて
来てをり、もしモラルの感覚といふものが要請されるならば、劣悪な芸術の形をした政治に
抗して、芸術家が己れの感覚の誠実をうしなはないことが大切になるのである。

三島由紀夫「モラルの感覚」より

649大人の名無しさん2010/09/08(水) 00:06:29ID:JUwSDEWn
大分前に、「きけ、わだつみの声」であつたか、その種の反戦映画を見て、いはん方ない
反感を感じたおぼえがある。たしかその映画では、フランス文学研究をたよりに、
反戦傾向を示す学生や教師が、戦場へ狩り出され、戦死した彼らのかたはらには、
ボオドレエルだかヴェルレエヌだかの詩集の頁が、風にちぎれてゐるといふシーンがあつた。
甚だしくバカバカしい印象が私に残つてゐる。ボオドレエルが墓の下で泣くであらう。
日本人がボオドレエルのために死ぬことはないので、どうせ兵隊が戦死するなら、
祖国のために死んだはうが論理的であり、人間は結局個人として死ぬ以上、おのれの死を
ジャスティファイする権利をもつてゐる。


絶対的に受身の抵抗のうちに、戦死しても犬のやうに殺されたといふ実感を自ら抱いて、
死んでゆける人間は、稀に見る聖人にちがひない。

三島由紀夫「『青春監獄』の序」より

650大人の名無しさん2010/09/08(水) 00:07:55ID:JUwSDEWn
立派な芸術は積木に似た構造を持ち、積木を積みあげていくやうなバランスをもつて
組立てられてゐるけれども、それを作るときの作者の気持は、最後のひとつの木片を
積み重ねるとたんにその積木細工は壊れてしまふ、さういふところまで組立てていかなければ
満足しない。積木が完全なバランスを保つところで積木をやめるやうな作者は、私は
芸術家ぢやないと思はれる。


最後の一片を加へることによつてみすみす積木が崩れることがわかつてゐながら、最後の
木片をつけ加へる。そして積木はガラガラと崩れてしまふのであるが、さういふふうな
積木細工が芸術の建築術だと私は思ふ。

三島由紀夫「わが魅せられたるも」より

651大人の名無しさん2010/09/22(水) 19:20:31ID:ouVQgRpz
日劇のストリップ・ショウの特別席は、大てい外人の観光客で占められてゐるが、鬼をも
とりひしぐ顔つきの老婆と居並んで、ぽかんと口をあけてストリップを見てゐる老紳士ほど、
哀れな感じのするものはない。ああいふのを見ると、私はいつも、西洋人の夫婦を
支配してゐる或る「性の苛烈さ」を感じてしまふのである。尤も御当人の身にしてみれば、
鬼のごとき老妻に首根つこをつかまへられながらストリップを見るといふ、一種の
醍醐味があるのかもしれない。

三島由紀夫「西洋人の夫婦」より

652大人の名無しさん2010/09/23(木) 10:28:05ID:Ki+vwecG
「BL作品の氾濫は少子化の原因。児童ポルノとは別枠で小説も含めた厳しい規制が必要」
「ゲーム脳」の提唱者・森昭雄日大教授の新著「ボーイズラブ亡国論」(産経新聞社刊)
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/news2/1221494175/

653大人の名無しさん2010/09/26(日) 13:20:18ID:/r+ypUt4
現代の人間が、自分の良心の力だけで自己の魂にベルトを締めることができるかどうか。
人間は、目で見えるもの、なにか形のあるものに直面することによつて魂をゆすぶられるんです。
だからカトリックの荘厳な儀式、祭服、音楽、彫刻といつたものは大切です。ヒンズーも
同様だが、生きてゐる宗教とはそんなものなんですよ。


日本文化の源流を求めりやみんな天竺へ行つてしまひますね。それは、もう、みんな
あすこにあります。

三島由紀夫「インドの印象」より

654大人の名無しさん2010/09/26(日) 13:20:36ID:/r+ypUt4
Q:つぎに東南アジアについてちよつと聞きます。インドも中共との交戦の経験を持つ国ですが、
東南アジアと日本との最大の相違点は、中共の脅威を感じてゐるのと感じてゐない点にあると思ひますが。

三島由紀夫:中共と国境を接してゐるといふ感じは、とても日本ではわからない。
もし日本と中共とのあひだに国境があつて向かう側に大砲が並んでたら、いまのんびりしてゐる連中でも
すこしはきりつとするでせう。まあ海でへだてられてゐますからね。
もつともいまぢや、海なんてものはたいして役に立たないんだけれど。ただ「見ぬもの清し」でせうな。

