メディアワークス文庫総合スレ17 [無断転載禁止]©2ch.net

「不幸せではないけれど、幸せというほどでもない」
「からだは動いているけれど、心が動いていなかった」
そんなひとりひとりのあなたが、ドキドキして、ワクワクして、
無我夢中の自分と、もう一度出会うために。
かつてないエンタメノベル、登場。

次スレは>>980が立ててください。

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メディアワークス文庫総合スレ15 [無断転載禁止]©2ch.net
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263イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/01(金) 19:33:45.50ID:cjZ7BUHU
…芸大を出たものの、芸術の世界で生きていく事を諦める様な素振りを見せながら、しかし諦めきれずに
ギリギリの所で踏み止まっている怪しい連中が抱えた事情に巻き込まれ、朱里は大苦戦するのだ けど、
苦戦する相手は住人だけでなく無職の自分が食い繋ぐためにはバイトもこなさなきゃならない。
風呂屋の清掃係兼番台、正義の味方・モリノミアンの「中の人」、六十過ぎのママとオカマしかいないバーの店員…
これまた珍奇なバイトをこなしつつ逞しく朱里は生きていくのだ けど、その手助けをしてくれるのが八号室の高羽。
リノベ後のアパートに今と同じ家賃で住まわせる事を条件に住人の身辺調査やバイトの斡旋をしてくれる怪人物。

しかし、上に挙げた三人の家賃滞納者を一人ずつ退去させていく中で少しずつ掘り下げられるのはこの高羽の姿。
日本人男性の平均としか表現しようがない掴みどころの無さが特徴でありながら、
部屋に三面六臂、複数の顔を持つ神「ASURA」のプレートを掲げ
かつて日本最高の舞台演出家と言われる一方、狂気染みた厳しい指導で知られる浮ケ谷誠志郎の劇団「琥珀竜座」に所属し
初舞台を任された「サイコパスの殺人鬼」の演技で客が逃げ出したという伝説を残した男。

264イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/01(金) 19:34:00.91ID:jq0N/1y0
上記の三人の退去を描いた連作短編三本は、この高羽が探し求め、高羽が度々見舞いに訪れている浮ケ谷が依頼し、
そして朱里の父・一景が遺した「あるもの」に辿り着くための前振りでしか無い、とも言える。

恥ずかしながら、この最終章で一景が遺した「あるもの」が明かされる場面を読んだ瞬間、腰が抜けた。
六号室の住人・川喜多が「芸大生にとって卒業式は諦めの儀式」と言い残した様に、
どれだけ精魂を傾け、己を表現しようと「上には上がいる」と自分の才能の限界を思い知らされたり、
示した己をまったく評価の対象にして貰えず心が折れて芸術の世界で生きていく事を諦める事がほとんどの芸大出身者。

265イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/01(金) 19:34:10.35ID:n7FbJfya
そんな評価されない芸大出身者の一人であり、娘の朱里から親子の縁を切られてなお、自分が持つ能力、
カメラ・オブスキュラ=「時代遅れの投影装置」でしかない超写実主義(スーパーリアリズム)を諦めなかった画家が
演出家・浮ケ谷の依頼を受けて作り上げた「世界」。
執念という言葉を通り越して狂気に等しい想いを注ぎ込んで孤独な芸術家が創り上げた「それ」が
「諦めない事」の凄味というものを読者にこの上なく思い知らせてくれた。

連作短編形式で「キャラの立った普通の人々」が織り成す悪人のいない優しい世界で主人公が
諦めきれない芸術の道を模索する人々と出会う、いつもながらの美奈川ワールドを堪能させながら、少しずつ主役の背景を掘り下げ
最終章で「諦めなかった芸術家」が何を産み出すのかを圧倒的な「世界」で見せ付ける…構成の見事さに息を呑まされた。
美奈川護は寡作ではあるけど、新作を発表するたびに一つ上のステージに登り詰めていく作家だと改めて思い知らされる、
350ページにみっちりと美奈川護にしか描けない世界を詰め込んだ読み応え十分の一冊、大いに堪能させられた。
全力で推させて頂きます。

266イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/01(金) 19:34:40.64ID:O7r+kmFJ
5つ星のうち5.0取り立て屋兼追い出し屋なヒロインが築五十年のおんぼろアパートで出会った「諦められなかった人々」の物語。美奈川護にハズレ無し!
Customer Review
https://www.amazon.co.jp/review/R8WXOWOYPJNFR/

     

267イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/02(土) 00:01:51.93ID:+b4hnibi
来月もバラエテーに富んだラインナップでおとどけしゃす

メディアワークス文庫
10/25発売
●あやかし会社の社長にされそう(仮) 【著:水沢あきと/絵:】
●この世界に i をこめて(仮) 【著:佐野徹夜/絵:】
●妖怪のご縁結びます。 お見合い寺 天泣堂 【著:梅谷 百/絵:】
●おとなりの晴明さん 〜陰陽師は左京区にいる〜 【著:仲町六絵/絵:】
●きみに七月の雪を見せてあげる(仮) 【著:五十嵐雄策/絵:】
●おかえりシェア 【著:佐野しなの/絵:】

買うのないわ

水沢あきとはあやかしに手出さなくていいのに
佐野徹夜の2作目は楽しみ

水沢さんは仕事・恋愛が良いなぁ

ていうかこのあやかしカフェ京都押しはいつまで続けるんだろうな
ちょっとずつ減って来ている気がしないでもないが

>>270
つまり不思議系上司か

272@無断転載は禁止2017/09/03(日) 12:21:59.37
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

さすがガガガと違ってここの奴らはわかってるな

時雨沢に絵本形式じゃないので書いてもらおう
あと野アの新刊とか欲しい

他レーベルの人間がここで>>4みたいなのを出したら崖っぷちってことでいいの?

>>272
中村さんちーっす

>>271
まさに
アイドルもやくしょも気に入ってる

iにしちゃうのがなつかしいセンス

278イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/04(月) 13:43:23.66ID:zmyqsD/E
>>274
古野まほろ?

>>277
ついこないだ西加奈子が i ってのを出したばかりだぞ

>>252
アイコンが目なのが怖い

281イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 18:54:47.19ID:U73LaxWK
5つ星のうち3.0付き合い始めた絶対城先輩とユーレイの関係にはニヤニヤさせられるが、終盤の展開がいささか強引。やはり十巻となると色々厳しい。
Customer Review
https://www.amazon.co.jp/review/R3QH7J77IU0OFE/

282イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 18:54:55.66ID:lnU7O7a4
いよいよ「白澤」という敵の存在が明確化され、モヤモヤした関係だった絶対城と礼音も互いを彼氏彼女と認めたことで
物語がクライマックスに突入するのか と思ったら、そこから待つこと9ヶ月。
巻も重ねて十巻目という事もあり、そろそろ巻きに入って欲しい所。

物語は詐欺師を専門的に狙う天才マジシャン詐欺師「狐」に白澤の調査を依頼したものの、
「狐」たちの乗った車が焼かれるというニュースを表示したパソコンを絶対城たちが眺めている場面から始まる。
白澤が明確に脅しをかけてきた事をいやでも自覚する絶対城たち三人組だったが、
このニュースをパソコンに表示させたのは誰だ、という疑問が持ち上がった所で当の「狐」が姿を現す。
ギリギリの所で脱出したという「狐」は相手が悪いと調査を降りる事を告げてくる。
去り際に絶対城に告白した事を「狐」にからかわれる礼音だったが、絶対城との関係は…さっぱり上手く行ってなかった。

283イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 18:55:04.13ID:RbyIiXWy
同級生の友香に「自然体で付き合う事の難しさ」をぼやく礼音だったが、
そこへ通りがかったのは「こそこそ岩」事件で詐欺に引っ掛かる寸前を助けられた後輩の若林。
同じ農学部の先輩の兄の嫁さんがやはり詐欺に引っ掛かりかけているので何とかならないか、と礼音に頼み込む。
礼音から話を持ち込まれた絶対城は「なんでそんな赤の他人の問題に首を突っ込む」と苦々し気な顔を見せるが
「キャパをオーバーしない限りは人を助けたい」という礼音の態度に「それでも俺はお前のそんな所が」と
結局は予言を告げる妖怪「クタベ」を名乗るその予言者もどきへの対応を引き受ける羽目に。

予言者の元に乗り込んでバーナム効果を駆使した典型的なインチキ予言を見破った絶対城と礼音だったが、
やっぱり関係はさっぱり進まないまま夏休みに突入、どこにも出掛けようとしない絶対城を残して
礼音は一人、トラブルを解決して貰った若林の紹介で牧場での短期バイトに泊りがけで従事する事に。

284イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 18:55:12.52ID:97owgX+0
潰れた体験牧場付のペンションを買い取り、若いのに勘の良さで順調な経営を続ける社長の元で
牛の世話に取り組む礼音だったが、休憩時間に通いの職員から
使われていない筈の裏の倉庫にわけの分からない機材や薬品を持ち込んでいるという話や
山にUFOが出るという奇妙な話を聞かされるが、その翌日件の倉庫の二回に子供の様な顔を見る。
元は獣医だという社長の奥さんからはこの家に子供はいないし、近所にもいないと言われるが…

うん、見事なまでのイチャイチャ回。
コミュ力がゼロの絶対城と女子力がゼロの礼音だから難しいとは思っていたが、ここまでとは!
素直にバカップルしてればまだしも「付き合い方がわからない」と中学生カップルみたいな姿を読者に延々と見せ付けるとか
…呪われてしまえ、というやっかみの言葉が読者の口をついて出てもおかしくないな、これは。

285イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 18:55:41.56ID:3xL8UfIG
話の方は「予言獣」をテーマにしたいつもの短編連作形式。
「クタベ」「神社姫」「磯女」「アマビコ」と人の前に現れては豊作になるとか悪い病が流行ると予言を与える
そんな妖怪たちの噂を軸に展開されるのだ けど…話の中心にくるのは小松左京ファンには嬉しい「アレ」ですよ。
そう、終戦間際の昭和20年頃に目撃談が相次いだ「×××」。

そんな予言を残していく物の怪たちの成り立ちを通じて
「バーナム効果と半分ずつ切り捨てていく予言の手紙」みたいな詐欺の手口を取り上げてみたり、
「予言獣ってのは表立って言いにくい事を妖怪の仕業として口にしたい庶民の願望」という流言飛語の
成り立ちみたいなネタを掘り下げていく展開はネタの豊富さを武器とする作者らしさが出ており、これ自体は期待通り。
そういった江戸期以降に増え始めた「予言獣」と対比してメインとなる「×××」の特異性に目を付けたのも悪くない。

286イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 18:56:04.05ID:8dnk6kR/
でもいつもながらの「ビックリ生物学」よりも目立つのが絶対城と礼音の関係。
序盤では「何をどうしたら良いかわからない」といいつつもぶっきら棒な絶対城が礼音の良さを認める所を見せたり、
事あるごとに赤面させたりというのは普段の絶対城のクールキャラとの落差でかなりニヤニヤさせられる。
あれこれ理由は言うけど、一人で牧場のバイトに出掛けた礼音を追いかけてきたりと、まあ可愛らしいw
そりゃ登場人物がことごとくからかいたくもなるってもんで。
「自然体で付き合いたい」という問題を話の舞台となる牧場の経営者夫婦が危機を乗り越える姿を通じて
「好きな相手の前では格好いい所を見せたい」という自覚にまで持っていった事で問題にも答えを出した感が。