三島由紀夫「インドの印象」より

655大人の名無しさん2010/09/27(月) 16:57:34ID:4ky82t5q
諸君は、去年の10・21からあと、諸君は去年の10・21から後だ、もはや憲法を守る軍隊になって
しまったんだよ。自衛隊が二十年間血と涙で待った憲法改正というものの機会はないんだ。もうそれは政治的
プログラムから外されたんだ。ついに外されたんだ、それは。どうしてそれに気がついてくれなかったんだ。
去年の10・21から一年間、おれは自衛隊が怒るのを待った。もうこれで憲法改正のチャンスはない。
自衛隊が国軍になる日はない。健軍の本義はない。それを私は最も嘆いていたんだ。
自衛隊にとって健軍の本義とはなんだ。日本を守ること。日本を守るとは何だ。
日本を守るとは、天皇を中心とする歴史と文化の伝統を守ることである。
おまえら聞け。聞け。静かにせい。静かにせい。話を聞け。男一匹が命をかけて諸君に訴えているんだぞ。いいか。

三島由紀夫
自衛隊市ヶ谷駐屯地での演説より

656大人の名無しさん2010/09/27(月) 16:59:27ID:4ky82t5q
それがだ、今、日本人がだ、ここでもって立ち上がらなければ、自衛隊が立ち上がらなきゃ、憲法改正ってものは
ないんだよ。諸君は永久にだね、ただアメリカの軍隊になってしまうんだぞ。諸君と日本……アメリカからしか
来ないんだ。シビリアン・コントロールといって……シビリアン・コントロール……んだ。
シビリアン・コントロールというのはだな、新憲法の下でこらえるのがシビリアン・コントロールじゃないぞ。
そこでだ、おれは四年待ったんだよ。おれは四年待ったんだ。自衛隊が立ち上がる日を。……四年待ったんだ、
……最後の三十分に……待ってるんだよ。

三島由紀夫
自衛隊市ヶ谷駐屯地での演説より

657大人の名無しさん2010/09/27(月) 17:01:49ID:4ky82t5q
諸君は武士だろう。武士ならば自分を否定する憲法をどうして守るんだ。どうして自分を否定する憲法のために、
自分らを否定する憲法にペコペコするんだ。これがある限り、諸君たちは永久に救われんのだぞ。
諸君は永久にだね。今の憲法は、政治的謀略で、諸君が合憲だかのごとく装っているが、自衛隊は違憲なんだよ。
自衛隊は違憲なんだ。きさまたちも違憲だ。憲法というものは、ついに自衛隊というものは、憲法を守る軍隊に
なったのだということにどうして気がつかんのだ。どうしてそこに気がつかんのだ。どうしてそこに皆
気がつかんのだ。おれは諸君がそれを断つ日を待ちに待っていたんだ。……でもただ小さい根性ばっかりに
惑わされて……、ほんとうに日本のために立ち上がるときはないんだ。
…憲法のために、日本を骨なしにした憲法に従うことしか知らないのか。
諸君の中に一人でもおれと一緒に立つやつはいないのか。

三島由紀夫
自衛隊市ヶ谷駐屯地での演説より

658大人の名無しさん2010/09/28(火) 20:58:05ID:WLpxcQ0e
今日只今の平和な日常生活の中にも、間接侵略の下拵(したごしら)へは着々と進められてゐる


不退転の決意とは何か?すなはち、国民自らが一朝あれば剣を執つて、国の歴史と伝統を
守る決意であり、自ら国を守らんとする気魄(きはく)であります。

三島由紀夫「祖国防衛隊はなぜ必要か?」より


私は戦争を誘発する大きな原因の一つは、アンディフェンデッド・ウェルス(無防備の富)だと
考へる者である。

三島由紀夫「わが『自主防衛』」より

659大人の名無しさん2010/10/04(月) 15:14:52ID:+cfhh+au
三島以上にデカダンな男もいないだろと思うけどな。
そして三島以上のインテリも。

660大人の名無しさん2010/10/05(火) 06:48:39ID:RHp7pCGN
>>1
これ、ツイッターにおさまる文量か?

661大人の名無しさん2010/10/07(木) 22:47:20ID:gOcOR797
われらの外部を規制する凡ゆる社会的政治的経済的条件がたとへ最高最善理想的なものに
達したとしても、絶対的なる「美」からみればあくまでも相対的なものであり、相対的なものが
絶対的なものを規制しようとする時、それは必ず悪い効果を生じます。いかによき政治が
美を擁護するにしろ、必ずその政治の中の他の因子が美を傷つけることは、当然のことで
仕方ないことです。したがってあらゆる時代に於て美を守る意識は反時代性をもち、
極派からはいつでも反動的と思はれます。すなはち、彼らのいはゆる反動的なるがゆゑに
貴族主義的です。

平岡公威(三島由紀夫)
昭和21年2月10日、神崎陽への書簡より

662大人の名無しさん2010/10/07(木) 22:48:33ID:gOcOR797
中庸を守るとは洞ヶ峠のことではありません。いはゆる微温的態度のことではありません。
元気のない聖人気取ではありません。「中庸」の思想こそ真に青年の血を湧かせる思想なのです。
それは荊棘の道です。苦難と迫害の道です。


右顧左顧して世間の機嫌をうかゞひもつとも「穏当な」道を選ぶといふ思想こそ、孔子が
中庸といふ言葉であらはしたものと全く反対の思想です。中庸といふこと、守るといふこと、
これこそ真の長い苦しい勇気の要る道です。このやうな時代に、美を守ることの勇気、
過去の日本精神の枠、東洋文化の本質を保守するに要する勇気、これこそ真の男らしい
勇気といはねばなりません。

平岡公威(三島由紀夫)
昭和21年2月10日、神崎陽への書簡より

663大人の名無しさん2010/10/17(日) 10:47:42ID:rWUdlSiM
 憂国忌のお知らせ
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没後四十年
 「憂国忌」
 とき    11月25日 午後五時(四時開場)
 ところ   九段下 「九段会館」大ホール
 式次第   鎮魂祭(祭主 松本徹。乃木神社宮司による)
第二部シンポジウム「日本はどこまで堕落するのか」
       井尻千男、遠藤浩一、桶谷秀昭、西尾幹二
 会場分担金 おひとり千円(記念冊子を差し上げます)

664大人の名無しさん2010/10/24(日) 19:38:44ID:1JY+zh2e
経広:海が僕を惹き寄せる。何故だか知れない。絶望と栄光とが、押し寄せる海風のなかに
いつぱいに孕まれてゐる。かうして海から来る風に顔をさらしてゐると、絶望と栄光の砂金が
いつぱい詰つた袋で頬桁を張られてゐるやうな気がする。なぜ、又、いつから海が僕を
非難するやうになつたのか。
君にも話したね。中等科のころまでは、僕は新聞の貨物船の広告を見て夢を描くのが
大好きだつた。寄港地の名前はみな宛字の漢字で書いてあつた。新嘉坡(シンガポール)、
波斯湾(ペルシャわん)、亜歴山(アレクサンドリア)、……僕はそのへんな漢字の
どれもが読めるのが得意だつた。貨物船と近東風の月夜と、ペルシャ湾の毛足の長い
絨毯のやうな重い夕凪とが、海への僕の憧れのすべてだつた。それほどやさしい海が、
いつから僕の頬桁を張り、僕を非難するやうになつたのか。

三島由紀夫「朱雀家の滅亡」より

665大人の名無しさん2010/10/24(日) 19:38:58ID:1JY+zh2e
経広:わかつてゐる。海が死と絶望と栄光の金の食器を、敷きつめた青い波のテーブル・
クロースの上に満載して、僕の着席を待つて向うから、用意を整へ、しづしづと近づいて
来てからといふものだ。その食卓には今潮の中から引き揚げられたばかりの珊瑚が山と
積まれ、熱帯の積乱雲が飾り立てられてゐる。御紋章つきの金のコンポートには、
色さまざまな熱帯の果物が盛り上げられてゐる。そして僕がその一つを口に入れれば、
それは死なのだ。これほど飢ゑてゐながら、僕が食卓に就かないのを海は非難してゐる。
僕の飢ゑの烈しさを誰よりもよく知つてゐるのは、海だ、おそらく君よりも。
璃津子:女はみんな知つてゐるわ、どんな女でも、男の方のさういふ飢ゑを鎮めることは
できないのを。

三島由紀夫「朱雀家の滅亡」より

666大人の名無しさん2010/10/24(日) 19:39:12ID:1JY+zh2e
悲しみのあまりだつて? 人はさう言ふ。悲しみは慰められても、悲しみよりもつと遠くへ
行つた人間に、人の慰めなんぞが追ひつくものか。


生きてゐる間は若様でした。私は自分の卑しさのすべてをかけて、あの子を若様と呼びました。
……今はちがひます。あの子は死ぬと同時に、青い空の高みからまつしぐらに落ちてきて、
ここへ、ここへ、この血みどろの胎の中へ、もう一度戻つて来たのですわ。もう一度私の
賎しい温かい血と肉に包まれて、苦しい名誉や光栄に煩はされることのない、安らかな
眠りをたのしみに戻つて来たのですわ。今こそ私はもう一度、ここにあの子のすべてを
感じます。あの子の眼差、あの子の微笑、あの子のしつかりした手足をこの中に。

三島由紀夫「朱雀家の滅亡」より

667大人の名無しさん2010/10/24(日) 19:39:26ID:1JY+zh2e
経隆:経広はおそらく知つてゐたらう、自分の小さな死は無益(むやく)であり、たとへ
その死を何万と積み重ねても狂瀾を既倒に回(めぐ)らす由もないことを。しかし又
知つてゐたらう、このやうな御代に生き御代に死んで、すでに閉じられようとしてゐる
大きな金色の環へ鋳込まれて、永遠に歴史の中を輝やかしく廻転してゆくその環の一つの
粒子になることを。身を以て空にかけた悲しみの虹の、一つの微粒子になることを。
……どんな苦しい戦況であらうと、経広は男として満ち足りて死んだ筈だ。
おれい:まるでその場に居合はせたかのやうに。あの子の肌が割けた痛みの万分の一も
御存知でないあなたが。
経隆:苦しみをこえる矜りといふものがあるのだ。たとへば木は大地につながつてゐる。
それは苦しみだ。痛みだ。しかし梢にかかる白い雲は青空に属してゐる。私たちはその
美しい横雲と樹木とを、いつも一つの絵のなかに見るではないか。