…とはいえ、やっぱり十巻ともなるとネタ的にも色々ときつくなるのか終盤の展開がかなり強引だったのは否めないか と。
尺が厳しいのは分かるけど、敵があまりにもおバカ過ぎるというか「絶体絶命の危機」を演出するには些か言動が間抜けすぎるか と。
これでは窮地を脱してもカタルシスが得にくい。
しかも今回絶対城が窮地を脱する為に使った方法がある種の「ドーピング」みたいな方法なのでいつもの知恵と知識を駆使した
解決シーンに比べるとご都合主義臭く「なんだかなあ」と微妙な気分になってしまった。

287イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 18:56:16.61ID:AxqSJp2c
あとがきによれば、絶対城と礼音の関係と白澤の問題をいっぺんに描けば話が過密になるので二巻に分けたとの事。
確かにラストシーンは非常に気になる「引き」となっているし、その点の判断は正しかったと思う。
ただ、やっぱり終盤の演出が強引だったり、過去のキャラがいささか強引に顔を見せて話を展開させるのも
十巻を超えて、色々とネタを用意するのがきつくなってきたのかな、という裏事情が透けて見えた気がする。

次は敵であ る白澤との決戦となる様なので、これ以上話が薄まる前に完結までもっていって頂ければ、と
作品の長期化を感じた一冊であった。

288イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 18:56:36.57ID:f9oLmVwl
5つ星のうち3.0付き合い始めた絶対城先輩とユーレイの関係にはニヤニヤさせられるが、終盤の展開がいささか強引。やはり十巻となると色々厳しい。
Customer Review 
https://www.amazon.co.jp/review/R3QH7J77IU0OFE/

289イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 18:56:54.85ID:AxqSJp2c
なにとぞよろしくおねがいしますよ

290イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 19:44:43.00ID:PaSjI4RX
さっそく いいえ を入れる嫌がらせが出たか

オレも いいえ に入れて良い?

292イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 22:19:56.17ID:8Pcr2LTY
いいわけねーだろうが
はっ倒されてーのか

こいつ、いいえ押させるのが目的だから思う壺だしコピペした効果あるんだと調子づかせるだけやで

294イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/05(火) 23:10:53.64ID:T8cUvHGs
>>293工作員乙

>>293
ということにして、「はい」を押させたいヤボオさん

はいはい、中村は死んでね

>>296
バレた途端に豹変とはわかりやすいっすなあ

バレたってなにが
色々暴露しちゃうよ?

やべwww
いいえ と間違って 違反の報告 を押したったwww

>>298
なにもないくせに
くちだけはいちにんまえだな

>>299
あの
報告ボタン無意味やで

302イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/07(木) 23:22:25.85ID:g1NUrJL+
★4 ガール・ミーツ・ガールというか、一人ぼっち・ミーツ・一人ぼっちというか。ダークな世界観が特徴的な百合系SF。
Cus tomer Review 
https://www.amazon.co.jp/review/R31W1CK84KK9PP/

303イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/07(木) 23:22:58.65ID:MNNUCkBQ
 
2017年に入ってからめっきり刊行ぺースが落ちた入間人間。
電撃文庫でのお目当て作品の一つ「あだしま」も刊行が一年近くストップしているので百合成分が不足気味の今日この頃。
またしてもミカンの山が大きくなるのか と苦々しく思っていた所に百合っぽい新作が出たので一も二もなく拝 読。
 
物語は語り手であ る「わたし」が集落の長に呼び出される場面から始まる。
凶悪な東の部族の侵攻が活発化している状況で生き残るには彼らの用いる力と同等の力が必要だという長。
その力を持つ「神の岩」に近付かねばならないという事で「わたし」は選ばれたらしい。
もともと「大地を愛せ」という集落古来の教えに背いて海を愛することで浮いた存在だった「わたし」は
近付けば光に焼かれる「神の岩」に近付く「贄」として選ばれたらしい事を察する。
 
来るべき時が来たと覚悟し、海に飛び込み神の岩へと向かった「わたし」は巨大な大蛇の身体を盾にして
神の岩に接近、神の眠る場所として語り継がれてきたその神聖な場所に触れた瞬間、口を開けた神の岩の内部に転げ落ちる。
気が付けば辿り着いていた神の岩の内部は東の部族が用いる道具に似た雰囲気を持つ旧文明の建物に似ていた。

304イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/07(木) 23:23:19.26ID:jOZ+8Na9
 
神の岩の内部を当て所もなく彷徨っていた「わたし」の目の前に広間が現れ、そこには細長い水の器が置かれていた。
器に満たされた水の中には「わたし」より頭半分ぐらいは大きい女が眠っていた。
不思議な服を着たその女を引き込まれる様に眺めていた「わたし」だったが、突如「神の岩」全体を激しい振動が襲う。
神の岩の光を避けるために盾にした大蛇が暴れているのだと察した「わたし」は手放さずにいた槍で女が眠る器を壊す事に。
 
目覚めた女は状況を確認しようとして「ここは船?」「あなたの船員番号は?」とわけの分からない事を聞いてくるが、
激しい振動で神の岩が長く持たないと察した「わたし」は状況が掴めないままの女を連れて一旦退散する事に。
神の岩が崩れる寸前に水中から脱出した「わたし」は集落に女を連れ帰るが集落の者は長を始め女を「神」として扱い始める。
だが「わたし」だけは自分が助けなければ我が身を守る事すらできなかった虚弱な女を神とは思えずにいた。
 

305イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/07(木) 23:23:53.25ID:SjhWxx0b
 
女が「神」として集落に迎え入れられて数日後、「わたし」は女に呼び出しを受ける。
女は集落の他の者と違う銀の神と褐色の肌を持つ「わたし」の容貌に興味を抱いた様子を見せた上で、
集落の中でも余所者であ る「わたし」に集落の周辺を案内してくれと頼み込んでくるが…
 
百合であ るとも言えるし、「おともだちロボ チョコ」にも通じるダークな世界観はある種の「黒入間」っぽくもある。
確実に言えるのはこの「胃にくる」感じの読み応えは間違いなく入間人間の作品だなあ、という事。
「どっしり感」の無い作品なんて入間作品じゃない…そういう意味では大いに満足。
「黒入間」は好みがかなり分かれる作風なので万人向けではないかもしれないが、従来のファンなら大いに「あり」か と。
 

306イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/07(木) 23:24:07.49ID:6Ag2sVvz
 
上に書いた冒頭部分からもお分かり頂けると思うが、本作は結構ガチめなSF作品。
石器時代みたいな文明レベルの社会に集落のはぐれ者として生きる「わたし」が贄として向かった「神の岩」で
出会った奇妙な女と過ごす中でメイと名乗るその女の言動から少しずつ「わたし」を取り巻く状況が見え始め、
それと同時に各章冒頭に挿入される文明が崩壊する前らしい状況下での語り手であ る「皐月」とメイのやり取りを重ね合わせる事で、
「わたし」たちを殺そうとする異形の種族「東の部族」や旧文明の正体、東の部族に殺意を抱く集落の真実といった
殺伐とした状況の正体が「神の岩」の中で長く眠っていた「神」であ るメイの素性も含めて見えてくる仕掛けとなっている。
 
キーとなるのは「わたし」や「わたし」が暮らす集落の人間が殺し合っている「東の部族」。
「角張った大きな背中」「岩壁の様な肌」「太く逞しい四つ足」「極端に短い首」「潰れた目元」「存在しない鼻」
…と、およそビジュアル化するのが難しいレベルのおぞましい姿を持ったクリーチャー的存在なのだが、
中でも凶悪さが知れ渡っている「顔剥ぎ」を含めて「わたし」たちには恐るべき敵でしかないこの「東の部族」の正体が
メイの反応も含めて明らかになってくるにつれて、世界観の救いの無さに「うわあ…」と絶句させられた。

307イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/07(木) 23:24:15.30ID:sAzX1b70
 