三島由紀夫「朱雀家の滅亡」より

668大人の名無しさん2010/10/24(日) 19:41:48ID:1JY+zh2e
……しかし私が気が狂つてゐたとすると、それはどんな狂気だつたのだらう。果して
私自身の狂気だつたらうか。それともはるかかなたから、思召しによつて享けた狂気だつたか。
たとへ私が狂気だつたにせよ、あの狂気の中心には、光りかがやくあらたかなものがあつた。
狂気の核には水晶のやうな透明な誠があつた。


翼を切られても、鳥であることが私の狂気だつたから、その狂気によつてかるがると私は
飛んだ。……今はどうだ。お前は私が正気になつたといふかもしれない。私にはわからない。
自分が今なほ狂気か正気かといふことが、自分にはわからう筈がない。只一つわかることは、
その正気の中心には誠はなく、みごとに翼は具へてゐても、その正気は決して飛ばない
といふことだ。あたかも醜い駝鳥のやうに。私は知らず、少なくともお前たちみんなは
駝鳥になつたのだよ。

三島由紀夫「朱雀家の滅亡」より

669大人の名無しさん2010/10/24(日) 19:42:20ID:1JY+zh2e
なぜといへ、それを最後に、日本は敗れ、滅びたからだ。古いもの、優雅なもの、
潔らかなもの、雄々しいものは、悉く滅びたからだ。かつて気高く威光さかんであつた
一帝国は滅びたからだ。もつとも艶やかな経糸(たていと)と、もつとも勇ましい
緯糸(よこいと)とで織られてゐた、このたぐひまれな一枚の美しい織物は、血と火の
苦しみのうちに、涜され、踏みにじられ、つひには灰になつた。歴史の上で誰も二度と
ふたたび、同じ見事な織物を織り成すことはできまい。


すべては去つた。偉大な輝やかしい力も、誉れも、矜りも、人をして人たらしめる大義も
失はれた。この国のもつとも善いものは、焼けた樹々のやうに、黒く枯れ朽ちて、
死んでしまつた。

三島由紀夫「朱雀家の滅亡」より

670大人の名無しさん2010/10/24(日) 19:42:34ID:1JY+zh2e
雪がふつて来たな。
この浄らかな冷たさ、雪はすべてを和める力だが、それといふのも、すべての身を一様に
慄(ふる)へさすからだ。雪は女神に似てゐる。冷たく、美しく、矜り高く、残酷な
女神に似てゐる。その女神の冷たい嫉妬のおかげで、夏のかがやかしい日々は消されてしまつた。


璃津子:滅びなさい。滅びなさい! 今すぐこの場で滅びておしまひなさい。
経隆:(ゆつくり顔をあげ、璃津子を注視する。……間。)
どうして私が滅びることができる。夙うのむかしに滅んでゐる私が。

三島由紀夫「朱雀家の滅亡」より

671大人の名無しさん2010/12/10(金) 23:59:22ID:bd6qa+oP
猫は何を見ても猫的見地から見るでせうし、床屋さんは映画を見てもテレビを見ても、
人の頭ばかり気になるさうです。世の中に、絶対公平な、客観的な見地などといふものが
あるわけはありません。われわれはみんな色眼鏡をかけてゐます。そのおかげで、
われわれは生きてゐられるともいへるので、興味の選択ははじめから決つてをり、
一つ一つの些事に当つて選択を迫られる苦労もなく、それだけ世界はきれいに整備され、
生きるたのしみがそこに生じます。
しかし人生がそこで終ればめでたしですが、まだ先があります。同じ色眼鏡が、
ほかの人の見えない地獄や深淵をそこに発見させるやうになります。猫は猫にしか見えない
猫の地獄を見出し、床屋さんは床屋さんにしか見えない深淵を見つけ出します。

三島由紀夫「序(久富志子著『食いしんぼうママ』)」より

672大人の名無しさん2011/03/05(土) 22:17:10.48ID:V4/gzGlT
ついったー!?  こういサン は お亡くなりになったハズじゃぁああ。。。
美輪明宏とアメ横に初Gパン買いに逝った人ですね!
Gパンはいたら、お母様にこういサンが不良になったのはあなたのせいです!!
って美輪明宏さんが怒られた人ですね!!