見えてきたものは…何というか星新一の「善意の集積」と筒井康隆の「幻想の未来」を掛け合わせたような状況。
(どっちも救いが無かったり、かなりグロテスクな部分があるので検索する際は注意)
特に異形の存在であ る「東の部族」とコールドスリープから目覚めた少女メイの関係は一ミリも救いが無い。
特に各章冒頭のメイの皐月との会話やプロローグ部分「暮れゆく星の五月に」の背景が見えてくるにつれて
その悲劇性は一層強まってくる。
 
「望んだもの」が「望まぬ形」で手に入るという「猿の手」的悲劇はありがちではあるけど、
ここまでやるのは入間人間の黒さが全開というか…うーん…凄いな、何度読み返してもどこにも救いが無いw
そんな絶望的な状況を突き付けられたメイに唯一の「救い」として現れるのが唯一人自分を「神」扱いしない「わたし」。
集落のはぐれ者で二十七人の家族との長い旅の果てに辿り着いた場所で海を愛した「異形」。
 

308イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/07(木) 23:24:29.44ID:kvw8DKqa
 
メイと「わたし」の関係はガール・ミーツ・ガールとも言えるし、悲惨な状況に置かれた孤独な存在同士が
惹かれ合う「二人ぼっち」的関係とも言える(「わたし」も冒頭で集落から良いように贄にされるぐらいには孤独なのだし)
ただ、集落の中での扱いで諦観に囚われていた「わたし」の中にメイと喧嘩をすると「気まずさ」が生まれてきたり、
不仲であ る事に抵抗を感じたり、自分が弱くなっていく事に戸惑ったりする「わたし」の内面での変化には
「うん、これは確かに百合だ」と納得させられた上でニヤニヤした次第。
 
後半急転した状況の中で、「わたし」はメイと集落を離れ旅に出る覚悟をするのだけれども、
その後を追ってきた東の部族の中でも最凶の存在「顔剥ぎ」との命の奪い合いは…うん、これも百合の一形態かも知れない。
惚れた相手の「奪い合い」が描かれない百合作品は無いものなあ。
そして「わたし」と顔剥ぎの間で奪い合われる存在であったメイが最後に取った行動は望まぬ形で辿り着いた世界で
「わたし」と二人生きていく「覚悟」を表明するためのイニシエーション(通過儀礼)的行動だったのかな、と。
残酷ではあるが、それ故に気高くもある…

309イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/07(木) 23:24:47.96ID:zGYFctQC
 
ただ途中で明かされる「わたし」の本名が、うん、まあ入間人間作品だから「そうじゃないかなー」と思っていたけど
やっぱりこういう形で入間ワールドにリンクさせちゃいますか…「これがあってこそ入間作品だ」という人もいるんだろうけど
今回、この作風でリンクを挿入するのは強引さが否めん様な気が。
 
欠乏しかけていた百合成分と「黒人間」成分をたっぷりと補充できたのは間違いない。
救いの無い世界観で出会った少女二人が旅に出るまでを内面での変化の細やかな描写も含めて描いた部分は間違いなく「百合」。
単巻完結作品としてきっちりまとまっている部分にも好感が持てる。
刊行ペースは多少落ちたかもしれないが、入間人間はまだまだ油断のならない作家であ る事を改めて思い知らされた一冊。
入間人間の新作に飢えている方であれば手に取って間違いのない作品であった。

310イラストに騙された名無しさん@無断転載は禁止2017/09/07(木) 23:24:58.63ID:Da2zdQF6
★4 ガール・ミーツ・ガールというか、一人ぼっち・ミーツ・一人ぼっちというか。ダークな世界観が特徴的な百合系SF。
Cus tomer Review 
https://www.amazon.co.jp/review/R31W1CK84KK9PP/
 
 
 

>>278
古野まほろは最終手段として警察小説っていう飛び道具があるから

佐野はようやく出すんだな
受賞作だけの一発屋じゃなければいいが……

神様の御用人7まあ面白かったよ
長編としては4巻の方が好みでした
8巻も楽しみにしてます

8巻冒頭は天照の来訪シーンだったりするのかな。
最高神オーラを隠した状態でのやりとりを見てみたい

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