673大人の名無しさん2011/03/06(日) 10:47:56.60ID:S3nQFkfv
丸山君。君には一つ欠点がある。それは俺に惚れないことだ。

三島由紀夫
(※丸山は美輪明宏の本名)

674大人の名無しさん2011/03/06(日) 17:01:46.29ID:LxMfVKqc
映画・黒蜥蜴 見ました?ようつべに転がってたんで見たんですが
美輪さんが三島さんにキスしてくれって言われてした問題のキスシーン
見ました。タイトル英語?だったので外国の方がうpしたのかも。。。

675大人の名無しさん2011/03/07(月) 10:59:39.25ID:r6hl2+xx
>>674
これですね。
Black Lizard (1968) Part 8 of 9
http://www.youtube.com/watch?v=uX9ZoYNWAlA

ヒッチコック好きの三島由紀夫は、自作戯曲鹿鳴館にも大工役で出たことがあるらしいですが、
この黒蜥蜴は存在感ある役で人形なのに目立って面白いね。

676大人の名無しさん2011/03/07(月) 13:49:49.82ID:Xlphpu/C
面白いですよね!三島さん肉体改造してマッチョなお姿ですね!
女子高生からセクシーだとファンレターもらって
何回も読ませたとか・・・

677大人の名無しさん2011/03/07(月) 21:25:02.32ID:r6hl2+xx
こんな歌があったとは知らなかった。三島由紀夫とデュエットすればよかったのにね。

黒蜥蜴の唄 - 丸山明宏
http://www.youtube.com/watch?v=mDbU465iLzU

678大人の名無しさん2011/03/07(月) 21:37:40.10ID:Xlphpu/C
三島さんは歌が上手だったのですか?

679大人の名無しさん2011/03/07(月) 21:52:52.08ID:r6hl2+xx
上手くはないけど、なかなか優しい甘い歌声ですよ。からっ風野郎の主題歌を歌ってます。

680大人の名無しさん2011/03/07(月) 22:12:24.64ID:Xlphpu/C
そうなんですか!三島さんって多彩ですね。

681大人の名無しさん2011/05/15(日) 11:01:38.67ID:TrjmTbCP
「ココアたら何や」

「西洋の汁粉みたいなもんや」

三島由紀夫「潮騒」より

682大人の名無しさん2011/06/01(水) 10:14:19.51ID:sf0D1n2s
あの戦争が日本刀だけで戦つたのなら威張れるけれども、みんな西洋の発明品で、西洋相手に戦つたのである。
ただ一つ、真の日本的武器は、航空機を日本刀のやうに使つて斬死した特攻隊だけである。

三島由紀夫「お茶漬ナショナリズム」より

683大人の名無しさん2011/06/06(月) 17:16:30.76ID:gj98uFAQ
現代ジャーナリズムが商業的に避(よ)けて通るやうな問題にこそ、最も緊急な現代的問題がひそむ。

三島由紀夫「『侃侃諤諤』を駁す――交友断片」より

684大人の名無しさん2011/06/22(水) 22:36:02.43ID:ifG833gU
俳優は、良い人間である必要はありません。芸さへよければよいのです。と同時に、俳優は、俳優に徹することに
よつて思想をつかみ、人間をつかむべきではないでせうか。組織のなかで、中途はんぱなつかみ方をするのは
いけないと思ひます。

三島由紀夫「俳優に徹すること――杉村春子さんへ」より

685大人の名無しさん2011/06/30(木) 12:29:58.37ID:gMOLnFzG
>>1-
ちゃんとtwitterのアカウント取ってやればいいのに。
あ、著作権の問題か?

686大人の名無しさん2011/07/01(金) 23:21:31.38ID:V29u9n1E
美しい静かな絵といふものは、世路の艱難の只中から生れるものだ。それは艱難からの逃避ではなく、生きることの
むづかしさそのものから直ちにひらいた花だ。

三島由紀夫「無題(鈴木徳義個展推薦文)」より

687大人の名無しさん2011/07/13(水) 20:19:09.14ID:2f6jCo0P
いくらお金を費つても費つても、貧しい気分にしかならないたいへんな時代が、現代といふものである。

三島由紀夫「鳳凰台上鳳凰遊ぶ」より

688大人の名無しさん2011/07/26(火) 20:50:40.57ID:YCbH/vko
政治に暗く、経済に暗く、社会に暗く、しかしその暗い全景の一部分に、丁度ルネッサンスの風景画のやうに、
啓示のやうな光りを強く浴びてゐる部分がある。そこだけ草が輝き、羊の背が光つてゐる。そこだけ木立は光りに
あふれた籠のやうに見え、そこだけ流れは光彩を放つてゐる。そここそは、女だけに特権的な、不可侵の情念の
領域なのだ。

三島由紀夫「詩集『わが手に消えし霰』序文」より

689大人の名無しさん2011/08/01(月) 16:31:45.51ID:1J9NRuPb
剣を失へば詩は詩ではなくなり、詩を失へば剣は剣でなくなる……こんな簡単なことに、明治以降の日本人は、
その文明開化病のおかげで、久しく気づかなかつた。大正以降の西欧的教養主義がこの病気に拍車をかけ、
さらに戦後の偽善的な平和主義は、文化のもつとも本質的なものを暗示するこの考へ方を、異端の思想として
抹殺するにいたつたのである。

三島由紀夫「一貫不惑」より

690大人の名無しさん2011/08/04(木) 11:18:01.89ID:ePbmQbyU
@kaneda_daiki
金田大貴
高岡は三島由紀夫が好きなようだが、切腹して死んだホモの右翼作家に心酔するのはバカのすることだ。

だってよ

691大人の名無しさん2011/08/04(木) 13:27:21.42ID:Y1xITRf6
日本人は何度でも自国の古典に帰り、自分の源泉について知らねばならない。その泉から何ものかを汲まねば
ならない。この「源泉の感情」が涸れ果てるときこそ、一国一民族の文化がつひに死滅するときであらう。

三島由紀夫「文化の危機の時代に時宜を得た全集(『日本古典文学全集』推薦文)」より

692大人の名無しさん2011/08/28(日) 10:37:34.09ID:TFqk8FE9
戦後の日本にとつては、真の民族問題はありえず、在日朝鮮人問題は、国際問題であり、リフュジー(難民)の
問題であつても、日本国内の問題ではありえない。これを内部の問題であるかの如く扱ふ一部の扱ひには、
明らかに政治的意図があつて、先進工業国における革命主体としての異民族の利用価値を認めたものに他ならない。

三島由紀夫「文化防衛論 戦後民族主義の四段階」より

693大人の名無しさん2011/09/14(水) 11:04:53.15ID:8eUMx4wO
「もの」を選ぶといふのは、最終的には総合的判断である。総合的判断とは、非合理的なものである。


フィクションとはいひながら、殺意が、そこにゐる人すべてを有頂天にするといふのは、思へばおかしな人間的
真実である。

三島由紀夫「『人斬り』田中新兵衛にふんして」より

694大人の名無しさん2011/09/30(金) 23:14:25.00ID:c5GdHj7k
感情だけが恋を形づくるが、恋をこはすのもまた、感情だ。それなら形だけの恋、感情を持たない恋の中にだけ、
永遠なものが宿るのではないだらうか?

三島由紀夫「鏡の中の恋」より

695大人の名無しさん2011/10/31(月) 14:05:42.07ID:tbL7bMtb
ある人物と決定的な出会をして、それから終生離れられなくなるずつと以前に、むかうもこちらに気づかず、
こちらもほとんど無意識な状態で、その大切な人物にどこかでちらと出会つてゐることがあるものだ。私と太陽との
出会もさうであつた。

三島由紀夫「太陽と鉄」より

696大人の名無しさん2011/11/25(金) 09:46:29.61ID:i05Q1tCE
静聴せい

697大人の名無しさん2011/11/25(金) 20:01:56.79ID:SOuQMEyy
今日は命日

698大人の名無しさん2011/12/09(金) 16:02:29.77ID:NEv463Cu
益荒男が たばさむ太刀の 鞘鳴りに
幾とせ耐へて 今日の初霜

散るをいとふ 世にも人にも 先駆けて
散るこそ花と 吹く小夜嵐

三島由紀夫 辞世の句

699大人の名無しさん2011/12/28(水) 16:00:52.59ID:wPl8Kahy
ワッハハハ

700大人の名無しさん2012/01/14(土) 16:05:08.03ID:iEOzDMi4
米国中西部の人は、昔の京都の人のやうに、魚は中毒ると決めてゐて子供のときから食べない習性がついて
ゐるらしく、ニューヨークに住んでも魚(海老さへも)を頑として食はない人がずいぶんゐる。生れてから
肉しか食べたことがないといふのは、人生の半分を知らないやうなものだ。

三島由紀夫「紐育レストラン案内」より

701大人の名無しさん2012/02/09(木) 23:39:50.99ID:n91dpim0
静聴せい

702大人の名無しさん2012/02/24(金) 14:04:49.29ID:jwEpF+GY
寂聴

703大人の名無しさん2012/02/29(水) 00:00:20.14ID:pMuydYSO
何かをきれいだと思つたら、きれいだと言ふさ、たとへ死んでも。

三島由紀夫「卒塔婆小町」より

704大人の名無しさん2012/03/20(火) 19:18:01.38ID:wC0y5t5+
日本は緑色の蛇の呪いにかかっている。日本の胸には緑色の蛇が食いついている。
この呪いから逃れる道はない。

三島由紀夫
ヘンリー・スコット=ストークス宅の食事会での発言より


705hal ◆iZBKegNFqA 2012/03/20(火) 19:49:56.43ID:3agXXiV8
このスレ面白い

706大人の名無しさん2012/03/20(火) 19:59:58.32ID:AmvXloZX
あはは

707大人の名無しさん2012/03/29(木) 07:28:42.72ID:vKCG4IaR
>>704
緑色の蛇って何の隠喩?

708大人の名無しさん2012/04/11(水) 14:46:57.64ID:/mo8x3gX
ドル札

709大人の名無しさん2012/04/11(水) 22:41:59.58ID:yAozrxU7
なるほど。蛇が禁断の実を食わせるわけか。

710大人の名無しさん2012/05/06(日) 10:41:59.42ID:31VtgGAK
限りある命ならば永遠に生きたい。

三島由紀夫
自決の翌日、書斎から見つかった遺書風のメモより

711大人の名無しさん2012/05/10(木) 18:19:20.79ID:VdchXUGh
Twitterの有名人アカウント紹介サイトはここ。
http://wiki.livedoor.jp/wikkkiiii/
本物の有名人のアカウントを見つけたら追加すべし。

712大人の名無しさん2012/05/29(火) 16:04:02.29ID:vZjxReju
人間にはインドに行ける者と行けない者があり、さらにその時期は運命的なカルマが決定する。

三島由紀夫
横尾忠則への言葉

713大人の名無しさん2012/06/29(金) 15:50:07.63ID:k8NvN7NZ

アナボリックステロイドは耐久性の運動競技や有酸素運動における能力の向上をもたらすものとして、
1960年代の初め頃から重量挙げの選手やボディビルダーらの間で注目を集め始めた。

【副作用】
・多毛症:顔、乳首の間、背中、肩、大腿の裏、臍下、殿部などといった、本来は無毛の部分への体毛の出現。
・精神的症状:鬱病的症状、妄想、気分変動の激化、パラノイア、苛立ち。
・行動変化:攻撃性や突発的な暴力衝動の発現。


714大人の名無しさん2012/06/29(金) 23:23:23.37ID:k8NvN7NZ

コイツ危ないぞ。

ttp://www.youtube.com/watch?v=QrlOpFP-Jk8

ttp://www.youtube.com/watch?v=jZsJQPxcA0Q

ttp://www.youtube.com/watch?v=_PYXrFh3bTk


715大人の名無しさん2012/07/06(金) 21:49:05.02ID:9B7GMU9+

716大人の名無しさん2012/08/07(火) 15:05:08.60ID:Piiy8iUU
小説は僕の本妻で、芝居はメカケだ。

三島由紀夫「三島由紀夫渡米みやげ話」より

717大人の名無しさん2012/08/20(月) 09:44:06.40ID:2+Ton25V
性に熟練した男といふのは、実は同じ芝居、たとへば「父帰る」とか「沓掛時次郎」とかの芝居を何千回くりかへして、
くりかへすうちに巧くなつた、しがない旅芝居の役者みたいなものです。

三島由紀夫「をはりの美学 童貞のをはり」

718大人の名無しさん2012/09/04(火) 20:36:46.07ID:TqZYYcpy
「りつぱな男は、いつも初年兵の気持ちを失はぬ」といふゲーテの格言があるが、これを機会に、
私も自分の初心を取り戻さねばならぬ。

三島由紀夫「初心に帰らう(読売文学賞受賞のことば)」より

719大人の名無しさん2012/09/05(水) 00:32:15.62ID:VWy/dfUZ
風俗もデフレが凄い
○1000円〜
「新宿 アイアイ 」
○1500円〜
「西川口 マーガレット 」
○2000円〜
「新宿・錦糸町 あんぷり亭 」
「新宿 ダブルエロチカ 」

720大人の名無しさん2012/09/28(金) 16:44:35.21ID:tFkH7GgD
私は往々人生に悲劇を期待して、いつも喜劇に報いられるといふ妙な運命をもつてゐる。

三島由紀夫「あとがき(「三島由紀夫作品集5」)」より

721大人の名無しさん2012/09/30(日) 02:50:42.93ID:l5BE6Zi1

http://s.webry.info/sp/stktakemoto4216.at.webry.info/201201/article_10.html

これが日本の裏側の全て

巣鴨プリズンコネクション

馴染みの名前がずらりと載ってます

日本人ならもう知っておかなくてはならない

あとは頼んだ


722大人の名無しさん2012/10/18(木) 16:56:33.28ID:+0BJQ9RO
ほてつた顔の鼻筋にかかつて流れる水の鮮烈な塩辛さが、彼に初江の唇の味はいを
思ひ出させた。

三島由紀夫「潮騒」より

723大人の名無しさん2012/11/11(日) 20:20:24.67ID:0OUYC+WU
昔の大将の身代り首といふものがある。活動写真のスタンド・インといふものがある。他人の空似と
いふのは実際にあることだ。

三島由紀夫「花火」より

724大人の名無しさん2012/11/25(日) 22:16:06.03ID:RTbgmEBb
ホモォ・・・

725大人の名無しさん2012/12/06(木) 20:15:47.66ID:nNy+HKCI
ある人をよく知つてゐるつもりでゐて、温厚ないい人物だと思つてゐると、突然、彼の狂的な一面に触れて、
びつくりすることがある。かういふ人生のドラマは、ボクシングの試合でも見られることがある。

三島由紀夫「観戦記(原田・ジョフレ戦)」より

726大人の名無しさん2012/12/07(金) 00:25:15.52ID:06rVp333
力をください

727大人の名無しさん2012/12/21(金) 10:21:29.03ID:bOKGbpGO
不遇のときに人よりも厚く、得意のときには遠くから見守る、といふのが本当の友人である。

三島由紀夫「序(丸山明宏著『紫の履歴書』)」より

728大人の名無しさん2013/03/03(日) 19:03:14.44ID:FNdnfKH+
海上自衛隊のダンスは上半身を脱いでこそ魅力あるものになる

729大人の名無しさん2013/03/29(金) 20:06:30.22ID:y6N+gVFn
君、まじめというのはこの中に入っているんだよ! 言葉というのはそういうものだ。この中にまじめが
入っているんだ。わかるか!

三島由紀夫「討論 三島由紀夫vs.東大全共闘――美と共同体と東大闘争」より

730大人の名無しさん2013/04/13(土) 22:47:14.79ID:LYU7VnUS
しかしフライパンの中から見ると、フライパンは、フライパンには見えにくいものである。

三島由紀夫「卵」より

731大人の名無しさん2013/06/18(火) 23:07:24.24ID:FO8oNoKo
保守

732大人の名無しさん2013/07/26(金) NY:AN:NY.ANID:9pZWLM6m
一種独特の世界観を持った人だから。

733大人の名無しさん2013/09/10(火) 04:10:09.04ID:eThsbcSb
好き嫌いは否めない♪

734大人の名無しさん2013/11/25(月) 11:15:22.90ID:b0PzOTKN
命日あげ

735 忍法帖【Lv=3,xxxP】(1+0:8) 2014/01/18(土) 21:53:54.33ID:rgq5KHmF
あけおめ!

736大人の名無しさん2014/02/13(木) 06:35:14.62ID:2me04sJ3
どういたしまして

737大人の名無しさん2014/02/22(土) 17:31:49.15ID:T9NVwPAw
保守

738大人の名無しさん2014/04/17(木) 02:27:29.74ID:eFdZNmUb
age

739大人の名無しさん2014/05/23(金) 09:13:01.31ID:1DkNGbCX
age

740大人の名無しさん2014/06/06(金) 01:56:17.86ID:CbwVDeLs
天誅!

741大人の名無しさん2014/07/02(水) 09:43:03.13ID:0J8nMJDw
挙げ

742大人の名無しさん2014/08/30(土) 01:39:45.23ID:OfLWRwU5
age

743大人の名無しさん2014/10/03(金) 05:35:34.79ID:QkRcSODQ
age

744大人の名無しさん2014/11/05(水) 07:43:16.08ID:STuXboEg
MISHIMA

745大人の名無しさん2014/12/04(木) 23:32:19.43ID:IGeSDA6o
YUKIO

746大人の名無しさん2015/01/02(金) 01:30:11.67ID:tbtcEVme
靖国神社に放火しようとした男、金閣寺を彷彿とさせたな

747大人の名無しさん2015/02/08(日) 20:13:50.30ID:yzv9DwCF
http://twit casting.tv/kotokomint

748大人の名無しさん2015/03/15(日) 00:25:02.06ID:UALCtpF1
hoshu

749大人の名無しさん2015/03/20(金) 15:34:03.05ID:g+cZY4Q5
スイート ひなちゃん

こんなに可愛いのに・・・

ムフフ・・・

あぁーーーーーーーー大胆!!!


on★eokroc★k.to★kyo/1212

★抜き!

750大人の名無しさん2015/04/03(金) 04:02:41.05ID:Bc87PlK9
age

751大人の名無しさん2015/05/16(土) 01:31:42.23ID:7mopYIpa
MISHIMA

752大人の名無しさん2015/06/12(金) 05:56:27.38ID:bqkDssTe
mishima

753大人の名無しさん2015/07/06(月) 00:33:23.18ID:i9lyKPpk
age

754大人の名無しさん2015/11/11(水) 08:19:24.83ID:WrRRwICR
切腹あげ

755P35 ★NGNG
P35.cgi (Perl,SJIS) 2015/11/18 FOX.
>&ft;1 元のスレ
../cafe30/dat/1269480885.dat
P35 三島由紀夫のツイッター
441394 -> 282655 (バイト)
P35 テストに夢中。これ以降書いても消えちゃうかも

756大人の名無しさん2015/11/22(日) 14:29:23.68ID:DfpUFTP6
age

757大人の名無しさん2015/12/04(金) 05:18:39.52ID:kIfT4ENe
三島あげ

758大人の名無しさん2016/01/08(金) 04:33:03.38ID:edUoi5iV
美輪さんあげ

759大人の名無しさん2016/02/26(金) 08:03:16.26ID:uGtpyYKk
三島あげ

760大人の名無しさん2016/05/28(土) 06:00:53.10ID:x6qC6wqi
ひっそりあげ

761大人の名無しさん2016/07/22(金) 04:08:09.49ID:QfYDVfl3
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762大人の名無しさん2016/07/22(金) 04:08:34.83ID:QfYDVfl3
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763大人の名無しさん2016/08/19(金) 14:30:57.45ID:0pSzm61Z
三島追悼

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